やらない夫があの世の裁判員裁判をつとめるようです 第三話 枯れた心に花咲くとき(後)

319◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:41:26 ID:iUO1SxSc0



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         高町シュテルが中学校から帰ってくると、自分宛てに郵便が届いていた。

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         やけに分厚いその茶封筒を、自室まで持ち帰って開いてみると、

         登場したのは奇妙な文章が書かれた数十枚の紙。

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         2枚目以降の文面は、自分や周囲の人間の死後の先を問うアンケート。

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     :: : : |                __,,_,_,,._..、、、   | :.::.      『高町なのはは天国行きと地獄行き、どちらだと思いますか?』
       .::.: |   '''' ""゙ ´´ ̄ ̄               .|.         『鳥栖ギャル夫は天国行きと地獄行き、どちらだと思いますか?』
       :. ::..|                _,,_,_,, _、、、 | :.::.      『八神ディアーチェは天国行きと地獄行き、どちらだと思いますか?』
       .: : |   '''''_""゙_´´ _ ̄_ _,._,.,, 、,、、 -z- =-'、::         『レヴィ・テスタロッサは……
   :     ゙、"``""´´ ̄ ̄    ̄__,,_,_,,._..、、、、  ゙、.::.
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         シュテルは――

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          !  (  !
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        .゙/ ./  ヽ .,,゙_''く   |''ー .._
        / .,/ゝ⊥_,l‐、.( 八.  |   . ̄^゙''''''"゛
          l./    `''、 l_)ー'ーー- ..,,___,   _,,..
       ’                      ̄ ̄








           \ キュッ /







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            ゙、   '''' ""゙´´ ̄ ̄                ゙、 :.::.
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         自分の父の名前が書かれた紙の、『地獄』に印を付けた。

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323◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:45:11 ID:iUO1SxSc0





       .          '            i!川川川川川 .; i!        i
                   ' .'     l      i!川川川川川 .; i!   i.    l ',
                l ,'     i!   i!  i! '"""'"""""| ::i! i   i...   l !
                 l .,'.     !i    i!  i!  _.     ! i!.i! .i...  i.   i .i! .l
                  l ,',  .i.   !   i!  .i! _  二__ .|:i! .i! i!       ,'! l
                  |.ハ    i  爻ミxi !i!        , .|i! i! i! 爻 i   i. ,' l l
                  iハノ .i   .i    i! i!i!77=-ヾ   /r-┼=!彡  i!   i ト. l:i
                 i ',', .i! ; .!  `i===-:::: ヽ  <`==!-i'': !i.  i.,' .} i!
                      ',',:i:! i! .i!:  |::i:!:::::::彡:::     ヽ  i! .! .,i:!  i  ' !
                   ', ::. i! i!.   !:::i:::::::::::::::::::|      i | .,' i!  i lノ  .!
                       ', マ  i! マ |::::::::::::〃::::::|    、    |/ , i! .i:!
                       ___.マ .i!. マ    ゝ  、_,   ) ヽ   i ' .i! /i!
                ′.  ヽ、 :i!  、::: 〃:::::::` 一 ´   Y  i/ ,.イ/ .!
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               |    (_) .ヽ  ハ > :::::::::::::¨¨    '  /ヽ
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                ノ二≧=:、__ノ......二\\:::::::::: ̄  ̄  /......___ r―- 、
               lililililillilililililil.'lili:ヽ二二 \\:::::::    / ../:.:./:.:.:.:.:.:ハ:.:i
.               !:l:l:l:i!lilililililililililililililト、....二ニヽヽ:::::::    ,...{:.:.l{.イチ}:/:.`:ヽ
.               ヾl:l:l}ilililililililililililililililililil:.、....二ヽヽ::::   , '.....`ヽ<` /イ:ヽ:.:.}
.                l|ililililililililililil、ililililililililililil}....二ヽヽ  , ' , ' 二 ..ゝ≠i从レ《_ ヽ
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            /二二.....V.!lililililililililililト、 . 二二二二ニ ’, ' 二.....∨ ̄ゝノ___l_i::::》 i二ニ: 、
.        /二二二二i.il|ililililililililililililiハ..ヽ二二二二/二二二..{- `ゝ---‐‐‐.ゝヽ .....二ニヽ
                     il|ilililililililililililililili             /:::/}::::::::://::::ヽ::::ヽ,
                     il||ililililililililililililililiilil:,         , /:::/r-┐::__i_r 、 ::::::::::::::::|ゝ、
                     il||ililili|ilililil:ilililililililil:!.       r/ {/::://二 ::::::: l:::::::::::::::ヽ__/ ∧
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                Tニニ|jljljljr-=ニ二ヘ         {:::::::::イ ::::::::::::::::::::|:::::::::∧:::¨ゝ‐‐≠
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                     【やらない夫があの世の裁判員裁判をつとめるようです】

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324◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:45:33 ID:iUO1SxSc0









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                              第三話 枯れた心に花咲くとき(後)

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325◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:46:39 ID:iUO1SxSc0


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         それまでのシュテルの家庭は、幸せな家庭だったと言える。

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     NVVVVVVV\
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     <         `ヽ、
     </ /"" \ .ノヽ. \
      //, '〆     )  \ ヽ
     〃 {_{    ノ    ─ │i|
     レ!小§  (>)  (<) | イ ━
      レ § ::::⌒(__人__)⌒ |ノ ┃┃
     /   ゜。   | | | || 。゜ ∩ノ ⊃
     (受\  ∞ `ー‐' ∞ /_ノ
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                           ヽ!N:.:.|:.:.:.:.ハ ゝ- ''        :::::::::: /|:.:| / |:.:.:.:.:i::.:.:.:.:.:|
                            ヽ.ヽ:Nヽ:.:ハ :::::::::  ヽ           /.:.|./  i.:.:.:.:.:i::.:.:.:.:.:|
                               \  |:.人     v ― ァ    /:.:.:.|.  |:..:.:.:.:i::..:.:.:.:.|
                                ヽハ:.:.:| \    ` ー    / |:.:.:./   |.:.:.:.:.:i::..:::.:.:.|
                                 i |:.:.|   ヽ、_    _,. '  ,. |:.:/   .|:.:.:.:.::i::.:.:.:.:..|
                                  ヽ:|     | ` ´  ,. '´ /:.ム    |.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:./
                                   ヽ    |` ーr‐'´   /:./ \  |:.:.:.:.:.i:..:..:./
   ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         父と、母と、自分の3人家族に犬を飼い。

         とても仲の良い、自慢の両親だった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





326◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:46:55 ID:iUO1SxSc0


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ――その幸せが壊れたのは、シュテルが小学校六年生の時だった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                 ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━
                           /ヽVVVVVVV ノ
                            ./           /
                        /         (
                       /              ≦⌒
                      /             ミ
                       |              ヾ
                       |       i    '    ゞ
                      ゝ.       |   /     丿
                         \从   リソ /ノ 从/
                         /  `ソ∨イ 彡' \
                 ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         父が、浮気をしたのだ。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





327◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:47:55 ID:iUO1SxSc0


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         信じられなかった。

         父の浮気がバレる前日まで、

         笑い合って、冗談を言って、一緒に料理を作っていたのだから。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


  ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

    NVVVVVVV\
    \        \
    <         `ヽ、
    </ /"" \ .ノヽ. \
     //, '田     )  \  n:
    〃 {_{    ノ    ─    ||
    レ!小§  (●)三(●) | 「| |^|`|
     レ §   (__人__)  |ノ| !  : ::}
    /   ゜。  `ー'´ 。゜  ヽ  ,イ
    (愛\  ∞   ∞  /_ノ
    .\ “  _∞∞_ノ∞ /
      \。_\\\\\/


    /  /:.:.:.:.:./:./:.:.:.:.:./:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:./:./|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:}:.:.:.:.',:.:.:.:.',:.:.',//:.:}:∨ ヽ
        i:.:.:.:./:.:/:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:,:.:.i:.:.:.:i:./ !:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.i:.:.:.:.:}:.:.:.:.}:.:.}/:.:./||:.∨  \
      __|:.:.:.:i:.:.i:.:.:.:.:.:.:i:.:.!:.:.|:.:.:.:.〃:.|:.:.:. |:,'  ',:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:|:.:/,' |:.:.:.ヽ   ヽ
    //:.:!:.:.:.||:.| |:.:.:.:.{ !:.:|:.:.:.!:.:.:.,' |:.:.|:.:.:.|:.i  ヽ:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.: |:.:.|__:.|:.:.:.:.:|: |/:/ |:.:.:.:.:.\
    /:.:.:.',:.:{ |:| !:.:.:.:i {:.|:.!:.:.',--i、|_| |:.:.| リ    \:.:.:.:.\斗 ‐:´!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.|_/  |:.:.:.:.:.:.:.:\
    :.:.:.:.:.:.:',:|:.:|:.:.:',:.:.:.{ ',|:.',:.:.ヽ:.| ,≠≦ム        ,才芋冬廴/:.:.:./:.:.:.:./:/ ヽ.  |:.:.:.:.:.:.:.
    :.:.:.:.:.:.:.Ⅵ:.:./ ∨:.i  |:.:.∨:.ヾ《.ら::::::::|        .ト′::::::} 》:.: /:.:.:.: //}  }   |:.:.:.:.:.:.:.
    :.:.:.:.:.:.:.:.:.:./  ∨| |:.:.:.:∨:.',  辷zシ         辷zzシ /:.//:.:./ }  /     !:.:.:.:.:.:.
    :.:.:.:.:.:.:.:.:./    ヽ |:.:.:.:./|:.、:ヽ               〃  //:.:.:,' /      |:.:.:.:.:.:.
    :.:.:.:.:.:.:.:./   // |:.:.:.,' {:.:\\     ,          /  /:.:.:.:.:.//       |:.:.:.:.:.
    :.:.:.:.:.:.:.,'   //   |:.: i  |:.:. 人\     ` _        /:.:.:.:.:/-- __     |:.:.:.:.:.
    :.:.:.:.:.:.:.|   //.   |:.:{  !:.:.:. !_ヘ、    ヽ--'         /:.:.:.r----------≠_.|:.:.:.:.
    :.:.:.:.:.:. |   〃.   |:.:| r=┐ヽ.  ヘ、           イ:.:.:.:.!: : : : : : : : : : : : : : /:.:.:.
    :.:.:.:.:.:.:| /     |:. | |_: |:.:.:\    ヘ、     イ /:.: : /: : : / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |:.:.:.:.
    :.:.:.:.:.:.:| /      !:.| |  | |\:.:. ',   r--≧≦--- ./:.:.:.://: : :/          |:.:.:.:.
    :.:.:.:.:./ リ       |:.| |  |: |  `ヽ  .|-┐|   _--/:.:.//: : :/             |:.:.:.:.
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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         浮気がばれて、大喧嘩が始まった。

         毎日のように罵り合って、争って、ついには暴力沙汰にまで発展した。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




328◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:48:28 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルは思う。なんでこんなことになったんだろう、と。

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          ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

                               __
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                       /:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : \
                         /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : :.ハ
                          {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..: : : :.i
                           :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : ハノ
                         i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: : : : |i
                         {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:: : : : : |{
                         ハ:.:.:.!:.:.:.j{:.:.! : : ハ: :.八
                           \ト、jハノ}/ヽ}ノ.,....、
                    /⌒ヽイ:::::::::::::::::::: `Y´::::::::`ヽ、
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          .       /:::::::::::,>´{三三三三三三三彡 ',:::::::::::.


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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         思いの果てに辿り着いたのはひとつの真実。

         男女の関係など、このようなものなのだと。

         あっというまに消え去る、泡沫のようなものなのだと。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





329◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:48:47 ID:iUO1SxSc0



 n..、
 |:| ゛、
 |:|  |
 |:|  |
 |:|  |
 |:|  |
 |:|  |                 f ̄ ̄i    f ̄ ̄i     f ̄ ̄i
 |:|  |            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ.
 H===|.           / ̄ ̄ | ̄ ̄|  ̄ ̄ | ̄ ̄|  ̄ ̄ | ̄ ̄|  ̄ ̄ヽ.
 I.I.  II.             |r── j._____.j ── j.______j ── j._____.j ──‐t|
               ..||.!!   ./.|ヽ     /.|ヽ      /.|ヽ    !!||










                  ..............
              ....<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ミ:...
          ー=≠:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:ヽ
           /:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.',
             /゙7:.:.:.:.:.l:.:i!:.:.:.|ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.',、
         / /:.:.:.:.:ーi/+V:.:!´.V! ̄:.:.:.!i!:.:.:.:.:.:.! \
          i!i:.:.:.:.:衍㍉ヾ:! 衍㍉:.:.:|:.:.:.:.:.:/ヽ
          i ヾ:.:.:.i{ V}  ’ .V:::} }!ノi.):.:.:.i////}       そして、両親は離婚しました。
               i>トi   '     i:.:.:.:|:.:.〃三三ヽ
               |.:.:.|:ト   -     ィ、:.、:ヽ|彡≡≡ミ|
            ヾ、ヾ:.:.≧,-_≦___i、Vヽ/i:::::::::::::ヽミ|
              __ゝニ/∧:::::=:::i`ー‐:!/:::::::::::!|/
              .,イ::::ヽ::::::::::::ヽ:::::::::|:::::::::::!::::::::::::::!:、
            /:::::::::::ヽ__::::::::::\:::|:::, -/::::::::::::::::!::}
          /:::::::::::::::::i:::{77777ヾi://〈:::::::::::::::',:}::i
         /ミ彡⌒ミ== |:::V//////}.}/∧::::::::::::::/
         ヽ_:::::::__::::::::::ヘ::::V/////ヽ\/`ー‐彡
           i::::/::`71´::::::::\////\:`:'´`:::ヽ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ぽつりとシュテルは、結果を告げた。

         抑揚のない声である。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





330◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:49:29 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         やらない夫は目を閉じた。

         小学生の娘にとって、それはまさに地獄絵図だったであろう事が容易に想像できたからだ。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

             / ̄ ̄\
           /   _,ノ `⌒
            |   .( 一)(一)
.             |    (___人__)
             | u.      ノ
              .|        |
              人、       |
          ,イ:. ト、ヽ、 __ ,_ ノ
    ,. -ーー -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
  /..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: く'、
. { :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. 、_
  '| ::::::::::::::::::::::..`、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..`ヽ
  '| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
   ト、:::/ / ̄`` ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
   `,ヘ ´:::::::::::::::::. ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rー'、
    }:,∨ :::::::::::::::::: ト、:::::::::::::::::::::::::>< ̄\::..\
.    }:::∨::::::::::::::::、-''゙~ ̄ ̄ ̄ ̄:::::::::...\ ム:::::ヽ
     l::::∨ :::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.、/...:::::::::ヽ}
    {::::::\,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/" ̄:::::::::::::::::::::::::ノ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         大した話じゃないとシュテルは言ったが、そんなことはない。

         終わったいまだからこそ、こうして冷静に語れるのだろうが、

         少なくとも当時のシュテルにとってそれはとても辛い日々だったはずだ。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



       ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━

                            __
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                      /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : :.ハ
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                        :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : ハノ
                      i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: : : : |i
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                      ハ:.:.:.!:.:.:.j{:.:.! : : ハ: :.八
                        \ト、jハノ}/ヽ}ノ.,....、
                 /⌒ヽイ:::::::::::::::::::: `Y´::::::::`ヽ、
              ,ィ´::::::::::::: { ||:::::::::::::::::::: {!/::::::::::::/⌒ヽ
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331◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:50:01 ID:iUO1SxSc0



          -=ニニ ミヽ.- ´ ̄ ̄ ̄ `: . 、
          -‐: : ::“: : : : : : : : : : : : : : : : `
       /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
.       /: ::/ : /: : : : : : : : : : : : : \ : ヽ: ::ヽ : ::',
      / /: : : ::i: : : : : : |: :i|: : : : : : 」斗 ハ: : :|: : :!
      |/|: : : : : :!: : : : : 斗∧: : : 八: :|__ヽ_:| : |: : :|
      / {: : /: : i|:: : : : :_|匕 .: ::i| 笊不∧ゝ:/: : |
       ハ八: : Ⅳ 〈{r':l ハ.  \|   弋_ソ Ⅳ: : ::{        わたしは母に引き取られることになったのですが、
            \ i|__\弋_少           }: : : ::八
              }八{: : |      '        |: : : ::|.          最後に父と会ったとき、わたしは思い切って聞きました。
             |: /|: : ト     r‐    ノ: ::∧|
             |/ :|/|: 价 、       , イⅥ/
              ヾ} 从ゞ {  ̄    ト从.           どうしてお母さんを裏切ったの、って
                 _ェ∧::::r---:∧: 》≧- 、
                 ィ7-‐∧└―/::::::》┘::::::∧
                /::|::::://:∧彡ミ|::::::》:::::::::::::::∧
             ∠__|_:::\:::∧:⌒:|/:::::::::::::::::/}
              \::::::|:::::::::l ̄`V´ ̄|::::::::::::Y´i'´:}





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                    ⌒へ〈>ヘ、
               /          ヾ
.               //    |
              /:     八    }     }
               レ′/`ー‐.   Λ  }l  }
.          __/ / |「巧列、 {__`ー八 メ、
            {//レク{、 l|  ̄  ヽ{巧列 | `ヽ_)__      ……そしたら?
          {////Λ八    '  `^'人|  ////}
          { ̄ ̄ ̄レ个  ¬.   くl}: 八/ ̄ ̄}
            V77>‐ |l.l!/) 〕l爪 [ ̄}/ト ミ 7777
.           ∨  ./レ/厶    ]  | |ヽ V//
            { /=ミ{ ′ ,ハ     ]/| |ヽ〉 }
           。 レ'⌒{    J    }丿{、  }
           ,′/ ,>|  /     /   {\/
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           V=ニニニニニニニニニニニニニニ=}笊′

332◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:50:19 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ハクが尋ねると、シュテルは薄い笑みを浮かべて首を振り、

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



                    ..ィ ´: : : :-:―: =:ミ:、`ヾ`ヽ.
      、 ____     , イ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :丶
.      ヽ_: : : : : : : : ̄`Y : : /: : : : /: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ:ハ
        \ : :: : : : : :: : /: : : : : :/: : : : : : : : : : :: : : : : : : : : ‘
           イ ̄ ̄: : :: : /: : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ‘,
.      /: : : : : : : : : :〃 : : : : : イ: : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : : :: ',
.     .// /: : : : : : : :/: : : : : :.〃: : : :ヾ:、: : : : : : : :\: : : : : : : : :.
.    ../  /: : : : : : .: /: : : : : : :イ: : : : : : : ト、:ヽ: : : : : : :',: : : :: i: : : i
.         ../ : : : : :.: }: {: : : : : : / |:i: : :\: : {  ヾ:.、: : : : : :i: : : : :.|:: : :i|
       .': : : / :.:. :.|:イ: : : : : / j∧: : : :ヾ:.ト、、 \:、: : : :|: : : :.:.|:: : :リ
.      .|: : :/}: : : : / : : : :イ-一{「ヾ: : : :Y、ミー-ヾハ:. :ハ: : :. :.|: : :人:、
.      .|: :/ .|: : : : l:..:ヾ : /{/辷ミ:、 \: :i X辷=≡ミ、: :Y: : : :|: : : トミ:、
.      .∨  ∨: : :l}: ',.ハ:ヾハ  ヾ   `:{   l   入:リ: : :リ: :.: :./|  ` `
             .∨:./\ヾ:..:i/f弋___ノ :::::::::::::::::: 乂__ノ::=} :| : : l:. : : : |    『……夫婦のことは、人には分からない』
           ∨/ │  i                     j :l : i. . : : : :l
             ∨   |: :.iハ       '          /: : :.l:. : :. : :. : : {.    『例え娘であってでも……』
                  |: :.:. :圦    、__,.     . / : : |: : /: : :l : :. : |
              | ! : : : l.{` 、       ィ :/../ : /|: : / .}. :八:.:.: :.|
              | ! : : : l.{`  `}>‐ <  ´/"..../lル' イハ/レ'  \ :
              \|ヾ/ヽj:::: ̄ ̄ ̄::::::: ̄ ̄ // 7 /     丶i
                  ィ7.ゝ- 、:::::::::::z― ,〃=く

334◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:50:43 ID:iUO1SxSc0


                  __
               , "     ゛ーヘ- 、_       、
          rニ;,   /             !ヾヽヽ、       )ヽ.
          {r、}   /         /     |  \ヾー--- "  j
        ヾ.'、 /  /j       /      !   \ヽ` ー-- "
           ヽ`、j //   !    /!     j    ヘ ハ
.            ヽr=! !     i!   i! | ,イ   ハ       }! |
            {::::ヘ}|!  | ,ハーt--r' |  i!ート,    i| !i
       ____  ;ヾ=ェi|  i|/ィオテミ!ソ  ! ,!xャァj!  ハ. ! i !
.       {::::::::::::::`ヽゞミj|   |《{゚し:::)   i. /fo::}イ   j | | j !     ……そう、答えたの?
       ヽ::::::,;;;-----;|   | ー '"   j/ ゝ-' ハ  イ.j/ノノ
.       `く  _;;ー|   | ""     ,  "/ i / j,/
          >´::::::::::::::|  |\.   -=    イ 'イ |
.       _,,ゝ、:::;;;;;;;r|  |_ `   ーr<.´jノ  |  |
.      //::::/7;;;;;;;},.!   | \__  .{   `!'、   |  |
.    / /:::::::/'/  ヾ!   |   ¨ハ  `ヽ{! {ー‐| |
     { /::::::/./     }!  i!   { ヽ、 i} `7、 |  i|ヽ.
    ヽー '¨`{     }!  |\ jヾ、  7 ヽ〈\,|  i| |
.     \   ヘ     ソヽハ!  ` \ヽ. `ヽ }> 〉 \j |
       \.  ヽ     }y'       ヾニニ{  `r'  \|
    、    )   ハ //         `ヽトー;'     ヽ.
    i`ー '"    / <  {            i} ヘ       }
.    ヽ、____ ノ   } ∧            .イ!  }    ノ





         _ィ二:.ヽ  ..-― … -.. 、
       ,..::´_:._:`.ヽ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
        /'´/..:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:、.:.\:.:.:.:‘.
       /.:.:,ィ':.:.:/.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:ヽ.:.:ヽ.:.:.:.:‘.
      .'.:./.:!:.:.:,i.:.:.:.:|.:.:.:.!.:.、:.:.:.‘:.:.:.‘.:.:.!:.:.:.:.:.:i
      |.:/!.:!:./::!.:.:i.:ト、.:.:!ヽ-ヽ―:i-.::!:.|.:.:.:.:.:.:|
      レ' |/!:i:-ヽ-ト:!-.ヽ!   ,__ .!.:.:.!:.r 、.:.:.::.!
         ヽ!ヽ:.T  __、  ゛=イ:.:.:.:.r. !:.ヽ:!、        はい。
          ` !:!:ヽー=ィ'.       !:.i:.:.!-':.:.}.::!`\_
           ,イ:.;:.:.:!        |/!.:i:/:./レ'
           |:.i!.:.:,ヽ.  - -    /' レ'´レ{.、
           i∧:/ }/ `>-,-,ィ≦!:::::::!:::、\― 、
            '  /´:::/>{二ニ.!:::::/://,::::::::::ヽ
             /:::::::_<::<:::{三三!/::<::<:::/:::::::::::::‘.
               /:ヽ::::,:\::!::!-ー'/://:,:::::::::::::::::o::ヽ
            !≠、‘.!:::「三{ニ}三ヾ:'´::::::!:.≠= 、_,ノ:!
            \:::::¨}::::}三/ ト、ニ/:::::::::/'´:::::::::::::::::/
              `}::,'::<´_/!ニ|三!:::::::::::::ヽ、:::::::::::r'
              !::ト、:::_! |:!ニ| |::::::::::::::::::::}:::::::::::!

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルは小さくうなずいた。

         そして、それきり沈黙した。話はこれで終わりだと言外に告げる。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




335◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:51:03 ID:iUO1SxSc0


                   __
                 /   丶
                 |     |
               ___ .|   _ノ、)        …………
              /::::::::::::::ハ     rー-- 、_
            /:::::::::::::::::::::::::ーー "::::::::::::::::`ヽ
            |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
           }:::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::j
           |:::::::∧:::::::::::::::::::::::::::::::::イ::::::::::/
            !::::::::::rヘ::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::|
.            |::::::::::| \::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::|
          /:::::::::::l  r::::::::::::::::::::::::::::r::::::::::|

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         やらない夫はただ沈黙していた。

         それ以外に、することがない。かける言葉が見つからない。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





336◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:52:04 ID:iUO1SxSc0




── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ――重苦しい空気を破ったのは澪だった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                   _,....-------.....、_
                  /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::`:...、
                /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::ヽ
               ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/:::::::::::::丶
              /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/::::::::::::/|::::::l
               |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::|:::::::::::/ /:::::::l
              .|::::::::::::::::::::::::::::::_, -:/::::::::::::|:::::::/ヽ::::::::::l
              .|:::::::::::::::::::::::::::/  ./|/|::::::::|:≦_、/:::::::::::::l
              .|:::/:::::::::::::::::::::ヽ ./:::::ヽ::::::|イ ,.ァ`./::::::::/|/   ……さて、そろそろ裁判を再開しようか。
              |::/::::::::::::::::::::::::::>|:::::::::::ヽ::| // /-::::/ .|
              l/::::::::::::::::::::::::::/ |::::::::::::|  ` 丶 ̄
             /::::::::::::::::::::::::::/ |:::::::::::/    /
           /:::::::::::::::::::::::::::::人ヽ|::::::::/  、-
          /:::::::::::::::::::::::_, - : : : : : |::::::|、 , -
        /::::::::::::::::::::::/: : : : : : :-、ヽ:::|ゝ:l
       /::::/:::::::::::::/: : : : : : : : : : : :ヽ:::l┐、




── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         澪の言葉にシュテルとハクがうなずき、法廷へ向かう。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                    __
                  ,....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..、
                  /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
              ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V
               ,'.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‐-:..、
.             ,: :.:.::.:./.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
            /:.:|:.:.:.//:./:.:.ハ:.:.:.:/|.:.:..:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
           /:.:./:.:'/.:.:.:/|.:./‐}:.:.:/ノイ|:il:|:.:.}.:.:.ハ:.:.:.:}、.:.:.}
.        /.::. イ.:.:/.:.:.:.: if示ミi:./  ィ示T/:.:/.:.|.:.:/ }.:./
           ̄  |:.:/i:.:.:.:::.{弋沙ヾ   弋汐レ':/::.:.i:./ ノ'
.            ∨从.:.:.:.:|、    ,    ノイ:}.:.iノ'
              __.リ从| >、   --    イレ|:/  -‐-
.            /:::::::::ヽ|イ/}≧=--=≦\=ノイ:::::::::::::::::::\
          ,:::::::::::::::::/ | i:::::::}` ̄丁 ̄/::::::} } {::::::::::::::::::::::::::::::ーr、
        ノ:::::::::::::::::{::::| i:::::::::、  {i} /:::::::// {::::::::::::::::::::::ト、 //}
       {r‐:、:::::::::::::::{::::\>‐ァム===/::::r‐‐':::::}::::::::::::::::::::::::ヾ〉{ }i
       レ'\\__:/:::::::::::::〈::::: V /::::::::〉:::::::::〉::≠=ニニニ='ノi
         \:::::::::::::/:::::::::::::r=\::::V::::_/=:::::::{∠/::::::::::::::::::::/}

337◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:54:00 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         3人に続こうとやらない夫も席をたち、ふと、ぽつりと漏らす。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                    - ‐
                /       ` .
                /         .
                 /           i
                 .'        ,- ヽ-/
                  ,'     ,    、●.ソ
               ノ、    !  γ   /    ……さっき高町が激昂したのは、それで、か。
.              /:::::ヽ、  ヘ. ゝ__.ノ
              /::::::::::::::::ヾ ´、 ー-'
         /:::::::::::::::::::::::::::::::::7j
.         /γ⌒::`ヾ:::::::::::::::::::::∧
.          ;/:::::::::::::::::,\::::::::::::::::::::ヘ
        i:::::::::::::::::::::::::リ::::::::::::::::::::ハ
.          |::::::::::::::::::::::::::{::::::::::::::::::::::ハ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         今、やらない夫がシュテルに対してかける言葉が見つからなかったのと同じ事だったのだ。


         夫婦のことは誰にも分からない。娘にだって分からない。

         ましてや赤の他人である。いったいなにを言えと言うのか。

         なにも言えない。なにも聞けない。その気持ちは、よく分かった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                    - ‐
                /       ` .
                /         .
                 /           i
                 .'        ,- ヽ-/
                  ,'     ,    、 ヽ.ソ
               ノ、    !  γ   /     それにしても……
.              /:::::ヽ、  ヘ. ゝ__.ノ
              /::::::::::::::::ヾ ´、 ー-' ≡3
         /:::::::::::::::::::::::::::::::::7j
.         /γ⌒::`ヾ:::::::::::::::::::::∧
.          ;/:::::::::::::::::,\::::::::::::::::::::ヘ
        i:::::::::::::::::::::::::リ::::::::::::::::::::ハ
.          |::::::::::::::::::::::::::{::::::::::::::::::::::ハ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         やらない夫は静かに嘆息した。夫婦の絆、人間の愛情――脆いものだ。

         シュテルの両親も、柴崎夫婦も。結婚するときは、

         お互いに愛情を持っていたからこそ、結婚したはずなのに、それが最終的には……

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





338◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:54:22 ID:iUO1SxSc0


                !       i
            ,L. __    /'
            Y´ ̄二 /〉
             |       /!      愛情ってなんだろうな……
            |    ./ 」!
                l       !l
               |        |ム
             │     | ∧
                 !      |'/∧
                 |        ! /L_
                |        l / ̄〉
               |       |  /∧
              |     /`i ′,∧
             |L... _     │ /'/∧.
                  「 ̄ `   /  ′/ ∧.
               |..__ , /〕、   _」.
             / ̄ `   ̄|    ̄ ,〉
                ∠.. _     /!-‐=ニ />..
          ∠ ̄   ̄二ニ、 厶-、 , '/ 〉
       r‐=≦ ̄ `      ∨   //`ー'´
       iL.. ____r‐=iニニ」二ニ´/'
       `  ̄ ̄ ̄ ̄ ´  ` ̄  ̄ ̄´


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         なんとなく、哲学めいたことを考える。

         被告人、柴崎お魎も、結婚当時は夫に対して抱いていたはずの感情。

         いつから無くしてしまったのだろう。旦那を絞殺したそのとき、

         思うところはなかったのだろうか。愛着も、未練も、なにもなく――

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

               !       i   i
            ,L. __    /'  /'
            Y´ ̄二 /〉 /〉
            |       /!   /!
            |    ./ 」./ 」
               l       !    !
              |        |    |
            │       .|   |
                !      |   |
                |        !    !
               |        l    l
              |       |    |
             |     /`i ./`i
             |L... _    │  .|
                 「 ̄ `   /   /
              |..__ , /〕、 〕、
             / ̄ `   ̄|  |
                ∠.. _     /!. /!.
          ∠ ̄   ̄二ニ、 厶、 厶
       r‐=≦ ̄ `      ∨  ∨
       iL.. ____r‐=iニニ」=iニニ」
          `  ̄ ̄ ̄ ̄

339◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:54:37 ID:iUO1SxSc0


                 __
               /     ヽ
              /       ヽ
              |         _r_-‐ 、
              |  u    {==  ヽ.、_
              |      `⊂、  ,ノノ:::`::....、
              .', __    /  ̄`゙.、 ::::::::::::::::.、
                   r´..::::::::::....ヽム  _  ,゙ゞ::::::::::::::::}      ……ん?
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       i::::::::::::::::::/ V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         いま、やらない夫の中でなにかが引っかかった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




340◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:54:59 ID:iUO1SxSc0



                      / ̄ ̄ \
                      _ノ  `⌒   \
                      (●).(● )             …………「愛着も」……
                     (__人___)    |
                   , =二ニニヽ、 u. |
                   /  二 ヽ、V   ト、_____
                 /   -、 }、j´   /:::ノ::::::::.`' ー- 、
                   /   /{_/_、____,. "/::::::::::::::::::::::.. ヽ
                  _/___ ノ:::::「、::::::::::/ :::::::::::::::::::::::::::::::::.. '、
              _/ ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '
             l :::::::::::::ヽ〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::|
             ,' .::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::|
             ,' .::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::/ ||
              ,' .:::::::::::::::::/::/ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
           / .::::::::::::::::/:::/   `‐-、:::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         自分の思考を振り返る。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                      / ̄ ̄ \
                      \  /    \
                      (一).(一 )             いま、俺はなにを考えた?
                     (__人___)    |
                   , =二ニニヽ、 u. |
                   /  二 ヽ、V   ト、_____
                 /   -、 }、j´   /:::ノ::::::::.`' ー- 、
                   /   /{_/_、____,. "/::::::::::::::::::::::.. ヽ
                  _/___ ノ:::::「、::::::::::/ :::::::::::::::::::::::::::::::::.. '、
              _/ ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '
             l :::::::::::::ヽ〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::|
             ,' .::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::|
             ,' .::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::/ ||
              ,' .:::::::::::::::::/::/ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
           / .::::::::::::::::/:::/   `‐-、:::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         なにかがおかしい。なにかが納得できない。なにかが――

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





341◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:56:11 ID:iUO1SxSc0




                    ,.-─ ー-、
   ヽ               /       ヽ、
                ,,ー          \
               / └、_}  _,.ノ、 ,ヽ、,__|     ヽ
      ヽ       >┴、  ./  ( ○ ) (○ ) |
         / ̄/ {  〉  {    `  ´ 、` 、´ .|
  、    ノ   /   >{   |    ,′  ノ、  } |           、
       /  ....:::j     /  | u.  `tニ"__,.ユ′ノ
     /  レ'´    /   へ       -ー-   r
    /⌒ン     ノ   /  |ヘ、        ,'      ヾ
─ --/ /     /    /   ;  }       丿
::::::::::イ  .:...    r'´     /   j  |ト、ニニ’ニイ
:::::::::::l ..: :: :::..        /    ;  リ:::::::::::::::::::::: L
::::::::::::| : :: :: :: :: :: :.          |::::::::::::::::::::::::::: `ー-、_
:::::::::::::! :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ..  .. .. .,ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: `ー─-、_
:::::::フ/ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::.イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::/r' .: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::l:::| ..: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ,  '´ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
















                       γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
                         |  ……あ。   |
                          乂______ .ノ









── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         唐突に理解する。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





342◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:56:37 ID:iUO1SxSc0



                     / ̄ ̄ヽ
                    /       \
                    |          |
                    |       u |    じゃあ、昨日の違和感って……
                    |          |
                         |         ,'
                       j __<   i
                   ,.イ::::::::::--.、ヽ _ノ
                 / .::::::::::: :::::/ ̄`ヽ
                 / ..:::::::::   .:::::/ :::::::::::::.`,
              / ..:::::::  ::::::::::::: :::::::::::::::: ノ
               / v ::::    ::::::::r :::::::::::__,.-、,'




                        ___
                      ´      `丶
                   / .::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.\
                    ..:::::::::::/::::∧:::::::|::::::::::::.:.ヽ
                 /.::::/ :::::::/|:::/丁\:|::::::::| ::::.:.:',
                /ノ.:.::::{::_/ノ |/ xぅ沁│::::::|::::::.:.:.|
                ∠/:.::::::∨r沁   ヒ::ソ |::::::::ト:::::.:.:.|     やらない夫、どうした?行くぞ?
                 }.:.::::::ハ. ヒリ      '' L}:::::|ノ ::.:. |
                  ̄/.::::::..''         /::::::|::::::.:.:.|
                     厶:/ :::ゝ. `’  _/::::::/|::::::.:.:.|
                    /.:.:::/::::::>‐:r /:::: /´|::::::.:.:.|
                  /://::::::/{:::r厂/::/ ̄ ヽ:::.:.:.|
                  /:/ /:.::::/人/7::/     ':;:.:.|
                _ /:/   |:.:::〃{ 《 {/::/       '; :|

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         澪が来ないやらない夫を促す。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




343◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:56:58 ID:iUO1SxSc0


                          |:::::::::::::::::::::::::|  |::::::::::::::::::::::::i
                           |:::::::::::::::::::::::::|  .|::::::::::::::::::::::::l
                      |:::::::::::::::::::::::::|   |::::::::::::::::::::::::|
                      |:::::::::::::::::::::::::|   |:::::::::::::::::::::::::|
                      |:::::::::::::::::::::::::|   |::::::::::::::::::::::::::|
                      |:::::::::::::::::::::::::|  /:::::::::::::::::::::::::::〉
                      |:::::::::::::::::::::::::| ./::::::::::::::::::::::::::y'     ――ああ、悪い。
                      |:::::::::::::::::::::::::レ:::::::::::::::::::::::::::/
                      |:::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::/
                      |::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::/
                      |:::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::/
                      |::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::/
                      |:::::::::/:::::::::::::::::::::::::::/
                      〈::::::〈二二二\:::::/〈
                      /\/::/::/::/::∧ \:::::::〉
                        〈::::::::∨::/::/::/::∧ ∨ ̄\
                      `─‐∨ /::/:::/ /\     〉
                      .:.;::;.:;.; ..;:`ー─--- ───′
                   ...:;.:;.:;;:.;:::;;;;;;;:: :;;;...:;;..;;;...:;;...:;;
               ...:;:;:;.:.;:.:;.:;.:;.:;.:;:.;.:;.;. :;;;;;;;:::; ;;;;;;:: ;......:;;
            ...:;:.;:.;:;..:.;:;.:.;::.;:;.;:.;:.:;.;:.:; :;;;;;;;: : :;;;...:;;...:


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         足を進めるやらない夫。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐






── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         法廷へと向かいながら――


         柴崎お魎に対して抱いていた、疑問と違和感が、少しずつ形になり始めていた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





344◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:57:09 ID:iUO1SxSc0





                         ┌──────┐
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         └──────┘


                           ┌───┐
                           │::::::::::::::::│
                           │::::::::::::::::│
                           └───┘


                             ┌─┐
                             │ :: │
                             └─┘


                               ┌┐
                               └┘


                                   □

                               ・





345◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:57:23 ID:iUO1SxSc0



 、_    、  、     _、-                             -、_   ,、  ,、
、, `'-、 `'-、゙'-,、-'´              ,、- '  ̄`' -、             `' -i'゙ ,、-'´  ,、-'´、-
 `'-、 `'-、 `i-'               /   、 ─ 、  \              ゙-i  ,、-'´,、 '´
   `'-─゙-┘               i゙  // ̄\\ ゙:              └-゙─'´
`' -、                        !  ;  | ´','','` |  ;  !                    _ ,、-
、  `' -、                    └-┘ \_/ .└-┘                 ,、- ' ゙  _
 `' -、.  `'>              | ̄ ̄`!     i´ ̄ ̄|                <゙   ,、- '´
,-、   i`' T゙              ├─┬''''''''''''''''''┬─┤              ゙T '´!_,.,_ ,、.,,
i/ソi~'),!-、.i_               | ;;  | ̄ ̄ ̄ ̄|  ;; |             ,...,,.-,!c,=!i_・i.!_;,ノ
⌒'`ヽゝソ ! ')i゙;ゝ     _ _ _ _ | ;;  |  _ O _ .|  ;; | _ _ _ _       (・.)(゚ノ゙ゝ ' ' ' ´
~` ' ' - 、 , _` ’      \┌ ─ ─-'';─ ┼ '-'-'-' ┼ ─ -─ ─ ┐/      `_ , 、 、 -  ' ' ~
 ̄i ` ' ' -, 、 ,`,'_' '_- 、 ,、| i::::::::::::::::::::i i   ̄  ̄  ̄  i i::::::::::::::::::::i |、, _- '_'__´、 、 、、- ' '゛ i  ̄
  i     !   i ;iミ,;ヾT´! i i┌ ─ ─ ! i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i i ─ ─ ┐i i ,゙-、,ナヽζ!   !     !
  i     !   i 丿 く i i i ! !- ┬ - ┤i- ∩ ┐┌ ∩ -i├ - ┬ -! i !゙(マi i゙T''゙ヽi.   i    i
  i     !   i .i~i ゙',゙.!    ! !  .i.  i二二二二二二二二!   !  i .! !' '/./  i!.
  i     !   i (|─´──┬ ' ´  ! !            ! !.  ` ' ┬─ ─ .┤!.   i    i
┌‐────┐ | i~!    .!i    i└-───────┘!.     !    i~! | i   !    !
│        .|  | i i.    .!i    /              \.   i     ! i | i    !    !

346◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:57:42 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         裁判が再開しても、被告人は押し黙ったままで、

         もうなにも言うことはないとばかりに頭を垂らしていた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


.          '            i!川川川川川 .; i!        i
            ' .'     l      i!川川川川川 .; i!   i.    l ',
         l ,'     i!   i!  i! '"""'"""""| ::i! i   i...   l !
          l .,'.     !i    i!  i!  _.     ! i!.i! .i...  i.   i .i! .l
           l ,',  .i.   !   i!  .i! _  二__ .|:i! .i! i!       ,'! l
           |.ハ    i  爻ミxi !i!        , .|i! i! i! 爻 i   i. ,' l l
           iハノ .i   .i    i! i!i!77=-ヾ   /r-┼=!彡  i!   i ト. l:i
          i ',', .i! ; .!  `i===-:::: ヽ  <`==!-i'': !i.  i.,' .} i!
.            ',',:i:! i! .i!:  |::i:!:::::::彡:::     ヽ  i! .! .,i:!  i  ' !
            ', ::. i! i!.   !:::i:::::::::::::::::::|      i | .,' i!  i lノ  .!
                ', マ  i! マ |::::::::::::〃::::::|    、    |/ , i! .i:!
                ', マ .i!. マ    ゝ  、_,   ) ヽ   i ' .i! /i!
               マ :i!  、::: 〃:::::::` 一 ´   Y  i/ ,.イ/ .!
                 マi!  \::{{:::, ― ---- ‐- }}/.   '
                     ヽ  ハ > :::::::::::::¨¨    '  /ヽ
              / \\|::::>、::::::::     イ.  '  ヘ
             /i:二二\\:::::::::: ̄  ̄  /.  '/ .:ヘヘ
              /二i二二二 \\:::::::    /  /./二:,\
.          /二二i二二二二ニヽヽ:::::::    , ., '二二ニi二 ヽ
          /i二二二ト、二二二二二ヽヽ::::   , ' ,:'二二二ニ!二二ヽ
.       /二i二二二iニヽ二二二二二ヽヽ  , ' , ' 二二二二i!二二ニヽ
    /二二i二二二i二ニヽ二二二二二ヽy , ' 二二二二./i二二二ニi:\
.  /二二二i二二二i二二: ヽ二二二二ニ ’, ' 二二二二/ニi二二二ニi二ニ: 、
. /二二二二i二二二i二二二 ヽ二二二二/二二二二:/二ニi二二二ニi:二二ニヽ

347◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:58:15 ID:iUO1SxSc0


               ___      ___
               >‐-: ミヽ-‐': : : : : : : : :`丶
               .: ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
             /: /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
          /// : /: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : ヽ: : :.
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              //|: : /: /: : : /: /: :/| : : /.: :.l |: : :.|: : : |: : :|
.             {' |: /|:/ !: : /: /|: //! : /: :./」.|:_:_:」: : : |: : :|
                |/ .|:|: |: : | /¨「¨/小/|: / .j/レ'ヽ|.: :.八.: :|
                {  |:|:八 : イ云笊j/ j:/,イ云笊/:/: |: : :|
                从: : \|弋/ソ    弋/ソl : : :|) |: : :|
              /: : |: :|: :ハ   '       |: : : l: :|: : :|
             '⌒|: |: :|: :|人   - -   /}: : :ノ: :|:八|
                  レ'}:/∨}/}j:>   __  イ ,ノ イ¨ ̄¨¨\
                ' ./⌒ヽ/:::7}::{二}:/:::::::/:::::::::::::::::::::::\
               /:::::::::/::::/彡ミ/::/: /:::::::::::::::::::0:::::::::ヽ
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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルはもちろん、ハクもなにも尋ねない。

         シュテルの話を聞いた後では、なにも聞けない空気があった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

                  __
               , "     ゛ーヘ- 、_       、
          rニ;,   /             !ヾヽヽ、       )ヽ.
          {r、}   /         /     |  \ヾー--- "  j
        ヾ.'、 /  /j       /      !   \ヽ` ー-- "
           ヽ`、j //   !    /!     j    ヘ ハ
.            ヽr=! !     i!   i! | ,イ   ハ       }! |
            {::::ヘ}|!  | ,ハーt--r' |  i!ート,    i| !i
       ____  ;ヾ=ェi|  i|/ィオテミ!ソ  ! ,!xャァj!  ハ. ! i !
.       {::::::::::::::`ヽゞミj|   |《{゚し:::)   i. /fo::}イ   j | | j !
       ヽ::::::,;;;-----;|   | ー '"   j/ ゝ-' ハ  イ.j/ノノ
.       `く  _;;ー|   | ""     ,  "/ i / j,/
          >´::::::::::::::|  |\.   -=  uイ 'イ |
.       _,,ゝ、:::;;;;;;;r|  |_ `   ーr<.´jノ  |  |
.      //::::/7;;;;;;;},.!   | \__  .{   `!'、   |  |
.    / /:::::::/'/  ヾ!   |   ¨ハ  `ヽ{! {ー‐| |
     { /::::::/./     }!  i!   { ヽ、 i} `7、 |  i|ヽ.
    ヽー '¨`{     }!  |\ jヾ、  7 ヽ〈\,|  i| |
.     \   ヘ     ソヽハ!  ` \ヽ. `ヽ }> 〉 \j |
       \.  ヽ     }y'       ヾニニ{  `r'  \|
    、    )   ハ //         `ヽトー;'     ヽ.
    i`ー '"    / <  {            i} ヘ       }
.    ヽ、____ ノ   } ∧            .イ!  }    ノ

348◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:58:38 ID:iUO1SxSc0


            ,.  ´ ̄ ̄     、
           /            \
          ´    l         l ヽ  ヽ
         /   l  l  |       | |  ハ
        ′  l | | |    | |   l |  i
       l l  l l l 八ト   l | |   | |  |
       l |  | l |/ | `ヽl | |   | |  |
       | L 丁ノノト  l  ´]_丁 |  }ノ  |
       |  |V 灯仍     f広刃!  ハ l  |
        ∟ |ハ  込リ     込り |/|}   |     ……被告人。本当に、なにも言うことはないのか?
           | ∧""   ,    "" |  lノ l  |
           | ∧     __      j|  | l  |
           | l  ト 、     イl |  l l  |
           | |  |  }>r-< /V  ノ l  |
           | |  |_ム∧r-く  / /、  l  |
         ィ´ /,/ 〃´ ||.  ∨ /  ト<  |
.         / |   {/ {{  ||  /  /  |   `  、
        ノ  |  /ヽ ゞーァ介ァ  / r-┘     }
.     /  / / / |//l l/  /  |     ,     l
   /     { / 〈.  l// |/  / /     ′   |
  /      ∨   \. |//  //    /       |


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         澪が聞いても、柴崎お魎は口を開かず、ただ首を横に振るだけだった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                  _
             , ’        ’ ,
           /   '.            \
          /   〃               \
         ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ
       /  /  `.寸               \
.      /ニ 〃/.   ’---一               ヽ
      '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   ,
.      {ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    ,
.     人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7   i!i!
       \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:!
        ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i!
         ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i!
          ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i
           }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i!
          r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. '
        /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/     _
      - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  '.   ___,,..) `)
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、                --‐''´
.    二二二二二二二二≧,.ハ
     二二二二二二二二二\ .,
.     二二二二二二二二二ニヽ,
      二二二二二二二二二二二.,

349◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 22:59:40 ID:iUO1SxSc0

                            __
                          ,....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..、
                          /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
                      ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V
                       ,'.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‐-:..、
                        ,: :.:.::.:./.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
                    /:.:|:.:.:.//:./:.:.ハ:.:.:.:/|.:.:..:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
                   /:.:./:.:'/.:.:.:/|.:./‐}:.:.:/ノイ|:il:|:.:.}.:.:.ハ:.:.:.:}、.:.:.}
                   /.::. イ.:.:/.:.:.:.: if示ミi:./  ィ示T/:.:/.:.|.:.:/ }.:./
                   ̄  |:.:/i:.:.:.:::.{弋沙ヾ   弋汐レ':/::.:.i:./ ノ'      (そうでしょうね)
                       ∨从.:.:.:.:|、    ,    ノイ:}.:.iノ'
                      __.リ从| >、   --    イレ|:/  -‐-
                       /:::::::::ヽ|イ/}≧=--=≦\=ノイ:::::::::::::::::::\
                  ,:::::::::::::::::/ | i:::::::}` ̄丁 ̄/::::::} } {::::::::::::::::::::::::::::::ーr、
                ノ:::::::::::::::::{::::| i:::::::::、  {i} /:::::::// {::::::::::::::::::::::ト、 //}
               {r‐:、:::::::::::::::{::::\>‐ァム===/::::r‐‐':::::}::::::::::::::::::::::::ヾ〉{ }i
               レ'\\__:/:::::::::::::〈::::: V /::::::::〉:::::::::〉::≠=ニニニ='ノi
                 \:::::::::::::/:::::::::::::r=\::::V::::_/=:::::::{∠/::::::::::::::::::::/}

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルは内心頷く。被告人を見るその目は冷たい。



         シュテルはこの裁判をさっさと終わらせたかった。

         勝手な理由で家族を殺した目の前の老婆が、

         勝手な理由で家族を崩壊させた自分の父と重なったから。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                     __
                ,. . .-――.:.´:<⌒ヽ
             /:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : \
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : :.ハ
                {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..: : : :.i
.              :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : ハノ
               i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: : : : |i      (悪人は潔く裁かれるべきです)
               {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:: : : : : |{
               ハ:.:.:.!:.:.:.j{:.:.! : : ハ: :.八
                 \ト、jハノ}/ヽ}ノ.,....、
          /⌒ヽイ:::::::::::::::::::: `Y´::::::::`ヽ、
       ,ィ´::::::::::::: { ||:::::::::::::::::::: {!/::::::::::::/⌒ヽ
       i:::::\_:::::| ||::::::/\:::::||!、___/::::::::::: ノ
          、::::::::::::::`;:! !!//\\||!、:::::::::::::::: /
         /::\:::::::::,:'Ⅵ,/ (___) \|! ∨__::/´`
.       /:::::::::::,>´{三三三三三三三彡 ',:::::::::::.

350◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:00:27 ID:iUO1SxSc0


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ふと。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                ,   ̄
            /       ヽ
.            |     ‐ - -‐
           |    ( =) (=)    できることなら、被告人本人から語ってほしかったけど、無理か。
              .|  u.  (___人__)
            j         / ',       ……秘密を墓の下、っていうか地獄の底まで持ってくつもりなんだろうな。
         _..ノヽヽ      ハ  ヽ
   ,r¬;;――''゙::::::::::::::≧=-、_ノ、_/ ̄ V
 / :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧、〈´/::::::Λ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>、ヤ:::::::::::::Λ
::::::::::::::::::::,!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.::::::::::::::::Λ
::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::v.::::::::::::::Λ
:::::::::::::::::: l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:.::::::::::::::::∧
 ゙)::::::::::./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|、:::::::::::::::::∧
::: ゙ヽ<`'、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l∧::::::::::::::::::ハ
::::::::  \ ',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l゙:::::::、:::::::::::::::ノ
::::::::::::  `'、l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〔 `::--‐==::イ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         隣でやらない夫がぽつりと言葉を漏らす。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


          ⌒ヾ丶
            ) )
      -=ニ三>´≦,    〃/
   /        `ヽ ミ 、....  ⌒
.  / /〃/   }  ヾハ   \
  l  〃 ,'   ∧i  iト、    ',
  ',  iij { ,斗七"i リ≧}i ハトハ}
―-ゝ{i::i} ,乂〈チzブ} ,'チノ リ 从     ……備筆くん?
::::,.-―マ彡个ヾ   jノ ヽ ルレ'
\  /:ヽ、从     ⊿ , ^メ、
  ,>::::::::「i乂t> ._,.へ:l\
/:::::::>ヤ ヽ ヘ. 〈:::::>ヽ::>ヽ  `Y
::::::::/   |: : ヘ ,ハ~\::、ハ  }i i }}
 ̄イ    ヽイ》, ヾミ=-ヽ≧+、ノノ 从
/ |     ∧リ i}\`ヽ∨: :`Y
.  !   ,'/: : |l//: ヽ\_Y}、:: :リ
  {===∧: : :,ノイ : : : `≧、__} ∧
 i!:::::::::/ ヽ: {i' :、:_:_; ;.イ: : } ヾ::\

351◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:00:56 ID:iUO1SxSc0


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         やらない夫の言葉をハクが問うより先に、

         やらない夫が、ゆっくりと手を挙げた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


         l⌒l     /⌒!
         |  |     /  / /⌒l
         |  |   /  /  /  /
         |  |  /   /  /  /
         |  |  /   /  /  /  / )
         j   ∨  l  /  /   / /
 ( ̄`ヽ   /   ‐- .._レ′  | / /
  \   \_/       `ヽ、   /
   ヽ      \         /
    `、     ヽ       /
      ヽ     |      /
       ヽ、__        /
      /   ̄        /
     /   /    ┬‐'"
    ,′       /
    /        /




                         / ̄ ̄ \
                      ⌒´ ヽ、,_  \
                     (●).(● )    |      ……裁判官。
                     (__人___)     .|
                          '、           |           なんだ、備筆裁判員。 >
                         |        |
                     ,. -ー._i-、_     /l、      質問がしたい。
                 /...::::::{. i_ {_γ、__ ∠ノ::.}- 、_
                   ./:::::r/::::{. i_ l_ i_ {::::::::::::/::::::::::::::::..\
                  /.:::::::::::::::} .i _i l_ {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ヽ
               /.:::::::::ノ::::::r "~'ヽj_ {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ',
              /.:::::::::::>ー、j.‐-  / {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: }
             /.::::::::::::::トヽ、⌒ γ  i::::::::::::::::::::::::,':::::::::::::::::::: i
            /.::::::::::::::::::l::::::::ゝ、 {   ソヽ、:::::::::::::::} :::::::::::::::::: i
           /.::::::::::::::::::::::l:::::::::::::`ト、__/::/:::.\::::::::::::i :::::::::::::::::: i
             /`-::::::::::::::::::/l::::::::::::::::::`,ー::::::::::::::::::::..ヽ::::::i ::::::::::::::::: i
          / .::::::::::::::::::::/ l::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::..、::::::::::::::::::::: i

352◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:01:26 ID:iUO1SxSc0


                                            ,/
                            __           /
                          ,....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..、     `ヽヘ___
                          /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.     }て ̄ ̄ ̄ ̄
                      ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V
                       ,'.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‐-:..、
                        ,: :.:.::.:./.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
                    /:.:|:.:.:.//:./:.:.ハ:.:.:.:/|.:.:..:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
                   /:.:./:.:'/.:.:.:/|.:./‐}:.:.:/ノイ|:il:|:.:.}.:.:.ハ:.:.:.:}、.:.:.}
                   /.::. イ.:.:/.:.:.:.: if示ミi:./  ィ示T/:.:/.:.|.:.:/ }.:./
                   ̄  |:.:/i:.:.:.:::.{弋沙ヾ   弋汐レ':/::.:.i:./ ノ'    (この人は、また……!)
                       ∨从.:.:.:.:|、    ,    ノイ:}.:.iノ'
                      __.リ从| >、   --    イレ|:/  -‐-
                       /:::::::::ヽ|イ/}≧=--=≦\=ノイ:::::::::::::::::::\
                  ,:::::::::::::::::/ | i:::::::}` ̄丁 ̄/::::::} } {::::::::::::::::::::::::::::::ーr、
                ノ:::::::::::::::::{::::| i:::::::::、  {i} /:::::::// {::::::::::::::::::::::ト、 //}
               {r‐:、:::::::::::::::{::::\>‐ァム===/::::r‐‐':::::}::::::::::::::::::::::::ヾ〉{ }i
               レ'\\__:/:::::::::::::〈::::: V /::::::::〉:::::::::〉::≠=ニニニ='ノi
                 \:::::::::::::/:::::::::::::r=\::::V::::_/=:::::::{∠/::::::::::::::::::::/}


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルがきっとやらない夫を睨む。

         けれどやらない夫は気にしたふうもなく、

         澪がうなずくのを待ってから柴崎お魎に声をかけた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                ,   ̄
            /       ヽ
.            |     ‐ - -‐
           |    ( ●) (●)      被告人。どうしても聞きたいことがあります。
              .|     (___人__)
            j         / ',
         _..ノヽヽ      ハ  ヽ
   ,r¬;;――''゙::::::::::::::≧=-、_ノ、_/ ̄ V
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/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>、ヤ:::::::::::::Λ
::::::::::::::::::::,!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.::::::::::::::::Λ
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 ゙)::::::::::./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|、:::::::::::::::::∧
::: ゙ヽ<`'、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l∧::::::::::::::::::ハ
::::::::  \ ',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l゙:::::::、:::::::::::::::ノ
::::::::::::  `'、l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〔 `::--‐==::イ

353◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:01:48 ID:iUO1SxSc0


           //            ヽ\
          //               ヽヽ
          //     /、、_、_,,__, -l     i l
          l/     i   __   l     l l
          l    ハ .lー- ---  l .ハ    リ
          l    l ヽl ̄`ー ¨¨¨l / l    l
          l l   lニ二ヽ 、, /'二ニl. l , .l
          .ll.l   l`ー ゚ `   _ '´゚ - 'i / /l l       ……なんでしょう。
          l 〉 i .l l  ̄´     ¨` ´lイ ./〈/
         /`l ヘヽヽ  /、 ,\  〃l イ'/l¨ヽ、
      , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、
    , '     l  ヽヾ、l. -――.-. l./ィ'/  l     丶、
  , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
/          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         柴崎お魎はゆっくりと顔を上げた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                   / ̄ ̄\
                  /   _,.ノ `⌒
                  |    ( ●)(●)             いや、単純な質問なんですがね。
                  .|    (___人__)
                  |        ノ                    はあ。 >
                  |        |_,-‐、  / ⌒)
                  .人、      厂丶,丶,丶´ / ̄      柴崎さん、あなた……
               _,/( ヽ、.,ヽ., ___,く_ソ    __ノ
        _, 、 -― ''"::::::::::::\:::::::::::::::::::::(    <"ニ‐-、
       /::::::::::':、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r  /⌒ヽ::::::: )
      丿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V/..... ̄ ',:::::|
     i .:::::::::::::::::::::|;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 〈 ::::::::::::::... ',::.
    / ..::::::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::\:::::::::::::::;;;ハ ::::::::::::::::::.. ',











          γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
            |  ――どうして下界に留まっていたんです?  |
             乂___________________ .ノ






354◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:02:04 ID:iUO1SxSc0


                  _
             , ’        ’ ,
           /   '.            \
          /   〃               \
         ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ
       /  /  `.寸               \
.      /ニ 〃/.   ’---一               ヽ
      '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   ,
.      {ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    ,
.     人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7   i!i!
       \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:!
        ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i!       ……はい?
         ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i!
          ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i
           }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i!
          r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. '
        /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/
      - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  '
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、
.    二二二二二二二二≧,.ハ
     二二二二二二二二二\ .,

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         被告人は怪訝な顔を見せた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐






355◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:02:52 ID:iUO1SxSc0


           //            ヽ\
          //               ヽヽ
          //     /、、_、_,,__, -l     i l
          l/     i   __   l     l l
          l    ハ .lー- ---  l .ハ    リ
          l    l ヽl ̄`ー ¨¨¨l / l    l
          l l   lニ二ヽ 、, /'二ニl. l , .l
          .ll.l   l`ー ゚ `   _ '´゚ - 'i / /l l       ……どういう意味ですかね?
          l 〉 i .l l  ̄´     ¨` ´lイ ./〈/
         /`l ヘヽヽ  /、 ,\  〃l イ'/l¨ヽ、
      , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、
    , '     l  ヽヾ、l. -――.-. l./ィ'/  l     丶、
  , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
/          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \





                      / ̄ ̄ \
                      _ノ  `⌒   \
                      (●).(● )
                     (__人___)    |             そのままの意味ですよ。
                   , =二ニニヽ、   |
                   /  二 ヽ、V   ト、_____               あなたは、俺たちが迎えに行くまで、ずっと下界に残っていた。
                 /   -、 }、j´   /:::ノ::::::::.`' ー- 、
                   /   /{_/_、____,. "/::::::::::::::::::::::.. ヽ        自分の家で地縛霊になっていた。なぜですか?
                  _/___ ノ:::::「、::::::::::/ :::::::::::::::::::::::::::::::::.. '、
              _/ ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '
             l :::::::::::::ヽ〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::|
             ,' .::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::|

356◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:03:16 ID:iUO1SxSc0


           //            ヽ\
          //               ヽヽ
          //     /、、_、_,,__, -l     i l
          l/     i   __   l     l l
          l    ハ .lー- ---  l .ハ    リ
          l    l ヽl ̄`ー ¨¨¨l / l    l
          l l   l ̄¨¨ヽ 、, /¨¨ ̄l. l , .l       ……なぜ、と言われましても。
          .ll.l   lヾ==''′ _ ヾ=='i./ /l l
          l 〉 i .l l  ̄´     ¨` ´lイ ./〈/
         /`l ヘヽヽ  /、 ,\  〃l イ'/l¨ヽ、     何十年も住んだ家ですから、
      , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、
    , '     l  ヽヾ、l. -――.-. l./ィ'/  l     丶、  そりゃ未練はあります……
  , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
/          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \





           / ̄ ̄\
         ⌒´ ヽ、,_  \
            (●)(●.)    |         なるほど、未練。――裁判官も言っていましたよ。
         (_人___)    |
            '、       │          『社会が複雑になればなるほど、下界に残る霊魂が増える。
              }       {
          !、______ .ィ-ート、            社会に未練があるからだろう』とね。
            V/:::::::::::::::::ヽ
                {::::::::::::::::::::::::::::::.、
           /ー-:::::::::::::::::::::::::::::::,.    その上でお伺いしたいのですが。
   「r'、     /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
   } r'、 ヘ、 /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
   i/ ム、} .{ i:::::::::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::: |
   { い、{  Y::::::::::::::::\::::V:::::::::::::::::::: |
   \  ヽ {|V.::::::::::::::: \V:::::::::::::::::: |
     \  ノ|:.V.::::::::::::::::::::::〉.:::::::::::::::::|

357◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:03:52 ID:iUO1SxSc0


                  _
             , ’        ’ ,
           /   '.            \
          /   〃               \
         ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ
       /  /  `.寸               \
.      /ニ 〃/.   ’---一               ヽ
      '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   ,
.      {ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    ,
.     人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7   i!i!
       \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:!
        ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i!     …………
         ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i!
          ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i
           }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i!
          r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. '
        /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/
      - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  '
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、
.    二二二二二二二二≧,.ハ
     二二二二二二二二二\ .,


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         沈黙してしまった被告人に向かって、やらない夫は尋ねた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                    ,.-、
     ,.-─ ー-、         v  ',
   /       ヽ、      _ゝ、 ヽ
              \     (  ̄` ー'- 、
..     _,.ノ、 ,ヽ、,__|    rへ、____   'ヽ
.     ( ●) ( ●) |    {  `、 、ヽ__,. ┴、.       気に食わない夫と何十年も過ごし、
       `  ´ 、` 、´ .|     ヽ  i 〉'    ヽ
.       ,′  ノ、  } |     |  l/  , -ー '´ `、..       さらに殺人の罪まで犯したあの家に。
        `tニ"__,.ユ′ノ     |  ノ   /   _  }
         -ー-   r      '、 人_,.ィ  /::::... x、 {
             ,'       ヤ   ゝ-ィ/    i.     ――どうして未練があるんでしょうか?
             丿       {     ,ラ       {_.
.       ト、ニニ’ニイ        \   i     トミヽ_
    ::::::::::::::::::::::::::::: L         `ヽ       j:::::}:::::. \
..   ::::::::::::::::::::::::::::::::: `ー-、_        `‐ァ、    ./::::リ:::::::::
...   ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: `ー─-、_  〈 ::ヽ、_/:::::/::::::::::
...   ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、 :::::/:::::::::::
.    ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ ̄:::::::::::::::::::::
     :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ :::::::::::::::::::::::

358◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:04:22 ID:iUO1SxSc0


:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..      .....,,,,,,,,,....         !  ハ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;:..    ,        ,       ! .! .'    !
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,   ゙゙゙ゞ;;;;;;;;;;;;ヾ゙゙゙        ! ! !    !
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;::.  ;;;;;           ;;;;;     .! ! !  . . !
:::::::::::::::::゙::::::::::::::_, -ー-;、  :::;;;;:   ;       ;;;;;;; _, -'¨``! .!、.!    .!
:::::::::::::::!::::::::::::!´: : :    \  ;;;;;;;, !;, .) ,,;;;,  ,,;;;;;;;;/:     !. ! .!    !
::::::::::::::!:::::::::::::', : :   ・  ヘ  ;;;;;;;;;;;;;:,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ :  ・   .| ,!': ::)   ,'    ,'
:::::::::::::!:::::::::::::::'ヘ: : :      );;;;;;;;;;;;;;;;__;;___;;;;;;;;;;(: : :      !.!: :,' ! .  /    ;     …………!
:::::::::::::!::::::::::::::::::`\、::::::::::::/;;;:::::;;;;;;;;!:'    ヽ;;;;;ヾ:::、_:_:::_:::;!レ´. !   ;'    ;'
::::::::::::::!::::::::::::::::::::::!:::¨¨¨¨´/  ;;;;;;;;;!     .', ヽ;;;;;    . ,!!_,;ノ .!.. .'    ,'
.!:::::::::::::!:::::::::::::ヘ::::!:::::::::::'''    ;;;;;;;;;;!      ヽ ヽ;;;;;;;;;;;;;〃.   !  ,'    ,'
.';:::::::::::::::!::::::::::::u.        .;;;;;;;;;;;!    ;;;;;       '    ,'  ,'    ./
 ',::::::::::::::!::::::::::::        ;;;;;;;;;;;;;;!    :::;;;;;         / ,'    ./
  ヽ::::::::::::!:::::::::::::::     ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!     ...::;;;;;;;;     u. ,' /   /


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         被告人の顔が、はっきりと歪んだ。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




        .. -―‐- ..
   ,. .:´ .....:.:.:.:.:.:......`.. 、
  / ..:: ..:.:.:.:/..:.:.:.:ヽ:.:.:.. \
 ′.:.:/ ..:..::/ .:.:.}: .i:.|::.:ヽ:ヽ.ヽ
.′::.:/ ..:.:.:/.:.:.:.:.|:.:.ト ::..:.:.:.:.:.:.:.'.
|.::://..:.:.:.::|:../ }/|:./ハ::.i:.:.l:.:.i:..i.
|:::;. !..:.:.:.:ム/_`く_}′ }::レ}イ:..|::.|
}://|/:.:i:.|{'7:ぅト   チム._|:..'::..|
..:.{ iトx:N ヒツ     ん:}ア}/::.:.!       ――!
:/::〉}:.:.:.:|      └"'/:::::. リ
/:ノ.:i.:.リ u   __ ′  .小:N/
.:.:/{:.:|:.:{ヽ   ‘ー’  ノ:::::{
:/:八:ト:.|\> __ .イ:::::::::::|
/´ ̄ ミヽ`.く::::::::::i:::::::::.:.′
      ∨ 〉::: /|::::::. /
        { 〈彡' |::::.:/
   ミ 、 ト i|   |::.:i′
       {:|リ   }.. l

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         澪たちもまた、はっとした表情を見せる。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




359◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:05:02 ID:iUO1SxSc0


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         やらない夫は続けた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                ,,ー
               / └、_}
             >┴、  ./
         / ̄/ {  〉  {
       ノ   /   >{   |        自分の立場で考えてみたんです。
       /  ....:::j     /  |
     /  レ'´    /   へ
    /⌒ン     ノ   /  |ヘ、 .     嫌いな人間と一緒に過ごした家で、
─ --/ /     /    /   ;  }
::::::::::イ  .:...    r'´     /   j  |     しかもその嫌いな人間を殺した家……。
:::::::::::l ..: :: :::..        /    ;  リ
::::::::::::| : :: :: :: :: :: :.          |
:::::::::::::! :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ..  .. .. .,ノ
:::::::フ/ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::.イ
:::::/r' .: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: /
::::l:::| ..: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ,  '´





                    ,.-─ ー-、
                  /       ヽ、
                ,,ー          \
               / └、_}  _,.ノ、 ,ヽ、,__|
             >┴、  ./  ( ●) ( ●) |    人を殺した後、一か月もその家に住み続けたのは、
         / ̄/ {  〉  {    `  ´ 、` 、´ .|
       ノ   /   >{   |    ,′  ノ、  } |.      殺人がバレたくなかったからという理由で説明がつくとしても、
       /  ....:::j     /  |    `tニ"__,.ユ′ノ
     /  レ'´    /   へ       -ー-   r         死後にまでその家にこだわり続けるとなると、これはちょっと分からない。
    /⌒ン     ノ   /  |ヘ、        ,'
─ --/ /     /    /   ;  }       丿
::::::::::イ  .:...    r'´     /   j  |ト、ニニ’ニイ
:::::::::::l ..: :: :::..        /    ;  リ:::::::::::::::::::::: L
::::::::::::| : :: :: :: :: :: :.          |::::::::::::::::::::::::::: `ー-、_
:::::::::::::! :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ..  .. .. .,ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: `ー─-、_
:::::::フ/ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::.イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::/r' .: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::l:::| ..: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ,  '´ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

360◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:05:36 ID:iUO1SxSc0


                  _
             , ’        ’ ,
           /   '.            \
          /   〃               \
         ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ
       /  /  `.寸               \
.      /ニ 〃/.   ’---一               ヽ
      '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   ,
.      {ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    ,
.     人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7 u. i!i!
       \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:!
        ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i!
         ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i!   …………
          ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i
           }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i!
          r― ‐ト ,       ,  ;. u:: ii  .! ./. '
        /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/
      - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  '
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、
.    二二二二二二二二≧,.ハ
     二二二二二二二二二\ .,
.     二二二二二二二二二ニヽ,
      二二二二二二二二二二二.,





                        __
                      /     ヽ
                     /          ∨
                          ハ、_       ∨
                      { (● )      \        地獄行きになるのが嫌で地縛霊になったのならこれも分かる。
                      〕、   )     }   >--
                      、厂     / /////
                       `ヽ    _ ///////.      けれどあなたは、至極あっさりと俺たちについてきた。
                         \__/У//////
                              ////////         そのあたりがどうも分からない。
                                |///////
                              |//////
                    _             |//////
                 / }            |/////
              // _           |/////
             | У -_く          |/////
                  Y .' ´, ‐-'y          //////
              ヽ ´ ムく、      ///////
               \   )\__   _/////////
                 ト`¨´/////,`´//////////
                  \///////////////////
                   \/////////////////




          r- 、
          ヽ、 \__
       {ヽ、!゙`、.ゝr、  l`Y\         被告人、どうしてあなたは地縛霊になったのですか?
          |  |  ll  Y´ l  !  ヽ-、
       .ヽ、゙、 ゙i  ヘ  |  i     ヽ
         `゙、. ヘ   `"ヘ `l_      !、_r 、
            `ー'‐―、_   !     //´:` 、




361◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:06:12 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         やらない夫の問に、柴崎お魎は口を噤む。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


            ', ::. i! i! u !:::i:::::::::::::::::::|      i | .,' i!  i lノ  .!
                ', マ  i! マ |::::::::::::〃::::::|    、 u |/ , i! .i:!
                ', マ .i!. マ    ゝ  、_,   ) ヽ   i ' .i! /i!     …………
               マ :i!  、::: 〃:::::::` 一 ´   Y  i/ ,.イ/ .!
                 マi!  \::{{:::, ― ---- ‐- }}/.   '
                     ヽ  ハ > :::::::::::::¨¨    '  /ヽ
              / \\|::::>、::::::::     イ.  '  ヘ
             /i:二二\\:::::::::: ̄  ̄  /.  '/ .:ヘヘ
              /二i二二二 \\:::::::    /  /./二:,\
.          /二二i二二二二ニヽヽ:::::::    , ., '二二ニi二 ヽ
          /i二二二ト、二二二二二ヽヽ::::   , ' ,:'二二二ニ!二二ヽ
.       /二i二二二iニヽ二二二二二ヽヽ  , ' , ' 二二二二i!二二ニヽ


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         しかし、これまでの沈黙とは違う、今にも漏れでてしまいそうな何かを必死にこらえている様子だ。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




362◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:06:36 ID:iUO1SxSc0



               / ̄ ̄\
                  /      \
              |ノ  ヽ、_   .|
              (●)(● ) .   |      あの家に、なんの未練があったと言うんです?
                  |(_人__)    .|
               |        |.        何十年も住んだから、だけでは納得がいきませんγ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
               ヽ        ./レ、                                     |  備筆先輩。   >
                    >__、____, "/::::) 、__                                    乂_______ .ノ
           ,. -ーー「二二二 :::::/:::ノ:::::::::..ヽ
          /::_,,. -‐、 .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧
          r'/,. -‐  \ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧
.         !/ ノ -‐    V::::::::::::::::::::::::,′:::::::::::::::: j
        i!ノI_ノく__ヽ   `7ヽ::::::::::::::::l:::::::::::::::::::: /
        |:::::::::l::::::::::::へ___/::::/::::ヽ、/:::::::::::::::::: /
         /::::::::::l::::::::::::::::ヽー:::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::: /
.        /:::::::::::::l:::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /




               / ̄ ̄\
                  /      \
              |ノ  ヽ、_   .|
              ( ●.( ●) .   |
                  |(_人__)    .|
               |        |.
               ヽ        ./レ、
                    >__、____, "/::::) 、__
           ,. -ーー「二二二 :::::/:::ノ:::::::::..ヽ
          /::_,,. -‐、 .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧
          r'/,. -‐  \ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧
.         !/ ノ -‐    V::::::::::::::::::::::::,′:::::::::::::::: j
        i!ノI_ノく__ヽ   `7ヽ::::::::::::::::l:::::::::::::::::::: /
        |:::::::::l::::::::::::へ___/::::/::::ヽ、/:::::::::::::::::: /
         /::::::::::l::::::::::::::::ヽー:::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::: /
.        /:::::::::::::l:::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /

363◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:06:56 ID:iUO1SxSc0




              ,.. ---.、iヽ,.. : :――--. 、
               /:,.-ァ: : : : : : : : : : : : : : : 、:
            /イ /: : : :,: : : : : : : : : : : : : ∨:、
                //: :/: : /: : : /: :.,.: :{: :,: : :ヽ:ヽ:}
           / {: :/: : :,|: :!: :|:i|:.ハ: ト、ヽ、,:.|: :|:|!
            / イ:.:/| : /:|:!:|>x{:|  ヽ,ィ≦、:|: :}:|!
              Ⅵ | : |: {ト:{ ィ示ミ   ´ヒソ.イ:/i: }      どうでもいいでしょう、そんな些細な事。
                   マ:|Ⅵ:ム. ゞ-' ,     ム:ト{
                    `  |:|i: .、    -‐  ,.イ /レ`
                    |:| ゞ!;≧= -- イ/i从__,.--- 、
                  /ヾ`r''´:. { |/|_ /:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
                ,.イ:.:.:.:.:.: |{!-ァ |-v-/:. 、_,イ:.:.:.:.:.:.:.__\
              /__:.:.:.:.:.:.:.:/<〈 . l  /_/ |:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
               {:.:.:ヽ、:.:.,{///>rr/////!:. !,イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
             ヽ:.:.:.:.:-/ }////-'{/////{:.:.\:.:.:.:.:.:.:._二{
                }ヽ:.:.:/ /∨イ:/::|\///|イ:.:.:.:ヽヽ、`ヽ、:.:.:.:.\
       _,.-ァ,:. : ´:. \:.:.,' ∨//:/Y !///77>:.:.:.:,イ::} \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
    ,..<:/:::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. \\_/:/|::|:!ヽ::、o__,...イ::::/   \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、_
 r-r::/:/:.{:{::::{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._,..イ  \::/: |::|:!:.:\_,::::,..イ´        \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}::::}:|:.|ト
/ィ-、:{:.{:.:.|:|:::::\:. _,.. ´      / \ |::|:!:.:.:.:.:./:::::ト、       \:.:.:.:.:.:.:/:://:/:.:-\

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         無駄な時間だ、と言わんばかりにやらない夫の言葉を遮る。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




364◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:08:04 ID:iUO1SxSc0


               / ̄ ̄\
                  /      \
              |ノ  ヽ、_   .|
              ( ●.( ●) .   |       些細なこと、か。
                  |(_人__)    .|
               |        |.
               ヽ        ./レ、
                    >__、____, "/::::) 、__
           ,. -ーー「二二二 :::::/:::ノ:::::::::..ヽ
          /::_,,. -‐、 .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧
          r'/,. -‐  \ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧
.         !/ ノ -‐    V::::::::::::::::::::::::,′:::::::::::::::: j
        i!ノI_ノく__ヽ   `7ヽ::::::::::::::::l:::::::::::::::::::: /
        |:::::::::l::::::::::::へ___/::::/::::ヽ、/:::::::::::::::::: /
         /::::::::::l::::::::::::::::ヽー:::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::: /
.        /:::::::::::::l:::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /




               / ̄ ̄\
                  /      \
              |ノ  ヽ、_   .|
              (●)(● ) .   |        確かに些細なことだな。
                  |(_人__)    .|
               |        |
               ヽ        ./レ、.         ……これだけなら。
                    >__、____, "/::::) 、__
           ,. -ーー「二二二 :::::/:::ノ:::::::::..ヽ
          /::_,,. -‐、 .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧
          r'/,. -‐  \ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧
.         !/ ノ -‐    V::::::::::::::::::::::::,′:::::::::::::::: j
        i!ノI_ノく__ヽ   `7ヽ::::::::::::::::l:::::::::::::::::::: /
        |:::::::::l::::::::::::へ___/::::/::::ヽ、/:::::::::::::::::: /
         /::::::::::l::::::::::::::::ヽー:::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::: /
.        /:::::::::::::l:::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /



        r- 、
        ヽ、 \__
     {ヽ、!゙`、.ゝr、  l`Y\           ――昨日、あの家で初めて会った時。
     .|  |  ll  Y´ l  !  ヽ-、
     .ヽ、゙、 ゙i  ヘ  |  i     ヽ          柴崎お魎さんは「自分は地獄行きでしょうね」と訊いた後、なんて言った?
       `゙、. ヘ   `"ヘ `l_      !、_r 、
          `ー'‐―、_   !     //´:` 、




365◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:08:43 ID:iUO1SxSc0


                        /:.∠´ ̄
                . . : -‐…‐-: Y: :/: : :`二ニ=‐-
               /: : : : : : : : : : : : : : : :´: :`>x._
                イ : : : : : : : : : : : : : : : : :≧x: : _: : :ヽ
.               7ミメ:/: /: : : : : l : : : : : : : : : \‐- ; ::\
      __       !;乂/: : /: : : : ノ、:l: :l: |: |: : : : : : :∧ \: :.〉
     /⌒ヽ      ⅰ:./: `/≧-///-}ノlノl、〉:ヽヘ : : :',  )'
     {    :,!     .i.:..fz /:ィf斧斥  ' チ笊个: : ハ:.|、: : }     それくらい覚えていますよ。
    l  __ ヘ     .l:.:.(、{: ;代zツ    弋シ八: / }:! l: :ハ
     、`   ヽ  ..}:.:. ナ: :ヽ      '   .从,' ノ' }/
     \、__ ´  ノlハ/.´⌒ヾ、  ‐‐-   イノ!:|_           『天国に行けと言われても困る』
     ,-‐\   ノ\\::::::ヽ::::ヘ __ < )f|ノ¨\
    /:::::::::::::|`¨´:::::::::\\::ヽ::l:::::::ゝ、rx`ヽ|::::::::/》.           『あっちに行ってまで旦那と顔を合わせたくない』
   Y´ヽ::::::::;;;:|!::::::::::::::::::::l} '.:::::!l:::::/、__≧z、し´/ヽ〉
.   ∧:::::::V´ `l:::::::::::::::::::リ:! }::::|!:::/:::: ̄{///U////-、
  〈:::ヽ/ ヽ  ヽ_'⌒ヽ:/ :| }!::::! /::::::::::::::ヾノ\\::::::>        配偶者を殺したとは思えない、ふてぶてしい発言――
   Y´\  `>'´   /: ::7 ljー'|:::::::::::::::::o{:::::::::> `´、\
   ゝ、__>´ ゝ-‐ ´¨¨/ /:::::::|ニニニニニニニ|`´\ //
       `、: : : : : : : :/ /::::::::::: ̄{ ̄ ̄ ̄ \\ヽ' 〉





                     /
                    ((   _
                       .-┘゙ー ´    ̄  ‐- 、
                  イ //   \         ヽrュ
                   / / / /     ト、        ヒ}
                / ,.イ j / i|      ||     ` ‐-  _||丶
             / / i |   ! 斗     ー-| __ |   | | || |‐-
                l / | |   |ム八     」⊥ _i「゛  丨 丨i」| |!
            jハ. | |   |化ソ ヽ  l´ヒィ_ト   | 仗ミi、|l      ――あ。
              ヽ| } ハ| ´ ィ  \{    |    |  ハ_ィiリ/ !
                    ト 、 |       u. | ハ  | ハ彡 / ,ノ
              | )ハ  マ冖ヽ   / 乂j }._ ∠イ
                    | ,イ ト、 \  _ ノ     ,. / イ ___/
                    |l l l Y {冫、 __ ...  ´  / ,ハ ―┤
               l| ∥ !|\/   }    〃! 卜.ー┘._
               |!  {. . |丨' ´|   \  /  |  | `丶. ` 、
                j /  l |  |    ,ハ    ト、|   `ヽ /
              , i   l |  |   / {   } r 、     レ′
              j  l    j/  j,.イ\   〉   Ⅵ |\,/  |
              !  ゙l       j ノ\ \j   || ハ  r|
             {  ハ       Y'´  \ \__/ 丿  '.  k|
               / ,ハ===ハ      \広厶イ」   マエ|

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ハクが、何かに気付いたかのように声をあげた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




366◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:10:25 ID:iUO1SxSc0


                      / ̄ ̄ \
                      _ノ  `⌒   \
                      (●).(● )
                     (__人___)    |                そうなんです。
                   , =二ニニヽ、   |
                   /  二 ヽ、V   ト、_____
                 /   -、 }、j´   /:::ノ::::::::.`' ー- 、      殺したいほど憎い相手を殺したんだ、
                   /   /{_/_、____,. "/::::::::::::::::::::::.. ヽ
                  _/___ ノ:::::「、::::::::::/ :::::::::::::::::::::::::::::::::.. '、.      普通思うのは「地獄に落ちろ」でしょう。
              _/ ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '
             l :::::::::::::ヽ〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::|      間違っても「天国に行って欲しい」なんて思わない。
             ,' .::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::|
             ,' .::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::/ ||
              ,' .:::::::::::::::::/::/ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
           / .::::::::::::::::/:::/   `‐-、:::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
             { :::::::::::::::::::/::/     i `ー-,::::::::::::::::| :::::::::::::::: |::|



       r- 、
       ヽ、 \__                  でも、被告人は「天国に行って欲しい」と思うどころか、
    {ヽ、!゙`、.ゝr、  l`Y\
    .|  |  ll  Y´ l  !  ヽ-、            配偶者が「天国に行った」と確信してるんです。
.    ヽ、゙、 ゙i  ヘ  |  i     ヽ
      `゙、. ヘ   `"ヘ `l_      !、_r 、
         `ー'‐―、_   !     //´:` 、





                        ___
                      ´      `丶
                   / .::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.\
                    ..:::::::::::/::::∧:::::::|::::::::::::.:.ヽ
                 /.::::/ :::::::/|:::/丁\:|::::::::| ::::.:.:',
                /ノ.:.::::{::_/ノ |/ xぅ沁│::::::|::::::.:.:.|
                ∠/:.::::::∨r沁   ヒ::ソ |::::::::ト:::::.:.:.|     …………!!
                 }.:.::::::ハ. ヒリ      '' L}:::::|ノ ::.:. |
                  ̄/.::::::..''      u /::::::|::::::.:.:.|
                     厶:/ :::ゝ. `’  _/::::::/|::::::.:.:.|
                    /.:.:::/::::::>‐:r /:::: /´|::::::.:.:.|
                  /://::::::/{:::r厂/::/ ̄ ヽ:::.:.:.|
                  /:/ /:.::::/人/7::/     ':;:.:.|
                _ /:/   |:.:::〃{ 《 {/::/       '; :|

367◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:11:30 ID:iUO1SxSc0






          γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
            |  合わせて考えると、さっきの疑問にも答えが出ます。   |
             乂________________________ .ノ






                                   ,.-、
                    ,.-─ ー-、         v  ',
                  /       ヽ、      _ゝ、 ヽ
                ,,ー          \     (  ̄` ー'- 、
               / └、_}  _,.ノ、 ,ヽ、,__|    rへ、____   'ヽ
             >┴、  ./  ( ●) ( ●) |    {  `、 、ヽ__,. ┴、..        「天国に行ったと確信できるほど
         / ̄/ {  〉  {    `  ´ 、` 、´ .|     ヽ  i 〉'    ヽ        ヨ
       ノ   /   >{   |    ,′  ノ、  } |     |  l/  , -ー '´ `、..     善い旦那さんと過ごした家だから」
       /  ....:::j     /  |    `tニ"__,.ユ′ノ     |  ノ   /   _  }
     /  レ'´    /   へ       -ー-   r      '、 人_,.ィ  /::::... x、 {
    /⌒ン     ノ   /  |ヘ、        ,'       ヤ   ゝ-ィ/    i       ――そりゃあ未練も残るってもんです。
─ --/ /     /    /   ;  }       丿       {     ,ラ       {_
::::::::::イ  .:...    r'´     /   j  |ト、ニニ’ニイ        \   i     トミヽ_
:::::::::::l ..: :: :::..        /    ;  リ:::::::::::::::::::::: L         `ヽ       j:::::}:::::. \
::::::::::::| : :: :: :: :: :: :.          |::::::::::::::::::::::::::: `ー-、_        `‐ァ、    ./::::リ:::::::::
:::::::::::::! :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ..  .. .. .,ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: `ー─-、_  〈 ::ヽ、_/:::::/::::::::::
:::::::フ/ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::.イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、 :::::/:::::::::::
:::::/r' .: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ ̄:::::::::::::::::::::
::::l:::| ..: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ,  '´ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ :::::::::::::::::::::::

368◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:12:15 ID:iUO1SxSc0



       \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:!
        ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i!
         ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i!
          ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i
           }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i!
          r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. '
        /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/    ――――
      - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  '
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、
.    二二二二二二二二≧,.ハ
     二二二二二二二二二\ .,
.     二二二二二二二二二ニヽ,
      二二二二二二二二二二二.,
       二二二二二二二二二二二\





                 ゝ、
               ,,イニニ\ヽ≠‐‐‐ 、
              ー=彡 ===―:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
               〃/:.:/:.:.:/:.:.l:.:.:.:.ヽ:.ヽ:.ヽ
                ./:.〃:.:./:i:.:.l:.l:.ヽ,:.:',:.:.ヽ',
               .i:イ {:.:/代:.:| イ心:.:}:.:.:ト',
               .|!レ'ヽ{ハマ}ヽ.弋::ソ}:}:.:.:l:.:i.          いい加減にして下さい!
                      八   r 、 r=|:.}:.:.从
                  i//lヽ≠= ||イス-/ゝ__.        そんないい人を殺すはずがないじゃないですか!
                      .ヽ、l/ ゝ/_l// イ/ヽ/ ノ}
                         ./{ ヽ/ ゝス==_//.トニノ
                     __〃lゞノ }} レヽ二 ==´`ヽ'         被告人は配偶者を憎んでいたから――
                /// r ゝ∧ヽ-‐、  ___彡:
                ゝ< レ´///ヽ/ `ヽ―一
               <////////////////.\







                      γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
                        |  裁判官さん……    |
                         乂_________ .ノ




── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         呻くような声が聞こえた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




369◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:12:31 ID:iUO1SxSc0


                   ; _ ;
              : , ’        ’ , {
            } /   '.            \ :
.        ; /   〃               \ ;
.       ; ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ ;
.     } /  /  `.寸               \ {
.    : ./ニ 〃/.   ’---一               ヽ {
.    ; '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   , :
.    } .{ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    , {
.   } .人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7   i!i! ;
.     ; \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:! {
.      : ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i! :
.       ; ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i! {
.        : ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i {
            } }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i! ;
.        } r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. ' {      …………
.      ; /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/ :
.    : - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  ' ;
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、 {
.    二二二二二二二二≧,.ハ :
     二二二二二二二二二\ ., ;
.     二二二二二二二二二ニヽ, {
      二二二二二二二二二二二., :
       二二二二二二二二二二二\ ;


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         柴崎お魎はただ小さく、小刻みに、震えていた。

         泣いているように見えた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





370◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:13:23 ID:iUO1SxSc0


       ′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
      / .:.,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ
      ,.:.:.i.:.:.:.:.l.:.:.:.:.,'.:./  ', .:.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
      :.:.:.!.:.:.:.:l.:.:.:.:.ハ/    ! ト、.:.:.:.{ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
      i.:.:|.:.:.:.:l .:.:.::ト{、    |:.!」.:.:.∧.:.:.:.:,':.:.: i:.:.:i
      l:.:.l.:.:.:.:r'ー┘j    jノ \{ \/ .:.:.:.|.:.:.|
      |.:.:!.:.:.:.{,ィf芹ミ、     ,ィf芹气 !:.:.:.:.:.}.:.:.|
      |:八.:.: 卜 lr':::il      lr':::il ノ }:.:.:.:.:ハ:.:.i        ……被告人。
      |.: {ヽ.:.', 弋"リ     弋"ソ / .:/ リ.:.:
      |.:ヽ!.:..\} '""'    ,    '""' {/ |.,イ.:.:,'
      l.:.:.:|.:.:.从               八} l:.:.:.:..!
      i.:.:.:|.:/.:.:.iヽ   `  ´   ,イ.:.:.:!:i:.:.:.:.:|
      :.:.:.:|.:.:.:.:.:|.:.:.> .     イ.:.:|.:.:.:.|.: .:.:.: |
     ,' .:.:.l.:.:.:.:.:.ト、{ .:.} ` ー  { !:.:.:! :.:. !:.:.:.:.:.:|
      i.:.:. 八.:.:.:.:| V^\     〉ヽ:|:.:.:. | .:.:.:.:.:|
     l:.:. {: :.', :.:.i「/   、   /   !:.:.:.:| :.:.:.:.:.|
   , "´i..:.:i ̄}:.:.:.i{    /`vヘ    .:.:.:.:.:{`ヽ . 」
   ,′ |:.:.:|  !:.:.:.il   // 爪 ヽ  ,'.:.:.:.∧    `ヽ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         澪が優しく声をかける。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




                                .


                                .

                           i
                           :
                           ;
                           |
                           |
                           :
                           i
                           ;
                              .|
                           |:
                           。
                           |
                              :|
                             o
                              .;
                          O
                           :
                           i
                           ;
                              .|
                           |
                           |:
                           。
                           |
                                !
                              :|
                           :
                             :!
                              .;: 。
                           、  .  |   .。
                            ゚ ,、人,、'
                         `^⌒^´




371◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:14:10 ID:iUO1SxSc0





── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         すると柴崎お魎は、双眸いっぱいに涙を浮かべて、首を横に激しく振ると、

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



.          '            i!川川川川川 .; i!        i
            ' .'     l      i!川川川川川 .; i!   i.    l ',
         l ,'     i!   i!  i! '"""'"""""| ::i! i   i...   l !
          l .,'.     !i    i!  i!  _.     ! i!.i! .i...  i.   i .i! .l
           l ,',  .i.   !   i!  .i! _  二__ .|:i! .i! i!       ,'! l
           |.ハ    i  爻ミxi !i!        , .|i! i! i! 爻 i   i. ,' l l
           iハノ .i   .i    i! i!i!77=-ヾ   /r-┼=!彡  i!   i ト. l:i
          i ',', .i! ; .!  `i===-:::: ヽ  <`==!-i'': !i.  i.,' .} i!    あたしは地獄に落ちて当然なんです……。
.            ',',:i:! i! .i!: ( ./!:::::::彡:::     ヽ  i!.ヽ(..,i:!  i  ' !
            ', ::. i! i! . .i ,' . ::::::::::::::::::|      i. ヽ)i!  i lノ  .!
                ', マ  i!  !{::::::::::::〃::::::|    、    i|..i! .i:!.        地獄落ちの判決をお願いします……!
                ', マ .i!.. i.{    .ゝ  、_,   ) ヽ    il .i! /i!
               マ :i!  、::: 〃:::::::` 一 ´   Y.  / ,.イ/ .!
                 マi!  \::{{:::, ― ---- ‐- }}/.   '
                     ヽ  ハ > :::::::::::::¨¨    '  /ヽ
              / \\|::::>、::::::::     イ.  '  ヘ
             /i:二二\\:::::::::: ̄  ̄  /.  '/ .:ヘヘ
              /二i二二二 \\:::::::    /  /./二:,\
.          /二二i二二二二ニヽヽ:::::::    , ., '二二ニi二 ヽ
          /i二二二ト、二二二二二ヽヽ::::   , ' ,:'二二二ニ!二二ヽ
.       /二i二二二iニヽ二二二二二ヽヽ  , ' , ' 二二二二i!二二ニヽ
    /二二i二二二i二ニヽ二二二二二ヽy , ' 二二二二./i二二二ニi:\
.  /二二二i二二二i二二: ヽ二二二二ニ ’, ' 二二二二/ニi二二二ニi二ニ: 、
. /二二二二i二二二i二二二 ヽ二二二二/二二二二:/二ニi二二二ニi:二二ニヽ

372◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:14:24 ID:iUO1SxSc0



               ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/:::::::::::::丶
              /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/::::::::::::/|::::::l
               |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::|:::::::::::/ /:::::::l
              .|::::::::::::::::::::::::::::::_, -:/::::::::::::|:::::::/ヽ::::::::::l
              .|:::::::::::::::::::::::::::/  ./|/|::::::::|:≦_、/:::::::::::::l
              .|:::/:::::::::::::::::::::ヽ ./:::::ヽ::::::|イ ,.ァ`./::::::::/|/
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              l/::::::::::::::::::::::::::/ |::::::::::::|  ` 丶 ̄
             /::::::::::::::::::::::::::/ |:::::::::::/    /      …………
           /:::::::::::::::::::::::::::::人ヽ|::::::::/  、-
          /:::::::::::::::::::::::_, - : : : : : |::::::|、 , -
        /::::::::::::::::::::::/: : : : : : :-、ヽ:::|ゝ:l
       /::::/:::::::::::::/: : : : : : : : : : : :ヽ:::l┐、
      ./:イ:/::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : : : ヽ::lヾヽ
     // |/::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : |ヽ:lヾ丶
     // /::::::::::::::::::l: : : : : : : : : : : : : : : : 人 |::ソ┤
    //./::::::::::::::::::::|:| : : : : : : : ヽ: : : : : /: :ヽ|::ヽハ




                   ; _ ;
              : , ’        ’ , {
            } /   '.            \ :
.        ; /   〃               \ ;
.       ; ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ ;
.     } /  /  `.寸               \ {
.    : ./ニ 〃/.   ’---一               ヽ {
.    ; '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   , :
.    } .{ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    , {
.   } .人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7   i!i! ;
.     ; \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:! {
.      : ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i! :   あたしはあの人を殺したんじゃ。
.       ; ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i! {
.        : ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i {      なんで天国に行けようか。
            } }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i! ;
.        } r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. ' {           あの人に合わせる顔がない……!!
.      ; /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/ :
.    : - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  ' ;
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、 {
.    二二二二二二二二≧,.ハ :
     二二二二二二二二二\ ., ;
.     二二二二二二二二二ニヽ, {
      二二二二二二二二二二二., :
       二二二二二二二二二二二\ ;

373◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:14:54 ID:iUO1SxSc0




                    ,.、r-ィ'ヽ  ィヽ
                   , ィ´f  i  l  i´ i l
                , -‐ f | }  }´ l  ! ,! i      「会いたくない」ではなく「合わせる顔がない」――
             r´    ! ! !  | ソ  .|' /
         rr|::::.....r'゙  |'´  /´ //



                 __
               /    丶
               __|      |- 、
              ノ:::::::::ハ   _ノ、)::::::::`丶、_        被告人。合わせる顔がないというのは、
           〈::::::::::::::::ハ    /::::::::::::::::::::::`ヽ
            |::::::::::::::::::::::ーー"::::::::::::::::::::::::::::::|.         やはり嫌いな相手に言うセリフではないですよね。
           }::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::j
           |:::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::イ:::::::::::/
            !::::::::::rヘ::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::|
.            |::::::::::| \::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::|
          /:::::::::::l  r::::::::::::::::::::::::::r::::::::::::|





           //            ヽ\
          //               ヽヽ
          //     /、、_、_,,__, -l     i l
          l/     i   __   l     l l
          l    ハ .lー- ---  l .ハ    リ
          l    l ヽl ̄`ー ¨¨¨l / l    l
          l l   l ̄¨¨ヽ 、, /¨¨ ̄l. l , .l
          .ll.l   lヾ==''′ _ ヾ=='i./ /l l      …………
          l 〉 i .l l。゚ ̄´     ¨` ゚。イ ./〈/
         /`l ヘヽヽ  /、 ,\  〃l イ'/l¨ヽ、
      , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、
    , '     l  ヽヾ、l. -――.-. l./ィ'/  l     丶、
  , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
/          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \





           / ̄ ̄\
         /   _,ノ ヽ、_
          |    ( ●) (●)     ……被告人。話してくれませんか。
.           |    (___人__)
           |     ` ⌒´ノ        なぜ、配偶者を……柴崎元治さんを殺してしまったのか。
            .|        |
            人、       |
        ,イ:. ト、ヽ、 __ ,_ ノ
  ,. -ーー -‐ ´::::::::::::::::::::::::::::::::7
/..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、
.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. \、_
::::::::::.\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... ヽ
:::::::::::::..ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ヘ
:::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::
:::::::::::::::::イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::
::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:|

374◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:15:10 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         やらない夫が優しく尋ねると、柴崎お魎はまた震え、嗚咽を漏らし始めた。そして、

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

            ', ::. i! i! . .i ,' . ::::::::::::::::::|      i. ヽ)i!  i lノ  .!
                ', マ  i!  !.{:::::::::::〃::::::|    、.    i.|..i! .i:!
                ', マ .i!.. i.{    .ゝ  、_,   ) ヽ.    i.l .i! /i!       ……殺すしかなかったんじゃ。
               マ :i!  、::: 〃:::::::` 一 ´   Y.  / ,.イ/ .!
                 マi!  \::{{:::, ― ---- ‐- }}/.   '
                     ヽ  ハ > :::::::::::::¨¨    '  /ヽ
              / \\|::::>、::::::::     イ.  '  ヘ
             /i:二二\\:::::::::: ̄  ̄  /.  '/ .:ヘヘ
              /二i二二二 \\:::::::    /  /./二:,\
.          /二二i二二二二ニヽヽ:::::::    , ., '二二ニi二 ヽ
          /i二二二ト、二二二二二ヽヽ::::   , ' ,:'二二二ニ!二二ヽ
.       /二i二二二iニヽ二二二二二ヽヽ  , ' , ' 二二二二i!二二ニヽ
    /二二i二二二i二ニヽ二二二二二ヽy , ' 二二二二./i二二二ニi:\
.  /二二二i二二二i二二: ヽ二二二二ニ ’, ' 二二二二/ニi二二二ニi二ニ: 、


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ぽつりと、言った。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐






375◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:15:33 ID:iUO1SxSc0



                            __
       ,. -‐                 ‐-|::!
    , '",. -─=‐             ヽ   |:jヽ
   /´/ /   /    /    ヽ     ヽ  ||  ',
    /´7   / i     /!  i  :.:`、:.   ヾx||   !
     / イ  ,' !  l  / l  l  _ :.:.:',:.:.ヽ.  l Ⅶヽ.:|
     / / |  l  l  _| 斗!'´!   !ヽ ~::T!ー::l-: l. : :|Ⅳ}:
     |,'  l  ! .:| ト|,ィ==ミ  ! ケ=ォ、ヽ! / : : l-〃    _ .-┐
     i  l l  .:l ヾ {;;゙ー_ソ \|  !.;;゙ン '~ レ    |:/:/{. : ´: : : : : : !
       ヽ|  .:|  | ´            ` u |   l/_/: : : : : : : : /
          ト、 :l   l      `        l   |: :!:_:_:_: : : : : : /
          ヽ!  人     -っ       ノ! :. l_:_:_:_:_: : :-─!
           | !  :.>、        ィ j  :i. l .-.-.一: :´ ̄ll
           jハ  :.:.| `ヽ、_,.、-:'´::  l  .:i i`ヽ_ : : : : : : :l
           :.:.:\ :.:.|  / /ハ:::::  ノ .:/リ:::ノ  `''ー::、  _!

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         そのセリフに、法廷にいた誰もが目を見開く。


         柴崎お魎は涙を流しながら、少しずつ、語り始めた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                  _
             , ’        ’ ,
           /   '.            \
          /   〃               \
         ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ
       /  /  `.寸               \
.      /ニ 〃/.   ’---一               ヽ
      '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   ,
.      {ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    ,
.     人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7   i!i!
       \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:!
        ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i!    あの人なあ、病気だったんじゃ。
         ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i!
          ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i       悪性の癌だと分かってなあ……
           }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i!
          r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. '
        /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/
      - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  '
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、
.    二二二二二二二二≧,.ハ
     二二二二二二二二二\ .,
.     二二二二二二二二二ニヽ,
      二二二二二二二二二二二.,
       二二二二二二二二二二二\

376◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:16:40 ID:iUO1SxSc0



               |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::|:::::::::::/ /:::::::l
              .|::::::::::::::::::::::::::::::_, -:/::::::::::::|:::::::/ヽ::::::::::l
              .|:::::::::::::::::::::::::::/  ./|/|::::::::|:≦_、/:::::::::::::l
              .|:::/:::::::::::::::::::::ヽ ./:::::ヽ::::::|イ ,.ァ`./::::::::/|/
              |::/::::::::::::::::::::::::::>|:::::::::::ヽ::| // /-::::/ .|
              l/::::::::::::::::::::::::::/ |::::::::::::|u. ` 丶 ̄       …………
             /::::::::::::::::::::::::::/ |:::::::::::/    /
           /:::::::::::::::::::::::::::::人ヽ|::::::::/  、-
          /:::::::::::::::::::::::_, - : : : : : |::::::|、 , -
        /::::::::::::::::::::::/: : : : : : :-、ヽ:::|ゝ:l
       /::::/:::::::::::::/: : : : : : : : : : : :ヽ:::l┐、
      ./:イ:/::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : : : ヽ::lヾヽ





        _  ――
.       Y´ ̄´            ̄` 、
       ヽ      - 、 〃       、
          ー‐ Y     Y、           、
             /|i...:::::  _l:::`ヽ    彡   ',
.         / | ̄   :|   ` 、ノ    ,
.      Y´     { ,,,,...     / |       ,       それ以来、あの人は自殺を考えるようになった。
       {    ィ、      |ーく         ',
.         `,ー ´  ハ          ヽ ノ    ヽ
.         /   ノ }       ∨ ヽ /       ',.     癌を治療したり、入院したりするお金もないし、
        〈   , '        ヽノ´            }
        ー‐' ヽ   l       `ヽ        /        あたしらの間には子供もおらんで、このままじゃ、このままじゃ……
            \,ノ                /
.             /                 /
             {                   /



.        ; /   〃               \ ;
.       ; ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ ;
.     } /  /  `.寸               \ {
.    : ./ニ 〃/.   ’---一               ヽ {
.    ; '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   , :
.    } .{ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    , {
.   } .人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7   i!i! ;    あの人は『お前に迷惑をかけたくはないのう』って言って……
.     ; \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:! {
.      : ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i! :     『死んだほうがええのう』って……
.       ; ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i! {
.        : ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i {
            } }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i! ;        それで、く、首吊りを……
.        } r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. ' {
.      ; /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/ :
.    : - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  ' ;
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、 {
.    二二二二二二二二≧,.ハ :
     二二二二二二二二二\ ., ;
.     二二二二二二二二二ニヽ, {

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         震えながら、柴崎お魎は話し続ける。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




377◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:17:05 ID:iUO1SxSc0



           //            ヽ\
          //               ヽヽ
          //     /、、_、_,,__, -l     i l
          l/     i   __   l     l l
          l    ハ .lー- ---  l .ハ    リ
          l    l ヽl ̄`ー ¨¨¨l / l    l
          l l   lニ二ヽ 、, /'二ニl. l , .l
          .ll.l   rっ. 。`    _ '´。 .rっ/ /l l         だけど、うまくいかんかった。
          l 〉 i .l l 。 ̄´     ¨` 。lイ ./〈/
         /`l ヘヽヽ。  /、 ,\.   。l イ'/l¨ヽ、
      , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、.    人間、なかなかうまく死ねんでな。自殺を何度も失敗した。
    , '     l  ヽヾ、l. -――.-. l./ィ'/  l     丶、
  , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
/          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \











          γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
            |   あたしが止めたこともあれば、あの人自身が失敗したこともある。   >
             乂_____________________________ .ノ



                  __               ,/
            __   ,..ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.<       /
          ,.ィ:.:.:.:.`´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ   `ヽヘ___
           /ィ:.:.:.,:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:',:.:.,..  }て ̄ ̄ ̄ ̄
          /:.:.:;.:.:.:.:.:ハ:.: :.:.:.:.、:.:.:}ヽ:.:.:.:.:.!:.:.',
            /:.:.:.:i:.:.:.:-|=}ハ:.:.:.:.:.:.',ィ芋ミ、:.:.:.ハ:.:',
          ,:.:/:.:.!:.:.:.:.:.!ィ芋ミ、:.:.:.:.:i!:::i:::V:.:.;:.:.!:.:i
           |/|:.:.:.|:ハ:.:.〃i:::!::} \;,;,代:ソ j/:.:.:|:.:.|
             ';.:.:ヾ:.ヽヾ ゞソ  '    イ:.:.:.:.|:.:.:!
             ';.:.ト,:\:.:ゝ      u !:.:.:.:.!:.ハ!
            ヾ }:.:.ハ r.、 ,ィr_っ  /:.:.:./:/
             乂:.:!:∧∨ /__,ィイ/i:./ハ{
               ヘ:.{ } i i .ノノ===!'
            ,. -‐- 、 -',.! i' /- 、::::::}ー、
                i:::::::::::;:::::}::::ヽ::`ヾ⌒::::::!:::::ー-、__
            j::::,r-''::::::!___ハ:::::::}´ ミソ::::::::::::}::::ヽ
               ,::::○':::::::::r≦三三ミ:::く:::::::::::::/::::::::',
            /::::::::::::r==::|::::::{○}:::::::::::i::::::::{`:::::::::::::',

378◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:17:40 ID:iUO1SxSc0


                    -‐…─-     , .-―- 、
               ´: : : : : : : : : : : :`Y  -=⌒
           / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
              ,': : : : :/: : : /: : : : : : ! : : : : : : : : :_,ヽ
          |: : : : /: |__/」_,.ィ|: : /|.: : :| : : : :ヽ:\
          |: : : : | _.レ' /l./. | / l∧ナト-. !: :.|: :.!
          |: : : : |.汀斥卞 j/  ! イテ丁| i : :| : |       あなたが……止めた?
          |: : : ..八 弋_zノ    弋_,ソ | ト: :.| : |
          |: : :{. | : i`.      ,.      レ|l: :八,'
          |八l: .人:!.u   r_―ュ  _∠:|: |l/
.          /   |: :|: i.> 、,  _,.. イ:i :| :!: |'
              ハ|\ト─..|... て ハ/{/N| ,'
            / ̄ ̄\ \ :._ 、 .| :| |i|  ̄ ̄\
        / ::::::::::::::::::  ./  '‐く  |_:| |i|::::::::::::::::::\
          |::::::::::::::::::::::::,'   、ヽ}.三三| |i| :::::::::::::::::::: \
          / :::::::::::::::::::::.{  r、ン'.\┬| |i|::::_::::::::::::::::::::}


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルが尋ねると、柴崎お魎は激しい口調で絶叫した。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


    \_人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__/
     ≫                                          ≪
     ≪  旦那が死のうとしておるのに、止めん嫁がどこにおるかい!  ≫
     ≫                                          ≪
    /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y\
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..      .....,,,,,,,,,....         !  ハ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;:..    ,        ,       ! .! .'    !
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,   ゙゙゙ゞ;;;;;;;;;;;;ヾ゙゙゙        ! ! !    !
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;::.  ;;;;;           ;;;;;     .! ! !  . . !
:::::::::::::::::゙::::::::::::::_, -ー-;、  :::;;;;:   ;       ;;;;;;; _, -'¨``! .!、.!    .!
:::::::::::::::!::::::::::::!´: : :    \  ;;;;;;;, !;, .) ,,;;;,  ,,;;;;;;;;/:     !. ! .!    !
::::::::::::::!:::::::::::::', : :   ・  ヘ  ;;;;;;;;;;;;;:,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ :  ・   .| ,!': ::)   ,'    ,'
:::::::::::::!:::::::::::::::'ヘ: : :      );;;;;;;;;;;;;;;;__;;___;;;;;;;;;;(: : :      !.!: :,' ! .  /    ;
:::::::::::::!::::::::::::::::::`  、::::::::::::/;;;:::::;;;;;;;;!:'.     ,' , ヾ:::、_:_:::_:::;!...) . !   ;'    ;'
::::::::::::::!::::::::::::::(  ./ ¨¨¨¨, ' , ´ ;;;;;;;;;;!.       ) ,! ;;    ......ヽ (.....!.. .'    ,'
.!:::::::::::::!::::::::::: .i ,' !::::::::: / (   .;;;;;;;;;;!.       i i  ;;;;;;;;;;;;;〃.ヽ )  ,'    ,'
.';:::::::::::::::!:::::::::: ! {     i  i´ ..;;;;;;;;;;;!    ;;;;; l |      '.   i |......,'    ./
 ',::::::::::::::!:::::::: i .{     し´ ..;;;;;;;;;;;;;;!    :::;;;;i.j         i l      ../
  ヽ::::::::::::!::::::::i .{::     ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!     ...::;;;;;;;;       ,i l./   /




379◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:18:21 ID:iUO1SxSc0


            ,. . ': : ̄ ̄ ̄: >、
            ,. .'": : : : : : : : : : : : : : : ≧ ̄ ̄二ニ==-
        /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ
       ,.': : : : : : : : : : : : : : : : : :i!: : : : : : : : : : : \
      ,': : :, : :i : /: : : : : : : :/: : :i!: : : : : : : : : : : : :、ヽ
        i: : / : : !:/: : : :/: : : /: : :/: : : : : /: : 、: : : : : ヽヽ   て
        !: : !: : : !' : : : /: : : /: :/!: : : : :ハ : : ',: : : : : :!ヾ',   (
       !: : :',: : :!: ー/-, イ:/u ,': : :/:/  ',: : :i: : : : : :i ヽ
      !: : : ヽ: :',イ/'__/イ_  ,',.イ,'イ`ー i : : !: : :!:i!: !
      |: : : : :ヾ、'、 辷武ソ `     _ !/ /: /リi/
      |: : : : :', : ',ヾ、              `リ/.イ          !!
      .,'.: : : : :.', : '、 u.     `   u ,': :!: :i
     /:,、: :i: : :',:'、: ヽ 、   --f>-、 , イ: : ! : ',
    ,イイ ',: !ヽ: '、:ヽ: :ヽ ≧ー/シ   ', i: !リヽヾ、
       r'、 ̄ ̄ヾヽ,ヾ、ー 〉'、    ', レ'  ',
       i  `ヽ、 ',::::',  iソ ヽi     ',__   i! ビクッ!
       i     ヽ',::::`ー――`コ‐  〉'ヽ   !
       ',      i!::::::::::::::::::::::::', `ー'   ヽ !





   | :|  レ\。゚/ i i  i  ̄`ヾ.゚。 r一' (人__/.           あたしは何度も止めたんよ。
   ∨    ゚ | ( ̄ ̄ ̄\ !i ゚.l  /   ',
         |   } / ̄ ̄| ji  /    \
         \  |_|___,ノ  / / ̄ ̄ ̄ ̄|.         お金くらいはなんとかする。
          \___/ ̄ / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
                    \/ /  .. _ ____|      お願いだから、後生だから、自殺なんぞはやめてくれと……。
                / /                \
                 |/                \




380◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:18:37 ID:iUO1SxSc0


                   ; _ ;
              : , ’        ’ , {
            } /   '.            \ :
.        ; /   〃               \ ;
.       ; ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ ;
.     } /  /  `.寸               \ {
.    : ./ニ 〃/.   ’---一               ヽ {
.    ; '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   , :
.    } .{ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    , {
.   } .人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7   i!i! ;
.     ; \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:! {
.      : ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i! :       だけど、あの人は……
.       ; ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i! {
.        : ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i {
            } }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i! ;.        あたしに迷惑をかけたくない、
.        } r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. ' {
.      ; /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/ :             それに癌でのたうちまわって死ぬくらいなら、
.    : - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  ' ;
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、 {                          いっそさっぱり死んだほうがいいと……
.    二二二二二二二二≧,.ハ :
     二二二二二二二二二\ ., ;
.     二二二二二二二二二ニヽ, {
      二二二二二二二二二二二., :
       二二二二二二二二二二二\ ;

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         情念を込めて被告人は語り続ける。その光景が浮かんでくるようだった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




381◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:19:13 ID:iUO1SxSc0


.          '            i!川川川川川 .; i!        i
            ' .'     l      i!川川川川川 .; i!   i.    l ',
         l ,'     i!   i!  i! '"""'"""""| ::i! i   i...   l !
          l .,'.     !i    i!  i!  _.     ! i!.i! .i...  i.   i .i! .l
           l ,',  .i.   !   i!  .i! _  二__ .|:i! .i! i!       ,'! l
           |.ハ    i  爻ミxi !i!        , .|i! i! i! 爻 i   i. ,' l l
           iハノ .i   .i    i! i!i!77=-ヾ   /r-┼=!彡  i!   i ト. l:i
          i ',', .i! ; .!  `i===-:::: ヽ  <`==!-i'': !i.  i.,' .} i!      もう見ちゃおれんかった。
.            ',',:i:! i! .i!: ( ./!:::::::彡:::     ヽ  i!.ヽ(..,i:!  i  ' !
            ', ::. i! i! . .i ,' . ::::::::::::::::::|      i. ヽ)i!  i lノ  .!       心に異常をきたしておったんじゃろうなあ。
                ', マ  i!  !.{:::::::::::〃::::::|    、.    i.|..i! .i:!
                ', マ .i!.. i.{    .ゝ  、_,   ) ヽ.    i.l .i! /i!
               マ :i!  、::: 〃:::::::` 一 ´   Y.  / ,.イ/ .!             毎日のように死にたい、死にたいと。
                 マi!  \::{{:::, ― ---- ‐- }}/.   '
                     ヽ  ハ > :::::::::::::¨¨    '  /ヽ
              / \\|::::>、::::::::     イ.  '  ヘ
             /i:二二\\:::::::::: ̄  ̄  /.  '/ .:ヘヘ
              /二i二二二 \\:::::::    /  /./二:,\
.          /二二i二二二二ニヽヽ:::::::    , ., '二二ニi二 ヽ
          /i二二二ト、二二二二二ヽヽ::::   , ' ,:'二二二ニ!二二ヽ
.       /二i二二二iニヽ二二二二二ヽヽ  , ' , ' 二二二二i!二二ニヽ
    /二二i二二二i二ニヽ二二二二二ヽy , ' 二二二二./i二二二ニi:\
.  /二二二i二二二i二二: ヽ二二二二ニ ’, ' 二二二二/ニi二二二ニi二ニ: 、
. /二二二二i二二二i二二二 ヽ二二二二/二二二二:/二ニi二二二ニi:二二ニヽ




                ', マ  i!  !.{:::::::::::〃::::::|    、.    i.|..i! .i:!
                ', マ .i!.. i.{    .ゝ  、_,   ) ヽ.    i.l .i! /i!.     そうしたらあたしも、もういっそ、
               マ :i!  、::: 〃:::::::` 一 ´   Y.  / ,.イ/ .!
                 マi!  \::{{:::, ― ---- ‐- }}/.   '         殺してあげたほうがこの人のためかも分からんと思うたんですわ。
                     ヽ  ハ > :::::::::::::¨¨    '  /ヽ
              / \\|::::>、::::::::     イ.  '  ヘ
             /i:二二\\:::::::::: ̄  ̄  /.  '/ .:ヘヘ      癌で苦しむよりは、いっそ……と……
              /二i二二二 \\:::::::    /  /./二:,\
.          /二二i二二二二ニヽヽ:::::::    , ., '二二ニi二 ヽ
          /i二二二ト、二二二二二ヽヽ::::   , ' ,:'二二二ニ!二二ヽ
.       /二i二二二iニヽ二二二二二ヽヽ  , ' , ' 二二二二i!二二ニヽ
    /二二i二二二i二ニヽ二二二二二ヽy , ' 二二二二./i二二二ニi:\
.  /二二二i二二二i二二: ヽ二二二二ニ ’, ' 二二二二/ニi二二二ニi二ニ: 、
. /二二二二i二二二i二二二 ヽ二二二二/二二二二:/二ニi二二二ニi:二二ニヽ

382◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:21:33 ID:iUO1SxSc0


                     / ̄ ̄ヽ
                    /       \
                    |          |
                    |          |      ……それで、殺したんですか。
                    |          |
                         |         ,'
                       j __<   i         自殺に失敗し続ける旦那さんを見かねて……
                   ,.イ::::::::::--.、ヽ _ノ
                 / .::::::::::: :::::/ ̄`ヽ.
                 / ..:::::::::   .:::::/ :::::::::::::.`,
              / ..:::::::  ::::::::::::: :::::::::::::::: ノ
               / v ::::    ::::::::r :::::::::::__,.-、,'


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         やらない夫が静かに尋ねると、柴崎お魎は、小さくうなずいた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



                  _
             , ’        ’ ,
           /   '.            \
          /   〃               \
         ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ
       /  /  `.寸               \
.      /ニ 〃/.   ’---一               ヽ
      '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   ,    ……もうひとつ、思うことがあった。
.      {ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    ,
.     人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7   i!i!.      自殺を失敗し続けるならいい。
       \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:!
        ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i!.        けど自殺が成功したら、死んだらどこに行くんじゃろうと。
         ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i!
          ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i
           }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i!       死後の世界があるかどうかなんてわからんが、
          r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. '
        /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/.            少なくとも自殺した人間が天国に行ったなんて話はきいたことがない。
      - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  '
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、                      ……天国以外なんて、地獄しかなかろ?
.    二二二二二二二二≧,.ハ
     二二二二二二二二二\ .,
.     二二二二二二二二二ニヽ,

383◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:23:43 ID:iUO1SxSc0



                     , 、
                 / :::l
              , ' ..:::/    . - _´`,ー__、
                / __;;k'  --´‐‐ ... ̄....`::、:::`,       苦しみから逃れる為に死ぬのに、
           /       ..:::::::::::::_:: ‐  '  ̄
             /       ..:::::_:: -                 死んだ先で苦しむんじゃ、あの人が可哀想じゃ。
           ./    .......::::::-
           l\ _  .:::::::::k'
        /    ー‐:::::'/




.          '            i!川川川川川 .; i!        i
            ' .'     l      i!川川川川川 .; i!   i.    l ',
         l ,'     i!   i!  i! '"""'"""""| ::i! i   i...   l !
          l .,'.     !i    i!  i!  _.     ! i!.i! .i...  i.   i .i! .l
           l ,',  .i.   !   i!  .i! _  二__ .|:i! .i! i!       ,'! l
           |.ハ    i  爻ミxi !i!        , .|i! i! i! 爻 i   i. ,' l l
           iハノ .i   .i    i! i!i!77=-ヾ   /r-┼=!彡  i!   i ト. l:i
          i ',', .i! ; .!  `i===-:::: ヽ  <`==!-i'': !i.  i.,' .} i!    死んで、霊になって、あの世があると知って、
.            ',',:i:! i! .i!: ( ./!:::::::彡:::     ヽ  i!.ヽ(..,i:!  i  ' !
            ', ::. i! i! . .i ,' . ::::::::::::::::::|      i. ヽ)i!  i lノ  .!     ほっとしたわ。
                ', マ  i!  !.{:::::::::::〃::::::|    、.    i.|..i! .i:!
                ', マ .i!.. i.{    .ゝ  、_,   ) ヽ.    i.l .i! /i!
               マ :i!  、::: 〃:::::::` 一 ´   Y.  / ,.イ/ .!           ――ああ、あの人を自殺させずに済んで
                 マi!  \::{{:::`.― ---- ‐´ .}}/.   '
                     ヽ  ハ > :::::::::::::¨¨    '  /ヽ            良かったと。
              / \\|::::>、::::::::     イ.  '  ヘ
             /i:二二\\:::::::::: ̄  ̄  /.  '/ .:ヘヘ
              /二i二二二 \\:::::::    /  /./二:,\
.          /二二i二二二二ニヽヽ:::::::    , ., '二二ニi二 ヽ
          /i二二二ト、二二二二二ヽヽ::::   , ' ,:'二二二ニ!二二ヽ
.       /二i二二二iニヽ二二二二二ヽヽ  , ' , ' 二二二二i!二二ニヽ
    /二二i二二二i二ニヽ二二二二二ヽy , ' 二二二二./i二二二ニi:\
.  /二二二i二二二i二二: ヽ二二二二ニ ’, ' 二二二二/ニi二二二ニi二ニ: 、
. /二二二二i二二二i二二二 ヽ二二二二/二二二二:/二ニi二二二ニi:二二ニヽ

384◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:24:08 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         それで話は終わりのようだった。

         被告人は押し黙り、やらない夫たちはそれぞれ顔を見合わせる。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

                __
              /     ヽ
             /     __,.ノ 、
              |      ( ●)(
               |   u.  (__ノ`,
                |         ン′
              _ノ   `、     7
          ,イ:. ヽ、<ヽ,、___ ノ
    ,. -ーー -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
  /..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: く'、
. { :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. 、_
  '| ::::::::::::::::::::::..`、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..`ヽ
  '| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
   ト、:::/ / ̄`` ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
   `,ヘ ´:::::::::::::::::. ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rー'、
    }:,∨ :::::::::::::::::: ト、:::::::::::::::::::::::::>< ̄\::..\
.    }:::∨::::::::::::::::、-''゙~ ̄ ̄ ̄ ̄:::::::::...\ ム:::::ヽ
     l::::∨ :::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.、/...:::::::::ヽ}
    {::::::\,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/" ̄:::::::::::::::::::::::::ノ




                            __
       ,. -‐                 ‐-|::!
    , '",. -─=‐             ヽ   |:jヽ
   /´/ /   /    /    ヽ     ヽ  ||  ',
    /´7   / i     /!  i  :.:`、:.   ヾx||   !
     / イ  ,' !  l  / l  l  _ :.:.:',:.:.ヽ.  l Ⅶヽ.:|
     / / |  l  l  _| 斗!'´!   !ヽ ~::T!ー::l-: l. : :|Ⅳ}:
     |,'  l  ! .:| ト|,ィ==ミ  ! ケ=ォ、ヽ! / : : l-〃    _ .-┐
     i  l l  .:l ヾ {;;゙ー_ソ \|  !.;;゙ン '~ レ    |:/:/{. : ´: : : : : : !
       ヽ|  .:|  | ´            ` u |   l/_/: : : : : : : : /
          ト、 :l   l      `        l   |: :!:_:_:_: : : : : : /
          ヽ!  人     -っ       ノ! :. l_:_:_:_:_: : :-─!
           | !  :.>、        ィ j  :i. l .-.-.一: :´ ̄ll
           jハ  :.:.| `ヽ、_,.、-:'´::  l  .:i i`ヽ_ : : : : : : :l
           :.:.:\ :.:.|  / /ハ:::::  ノ .:/リ:::ノ  `''ー::、  _!

385◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:24:40 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         そんな中、シュテルは1人、呆然と老婆を見つめていた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

                            __
                          ,....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..、
                          /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
                      ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V
                       ,'.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‐-:..、
                        ,: :.:.::.:./.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
                    /:.:|:.:.:.//:./:.:.ハ:.:.:.:/|.:.:..:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
                   /:.:./:.:'/.:.:.:/|.:./‐}:.:.:/ノイ|:il:|:.:.}.:.:.ハ:.:.:.:}、.:.:.}
                   /.::. イ.:.:/.:.:.:.: if示ミi:./  ィ示T/:.:/.:.|.:.:/ }.:./
                   ̄  |:.:/i:.:.:.:::.{弋沙ヾ   弋汐レ':/::.:.i:./ ノ'
                       ∨从.:.:.:.:|、u.   ,    ノイ:}.:.iノ'
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                       ∨从.:.:.:.:|、u.   ,    ノイ:}.:.iノ'
                      __.リ从| >、   --    イレ|:/  -‐-     ……癌で……ずっと苦しんで……
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                  ,:::::::::::::::::/ | i:::::::}` ̄丁 ̄/::::::} } {::::::::::::::::::::::::::::::ーr、
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386◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:25:51 ID:iUO1SxSc0


                           ‐- . _
                -=ニ三 ̄三ニ=-     `ヾ≧ 、
             /   -‐==≡==-  ミメ、  ヽ: . )
                . : . : . : . : .:_,..xrz== ―-- 、 }:/
          /  . : . : . : . :,.ィ劣㌢´         )ノ/__
            / . : . : . : ._ィ升i/"           ヽ⌒ヽ
         ; . : . : . : /⌒> '〃        /    ’  }
  _      | . : . : .:〃⌒Y :/    _.>x._  //     }
  寸≧x.   !.〃彡{{i:::::::il :i  ー===彡' `刈ュ     /  i
   守三ニ≧x、:. . :〃|::ゞ=イ :li :〃 `{^℡、ミ ,′  、 〃 , :|
    '守三二ニ‘,. :从::己j :八{ !  ゞ込。》゙| !    `X / /  :!
     ヽ::::::::::::::::}. : .|. :ゝ._|: . l |       N  ∠ / /   :.|     ……癌って、年寄りだと、進行が遅いの。
      }:::::::::::,ィfヽ: |. :|. :||: . | |         j }/(沁/ /   i |
      {::::,ィ劣//.:|. :|. :!|: . 八!          { ` 7 /   i l
  _______,>三/ .: . :|. :| И: . |    _    ´   /イ   ,.  i |.       多分、何ヶ月もその状態の旦那さんと一緒に居たのでしょうね。
く三三三三才´/.: . .: ;| :! !: . ト、     `'     .:    イ  ハ!
 ヾ少":::// 〃. : . : ,′| | |:. .小 iヽ.     . イ: . / |i /
  }::::/:::/ //: >'´//: | l |:. .  | }厂`¨マ爪 i|`¨7/   |l /
  ×::::x ≦´    /イ: : l l !: .   レ' ∨ヽ. | i| /′/´ ̄j/_「i
./  〃       |: : :l !j : .   |  ̄V∧l i|ヽ  /  / {  lリ
  /,′       |:_:_从!: . i |   ‘ .Ⅵ|. ∨   ヽ.} {
//i         /: :|: . 八{    .::ヽⅦ  {    ノ  ’
/. : |         \: :|: /\=‐- .: :   ハ} ヘA        }
:.: . : .|           ,′/`| /: : :..\    丶:. .:∨ハ‘,    ′





                       ∨从.:.:.:.:|、u.   ,    ノイ:}.:.iノ'
                      __.リ从| >、   --    イレ|:/  -‐-     ――――
                       /:::::::::ヽ|イ/}≧=--=≦\=ノイ:::::::::::::::::::\
                  ,:::::::::::::::::/ | i:::::::}` ̄丁 ̄/::::::} } {::::::::::::::::::::::::::::::ーr、
                ノ:::::::::::::::::{::::| i:::::::::、  {i} /:::::::// {::::::::::::::::::::::ト、 //}
               {r‐:、:::::::::::::::{::::\>‐ァム===/::::r‐‐':::::}::::::::::::::::::::::::ヾ〉{ }i
               レ'\\__:/:::::::::::::〈::::: V /::::::::〉:::::::::〉::≠=ニニニ='ノi
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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ――シュテルは昔、犬を飼っていた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





387◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:26:41 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルは、その犬をとても可愛がっていた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


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                             、,
                         ~ τl3


          ,-ー→-、       ,┐
         / ...:..:.   l      ,/ └、_,ィュ
       〈 ::.l´:.:.. ノ ̄`^Fニ、  tァ  |
         ノ :':.`ー-'     ヽ-‐   .:.:.ン
         `ク      、.. ,      :.::/
         |     ,ノ:: ..:. .   ,、;;.: `ー-、
        ノ  ,ィ^.::( ̄`ヽ、;:.. ヽ、 `ヽ、y'
        }  | \,、)     `ー-、 \
        `ー'           ヽ,ソ


   ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         が、ある時、その犬が大怪我をした。

         激痛を伴うらしく、ずっと、苦しみもだえていた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


             ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

                    >‐=: : :≦:、-=.、
                  /: : : : : : : : : :.. ヽ:ノ
                ≠: : : : : : : : : : : : : : :ミ,
                〃: : : : : : : : : : : : : : : : : : :<,,
               .;': : : : : : : : : : : : ー-= ..,,     ` <
               {: : : : : : : : : : : ::         ̄ ̄ 丶 \
               ;;: : : : : : : : : : : :   Y´ ̄ ̄ ̄ ≧x ヽ._)
               リ: : : : : : : : : : : :.  ミ           \ヲ
              ;': : : : : : : : : : : : : .、 ミ
              {: : : : : : : : : : : : : : : :`:<,
              :彡: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :<
               {r: ミ: : :_:_: : : : : : : : : ;.: :_: : : : : : :<
               {l: :≠´: : : : : :<: : ∠::,_  ”¨  -= : :` ー 、
               Y:´: : : fr: : : : : :ヽ    ≧   .  `ヽ __フ
                {!: : : : ゞ: : : :   }           >、  )
                `}: : : : : : : : {  `ヽ            ”¨
                /:ゝ;.: : : : .: __  ;;;}
             .  {:≠ `¨¨¨´   `ー='

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388◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:27:54 ID:iUO1SxSc0


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                            ,...-― 、
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                       `ヽ:.\ }、:.ヽ´ヽ´ー-ヽ-r―、_
                        /:. ̄:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ̄:.:.:.`ヽ
                       ィ≦二二二二:._:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::`ヽ\ ./
                     ,.ィ:._イ:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:ヽ:.:.:.:.:.:.:‘、∨ /
                 // /:.:.:.:./:.:.:.:.:.,:イ.:.:.,.:.'.:.:.:.:.:/:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.::\:.∨
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                       /´:.:.:.:.:/:.:.:.:.::/:.:.:.:.:.:.:.:./'.:.:.:.:.:.:/‘:、:.:ヽ:.:.:.:.∨:.:.:..:L_
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                      !:.:.:.:/|:.:.:.:.:.:.}:|:.::./ }/|:.∧:.:.:.:.:..:!|,:..iヽ:_∨|:.:.:.:.:}!:.:.:|、 _ ノ
                       |:.:.:/:.{:.:.:.:.:.:.i∧/` '-.!.{-‘.::.:.:.:`|{ヽ{――}!:.!:.:.:.:.:!、:.:.!
                  ∧:.{:.:.:}、:.:.:.:.:|i「芹恣拆ヽ ヽ{\,ィ芹恣拆ァ:.:.:.:.| !:.:.|:.:二ニ=
                    /_∧:!、:.ハ:\:.ハ( ,つー-'っ:/:/'/:/:ヽ‘ーr=_'っ.:.:.:.,イ i:.:.\
                 `ヽ:.:.:.:.:.:ヽハ:‘.\i{/:`i{:/:/:/:/:/l/:/:/:/:/}'´/イ /:,!/.:.:.:「 ヽ _
                     ` ーイ/:/i∧i!/:/'i! :/:/:/:/:/:/:/:/:/}!/:イ´:.:.∧}:.::!::‘
                         '´:./{:.:.:.:|{、  !      _   /'}!イ.:.:.:∧/}:./:.:..!
                   _   |:.:/ ,イ:.:.:.:{`¨\}!  ´ ̄  ` /{イノ:.:.:./:.:/:.|/_:.::.{
                  ´/ヽ`ヽ }/ /:.:.\:.:∨:.:.:.|≧o。   イ`!:ヽi:.:/{:./_<'´ ヽ!
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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         その間、自分は無力感と、「誰か治して欲しい」という願いと、

         「それが無理なら楽にしてあげてほしい」という思いがないまぜになっていた。


         その犬が楽になるまでの数日間が、彼女にとっては何十倍にも長く感じたのを覚えている。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




389◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:28:46 ID:iUO1SxSc0


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               >‐-: ミヽ-‐': : : : : : : : :`丶
               .: ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
             /: /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
          /// : /: : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : ヽ: : :.
           /  /:/: : : /: : : /: /: : : : : :,イ: : : : : i: : : : : : |
              //|: : /: /: : : /: /: :/| : : /.: :.l |: : :.|: : : |: : :|
.             {' |: /|:/ !: : /: /|: //! : /: :./」.|:_:_:」: : : |: : :|
                |/ .|:|: |: : | /¨「¨/小/|: / .j/レ'ヽ|.: :.八.: :|
                {  |:|:八 : イ云笊j/ j:/,イ云笊/:/: |: : :|
                从: : \|弋/ソ    弋/ソl : : :|) |: : :|     (数日間ですら、地獄のようでした)
              /: : |: :|: :ハ   '       |: : : l: :|: : :|
             '⌒|: |: :|: :|人   - -  u./}: : :ノ: :|:八|
                  レ'}:/∨}/}j:>   __  イ ,ノ イ¨ ̄¨¨\
                ' ./⌒ヽ/:::7}::{二}:/:::::::/:::::::::::::::::::::::\
               /:::::::::/::::/彡ミ/::/: /:::::::::::::::::::0:::::::::ヽ
              /::::::::::::〈:::::::/==/::::::::〉/::::::ィ======〉
            イr===r──只─- 、././:彡 '::::::::::::::::::::::::::: /
               `{::::::::::::::|   // }    }:::::::\::::::::::::::::::::::::::::::::/
               \::::::: |  .// .}    |::::::::::::\::::::::::::::::::::::::/
               < ̄ //|____ヽ___./:::::::::::::::::ヽ彡:::::::::彡{

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         何故、目の前の老婆は何ヶ月もその状態に耐えられたのだろう。

         側に居られたのだろう。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




                     __
                ,. . .-――.:.´:<⌒ヽ
             /:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : \
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : :.ハ
                {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..: : : :.i
.              :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : ハノ
               i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: : : : |i           (決まってます)
               {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:: : : : : |{
               ハ:.:.:.!:.:.:.j{:.:.! : : ハ: :.八
                 \ト、jハノ}/ヽ}ノ.,....、.          (――愛していたからです)
          /⌒ヽイ:::::::::::::::::::: `Y´::::::::`ヽ、
       ,ィ´::::::::::::: { ||:::::::::::::::::::: {!/::::::::::::/⌒ヽ
       i:::::\_:::::| ||::::::/\:::::||!、___/::::::::::: ノ
          、::::::::::::::`;:! !!//\\||!、:::::::::::::::: /
         /::\:::::::::,:'Ⅵ,/ (___) \|! ∨__::/´`
.       /:::::::::::,>´{三三三三三三三彡 ',:::::::::::.

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         愛しているからその人が苦しむのを見ているのは辛いけど、

         それでも愛しているから側に居られた。――居たいと思った。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




390◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:29:42 ID:iUO1SxSc0


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ――犬が死んだ時。

         ものすごく悲しかったけれど、どこかで安堵もした。「これで犬も楽になれる」と。

         ……けれど、次の瞬間、安堵したことに嫌悪もした。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


     ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
                            _ 二 ヽ  ─
                      /-,=─        ヽ
                      //" /       \
                          ′i!  i  /  |  \ ヽ i
                          i 从.∧7、、 廾、 ヾ _i! !
                         ル汽マ ヽ 气マ` _ノ.:レ
                          八  _  j /从ル'
                            >/ ̄`ヽ\
                          〈{ /⌒⌒ ノ\}
                     _  -  、   ゝ、   -/   i!
                    / /    \   i∨ ∧二ニニヽ
                    /     ./{    、. \_} ∨ ∧  (
                 /     / i!    ト   ヽ∨`二、ヾ
              .//     /  !    i \  /_。_ ノ_.}
              ./ ./!_─.、_/_⌒i! ∧/}   _ 〉ノ〈_!_!.〉'
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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         老婆は、そのような事は無かったのだろうかと考え――愚問だと気付いた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




                 __  ,. -‐‐--  ..,
               ,. -‐-`ミ、 : : : : : : : : `: .、
               /7: : :‐-:、: : : : : : : : : : : : : :ヽ
                /: ;. : : : : : ; : : : : : : : : : : : : : ゚.
                  i: / : / : /: !:!:.i: : : : : : :、: : : : !
                   jイ: :/: /:./ : j ! j!: : }: i: !: i! : : : !
                  i:./!:/{:/i! i/イ/'}: /i://i:/Y : ; :j
                 !' 从ハ! j/ィ´ j/ ノ'イ j'iノ: /j/       (無いわけがありません)
                    ノィj八  ′     i: : !l イ
               γi/ヘ 个:.. -   ..:个:/'/ム
                  , }/j/j!///≧≪//j////´ ∨.       (――だから旦那さんが死んだ後も
                    {. !/////ゝ--イ///イ//   .!
                    { f //////7/////.!/    }        死体を家に置いていたのでしょう)
                 '. {//////7//////j!.    ,
                    i }、////7///////イ     ,
                   ノ_}////!/i////////l     |

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         その手にかけた後悔も、苦悩も、愛情も、なにもかも薄れてしまわぬように。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





391◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:30:22 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         それほどまでに、彼女は、旦那を愛していた。

         そして旦那もきっと、彼女を愛していた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


      l: ::i :: :: !: l: .:|、 u      ' `ー ' /j: : ::, '::./
.      从:j: :: :ル八: !_\   ⌒   . イ. :: イj:/
       人x<二ニ X二 > --  て. :::!::/          どうして――
      ∠二\ 二二二二二K. ::/.:/.::/
    ∠二二二\ 二二Ⅴ77二\: :ル'
    .仁二二二Ⅴ X 二ニV/ 二7 ∧
  ∠八 二二二 }/. :::\ニ.{ !ニフ/.::ヘ





           //            ヽ\
          //               ヽヽ
          //     /、、_、_,,__, -l     i l
          l/     i   __   l     l l
          l    ハ .lー- ---  l .ハ    リ
          l    l ヽl ̄`ー ¨¨¨l / l    l
          l l   l ̄¨¨ヽ 、, /¨¨ ̄l. l , .l
          .ll.l   lヾ==''′ _ ヾ=='i./ /l l
          l 〉 i .l l  ̄´     ¨` ´lイ ./〈/
         /`l ヘヽヽ  /、 ,\  〃l イ'/l¨ヽ、
      , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、
    , '     l  ヽヾ、l. -――.-. l./ィ'/  l     丶、
  , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
/          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \





           .   ´. ::  ̄:. : ::: :`  .
            /. :: ::./: : :: :: :: :: :: :: :: : :: \
          . ' . :: ::.::/. :: :: : :: :: : :: :: : :: : ::} : :: ヽ
       /. :: :: :://. :: ::/: :: :: :/: :: :: :: :リ : :: : ::. .
.      /. :: :: ::/.:!: :: :/. :: ::/!::/ :: :: :::/ : !: :: :: ::: : .
      l: :: :: :://.|: :: :|:≧x'  j/:l: :: ::./:!: ::リ :: : :: :: ハ
      |: :: :::/〈 |: :: :|Tr示k  |: :: / .ィ升!`リ.:: :: :ト、}
      |: ::::/: ::ヽj: :.N 乂ソ /j:/x=jメ.ル': :: :: /}
      l: ::,': : ::l:.:| : | ""     /r'f テx!: : : :::/:リ.     配偶者に不満が、あったんですよね?
      l: ::i :: :: !: l: .:|、 u      ' `ー ' /j: : ::, '::./
.      从:j: :: :ル八: !_\   ⌒   . イ. :: イj:/
       人x<二ニ X二 > --  て. :::!::/.           仕事でかまってくれなかったり、
      ∠二\ 二二二二二K. ::/.:/.::/
    ∠二二二\ 二二Ⅴ77二\: :ル'              家事を手伝ってくれなかったり……
    .仁二二二Ⅴ X 二ニV/ 二7 ∧
  ∠八 二二二 }/. :::\ニ.{ !ニフ/.::ヘ

392◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:30:50 ID:iUO1SxSc0


                  _
             , ’        ’ ,
           /   '.            \
          /   〃               \
         ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ
       /  /  `.寸               \
.      /ニ 〃/.   ’---一               ヽ
      '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   ,
.      {ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    ,
.     人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7   i!i!
       \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:!
        ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i!
         ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i!    ……他にもあの人、
          ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i
           }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i!         よその女に色目使われて舞い上がってたりしとったわ。
          r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. '
        /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/
      - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  '
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、
.    二二二二二二二二≧,.ハ
     二二二二二二二二二\ .,
.     二二二二二二二二二ニヽ,
      二二二二二二二二二二二.,




                 ___    ___
               /`: : : : : :.:.:`Y´: : : : : : : : : : `ヽ
            // ̄`: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
              ///: : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ.
           '  /: : /: :/: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ:  ハ
                /: //: : :/: : : :.:.l: : /:.il: : : : : \: :ヽ: :',: :i: :.i
            {: //: : : |:.i: :.l: :.|: /l:.ハ:.: :lヽ: : ヽ: !: : |: :l: :.l
             |:ハ:|: :.:.:.:|:|i: 十十=x!j k.斗=\リl: l:.:.:.|: :l: :.l
                l: : ハ:|八: |イて卞、  ` .イ ソテア .: :/.:リ: : !
                 ハ: | l: : :.ヽi.`弋;ソ    弋;;ソ ノ.i/:| .ノi: : !     …………!!
                   ヾ ト、: ji |: |    '         :|: :/´:ハ: : l
                     ヽ!: |: ト、   ‐‐   u |:/: : :!l: : :i
                    \: {>、. _  _. <ノノ.ハ从 ノ'
                     -─- .又--イニ=┬┬イ'!´
                  /:::::::::::::::ヽ、::::::\  {二}. | ̄`‐-─ 、
            , イ。::::::::::::::::::::::::}|l|::::::::\ | |. |::::::::|l| l::::::::\
           /::::::::::::::::::::::::::::::::::l└==ァ::::ヽミ彡,':::::ャ=テ l::::::::::::::',
           |===ニニニ二ニ==l|:::::_《-─-、 ./ , -》─-l::::::::::::::::\
           ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::|:::ヽ//////{ニ}//////.==ニ二ニ=:}
               ∨::::::::_::::::::::::::ノ:::::::}/////ノーヽ////{:::!::::::::::::::::/

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         離婚の原因となった、父の浮気と重なった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




393◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:32:21 ID:iUO1SxSc0


                `丶   . -‐…‐. .
               /二ミ`Y´: : : : : : : : : : `丶
             ∠:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
                  /: : /: : : : : : : : : : : : : : ヽ : : :'
              /: : /: /: : : !: : :|: : :l: : ヽ:.:.|: : : |
               : : :|: :|: : {/|卞∧: :|七卞、|: : : |
              |:.l: :|: 八: |Tテミ八: : rテア.}!: : :.{
              |八从: : \乂ツ  ` 乂ツl}: : :八     旦那さんに不満をもっていたのに、
                ノハ: :ヘ   _'_ u. イ: ル′
                 / ̄`\|:::> _ <´ソノ/ ̄`ヽ       それなのに、どうしてそこまで愛せたんですか……?
              /::::::::::::::\::::::::| ::::::|::::::::/::::::::::::::\
                /∂:::::::::::::}:::::ゝ::::|ミ彡|::::〈:::::}::::::::::::::::Bヽ
               }ニ二`===|:::::::::::: ≫≪ :::::::::|===='二ニ{
              ヽ_ :::::::::::|:::{ ̄ ̄{ } ̄ ̄}:|::::::::::::::::,イ
                 ヽ:::::::{::::〉、__爪.__,〈:::}::::::::::::/
                 /::::::人人_/::||ヽ_人人:::::::::\_



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルの問いに、

         老婆の代わりにハクが口を開いた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                  __
               , "     ゛ーヘ- 、_       、
          rニ;,   /             !ヾヽヽ、       )ヽ.
          {r、}   /         /     |  \ヾー--- "  j
        ヾ.'、 /  /j       /      !   \ヽ` ー-- "
           ヽ`、j //   !    /!     j    ヘ ハ
.            ヽr=! !     i!   i! | ,イ   ハ       }! |
            {::::ヘ}|!  | ,ハーt--r' |  i!ート,    i| !i
       ____  ;ヾ=ェi|  i|/ィオテミ!ソ  ! ,!xャァj!  ハ. ! i !
.       {::::::::::::::`ヽゞミj|   |《{゚し:::)   i. /fo::}イ   j | | j !    ……そっか、それであの時、あの顔だったか。
       ヽ::::::,;;;-----;|   | ー '"   j/ ゝ-' ハ  イ.j/ノノ
.       `く  _;;ー|   | ""     ,  "/ i / j,/       あの年代の人なら、そりゃあ正しい意味で使うわよね。
          >´::::::::::::::|  |\.   -=    イ 'イ |
.       _,,ゝ、:::;;;;;;;r|  |_ `   ーr<.´jノ  |  |            私達にはわからないからと、本音が漏れたのかしら。
.      //::::/7;;;;;;;},.!   | \__  .{   `!'、   |  |
.    / /:::::::/'/  ヾ!   |   ¨ハ  `ヽ{! {ー‐| |
     { /::::::/./     }!  i!   { ヽ、 i} `7、 |  i|ヽ.
    ヽー '¨`{     }!  |\ jヾ、  7 ヽ〈\,|  i| |
.     \   ヘ     ソヽハ!  ` \ヽ. `ヽ }> 〉 \j |
       \.  ヽ     }y'       ヾニニ{  `r'  \|
    、    )   ハ //         `ヽトー;'     ヽ.
    i`ー '"    / <  {            i} ヘ       }
.    ヽ、____ ノ   } ∧            .イ!  }    ノ

394◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:32:35 ID:iUO1SxSc0


: : : : : : : : : : |: : : :/: : : : : :.|: : : : : : :イ: : : :ハ: : : :}: : : : : |: : : : :|
:/ : : : : : : : : |: : :/: : : : : : :.|: : : : /,}斗:ナ' ̄}: : ハ: : : : :.!: : : : :!
:!: : : : :/: : : / /、: : : : : : :|: : //ムイ_ ; : /: : : : : :.|: : : : :|
.|: : : :/: : : :/: : :!ヽ: : : : : :.|/.x≦ニイ ミ、/: :/ : : :}: : : ハ }: : }
.!: : :/: : : :´ : : : /: ト、: 、: : : { ' V:::i;:::|  ムイ: : : :; : : /  }ハノ
.| : /: : : : : :!: :./: :/: :!: \: :.ト.  乂!ノ_ ,   {: : : /: : /         ハクさ……弱音裁判員……
.|: :|: : : : : : |: /: :/: : |: : : :\: :',         、: /: :_/
.|: :|: : : : : : |/.: / : : :i : : : : :.l` :ゝ        ヽ ´
.|: :|: : : : : :.i: :./: : : ;.' : : : : : |  u         ,イ
丶|\: : : : |V}::.ィ::∧: : : : :.i |.     、-‐ 、 ,ハ:|
.   \∧|ノレ_レ'.=ミ 、 : : トi     .__ゝ≦´:_|!
   厂:.:.:リ:.:.:.:.:.:.:. :.:.:.:.ヽ: トj  ,. ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`.ヽ
  ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:´:.:.:/ヽ|./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\





               _
           y-一´-: : : : : : : : : : : `: .、
     / ̄ ̄':´: : : : : : : : : :\ェ、: : : : : : : \
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヾミt、.: : : : : :ヽ
   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :  \ミ》、: : : : : ∨
.  /: : o: : : l: : : : : : !: : : : :   . . 。:  ヾ心: : : : : :.',
 ,': : : : :゜: : |: : : : : : ト、. . .: : : : : 、: : : : : . Ⅶト、: : : : :.',
 l: o: : : : : :ハ: : : : : :.ヘ\: : : : :__:1: : : .Vf´二、: : :.l
 !: : : : : : : :| ヘ: : : : : :.ィ ´ ̄: : : : :ヘ: !: : : . l/::::::ヾ',: : !
 |: : l: : : : ,+-─- : : : : ', __\: : ___:l:|: : : : |{:::::::::::}:!: :!
 l: : |: : : : :l l  ヽ\: : : イ;=≠示寸ハ!: : : : !ヾ:::::::ノl: :!              被告人、言ってたじゃない。「妥協」って。
 l: : ト、: : : :|⊥二_\\: ´! V、_⊂リ l: : : . |\二ノ:./      _ .-┐
 ヘ: :l ヽ: : :!ヾVuハ   ` ` ゝ一'  l: : : . lミ彡´:./  ,>. . :´: : : : : : !
  ヽ{ 丶: :lハ ー' ,           .!: : : .i、: : :/:/{/: : : : : : : : : : : /
    \ \八     __     ;ィ|: : : ハト、:/_/: : : : : : : : : : : : /
        |`ゞ、  ∨  ノ  /。 !: : /、ィ_´: :!:_:_:_:_:_:_:_:_: : :-─!
        |: : : | `> -イ\   !: / ノノ\.{、.-.-.-.-.一: :´ ̄l
        l: : : !        丶  l://´: : : :ヽ\、: : : : : : : : : :l
        ∧__⊥=ミ、   _/: :} /: : : : : : /: :_\:丶、 _:_:_:_:__!
       / ̄ ̄´ア \//: : 「r´: : : : : : :./:/´  `  . `丶、_

395◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:32:55 ID:iUO1SxSc0


                  __
            __   ,..ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.<
          ,.ィ:.:.:.:.`´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
           /ィ:.:.:.,:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:',:.:.,
          /:.:.:;.:.:.:.:.:ハ:.: :.:.:.:.、:.:.:}ヽ:.:.:.:.:.!:.:.',
            /:.:.:.:i:.:.:.:-|=}ハ:.:.:.:.:.:.',ィ芋ミ、:.:.:.ハ:.:',
          ,:.:/:.:.!:.:.:.:.:.!ィ芋ミ、:.:.:.:.:i!:::i:::V:.:.;:.:.!:.:i
           |/|:.:.:.|:ハ:.:.〃i:::!::} \;,;,代:ソ j/:.:.:|:.:.|      ……妥協って……でも……
             ';.:.:ヾ:.ヽヾ ゞソ  '    イ:.:.:.:.|:.:.:!
             ';.:.ト,:\:.:ゝ      u !:.:.:.:.!:.ハ!
            ヾ }:.:.ハ r.、 ,ィr_っ  /:.:.:./:/
             乂:.:!:∧∨ /__,ィイ/i:./ハ{
               ヘ:.{ } i i .ノノ===!'
            ,. -‐- 、 -',.! i' /- 、::::::}ー、
                i:::::::::::;:::::}::::ヽ::`ヾ⌒::::::!:::::ー-、__
            j::::,r-''::::::!___ハ:::::::}´ ミソ::::::::::::}::::ヽ
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            /::::::::::::r==::|::::::{○}:::::::::::i::::::::{`:::::::::::::',





                   _
              , -― 二_  ̄`ヽ
           ,ィ´'´ ̄     `ヽ  )
             ,イ´           } ノ
         /         , -ー'´ー  ̄ ̄`ヽ、      r、
         /        /             ヽ.     |ハ
        ,'       , イ           、     \.  ト'´
        !       /                 ',     ヾト、.!|
        ヽ   , /    i ',      i     ',      V|j|
          `ー' ,'  l  l ハ      ト、   ',      !|ノ
             ,   |  ! l ',       !__ヽ_ l      Y
             l   | l j-‐ヾ´    l  \  ̄l     |
             !   l  j   ゝ 、   ',    ` i     i l   。
             | i  !  i  ___ ヽ',   ', ´___ jヽ  i| !  ゚
             l |  !  ゞ===  !\_{ ===ツ  ! ハ !        うん、「妥協」って「片方が諦める」とか、
                 ! |i !  l , , , ,        , , , ,j  /イ‐リ
              ', i ゝ',  i                ,'  / ノ//∧.        悪いイメージがあるわよね。
             rヘ l/ハ ハ    、_  _,。   ノ /イ/////ハ
             !/ハ!//ハ ',ヽ、       , イ/ ////_//
             Y_>-| 、 V/ > 、  ィ  // , ハ ̄ _/.        でも、本当の意味はちょっと違う。
             ヽ__l ハ ゝ'/ハ     イィ /|/77//
              V///リハ Vj´      / ハヾ、_{`ヽ,、
            , ゚ ̄ ̄77ハ  リ`ヽ   イ´! l///ハ./i ̄ `ヽ`≧ュ、
                 // /l  !       l |ァ-ュ、ハl|    Y//ハ
           l       l/,イl|  j       l lj///`ヽ!|     l///|
           !   ヽ j////j ハ   ., '  r! !//////l{ /   l///j
           l   ,' ,ィ'///// /ハ: : . . i  ノハ V/////ハ',   ヾ_ノ
               i  ,'/////ノ//ハヽ: : :l: . / /ヽ V//////ヽ  jヽ
           r'-='//////´////∧ \ : / ////ゝ!//////ハ ̄ヽ \
           l__{/////////////ゝ,、Y_, イ/////////////l-、_ { 、ヽ

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                        ___
                    ´ ̄.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`>x、 __
                   / ..:.:.:   ..................:.:.:.:´  ミヾ
             /  .:.:  :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:≧气\
      (____,イ / :.:.  ..:.:.   ..:.:.:.:.:.:.:.:.:} }:.:.:.:ヽ:.:ヽ:.\
            // .:/  .:.:  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ | l ハ.:.ヘ.:.、ヽ}
          ∥/| .:イ .:  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ厂|`}:.:.!.:.:.|.:.:!ヽl
            .{ /:.| :/ ! .:  .:.:.:./´ヘ   /fテV、 ノ.:.:|.:.:.:|.:.:!
          / : j/ .:入 .:.:.:.:.八{ヽハ ∨  ハ/ ヾ.:.:.:|.:.:.从.|       本当の意味……
.       / .:.:.:.:.:.:イイ.:.:.:.:.:.:.:.:.:〉ヾ| ハ  `´  {.:.:/|.:.:/ ノ
      ..イ,  .:.:.://..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:.:.:| |       ゝ'}:./
..ー==彡イ  .:./. r{:.:. 八.:.:.:.:.i : :.:ト、: .!| u.   _ノ.|.ノ'
    /   : / :.:/:. ト、:/: .∨:.: }:.:.:.| :.Y.ヽ:::::....  /.i:.|!    .__,
  ///.:.:// :.:イ:.:.:.:∨.:.:.:.:.}i:.:.:ト、 :| :.:i_、r -‐‐ハ´ i从    {l `¨!-,
  /   j/ 人:.( { :.:.:.:.:|(ハ ; }:.:ノ: )人: ! . ̄¨¨ ヽ     〃}    ヽ
        个ゝ乂 .:.:|. .ムイ:.:/イ ヽ::::::::::::::::::::::乂_   l  ____/__
        /:::::::` 弋:::ヽ .':./ //::::::::::::::::.∩::::::ハ==ヘ  ...〉´::::::::r=====x
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       {|  / /\:::::::::///r<===x:::::::::::::::::::リ:::::::| {=====〃::::::::::::::::||




                   _
              , -― 二_  ̄`ヽ
           ,ィ´'´ ̄     `ヽ  )
             ,イ´           } ノ
         /         , -ー'´ー  ̄ ̄`ヽ、      r、
         /        /             ヽ.     |ハ
        ,'       , イ           、     \.  ト'´
        !       /                 ',     ヾト、.!|
        ヽ   , /    i ',      i     ',      V|j|
          `ー' ,'  l  l ハ      ト、   ',      !|ノ
             ,   |  ! l ',       !__ヽ_ l      Y
             l   | l j-‐ヾ´    l  \  ̄l     |
             !   l イj_‐-ゝ 、   ',xz=≦=ュ-_   i l
             | i  !__zィ≦=ぅ、 ヽ',   ', ´T:t:cゝヽ  i| !        ――「冷静になって」
             l |  ! ´-ゞ-゚'ソ   !\_{ ´ゝ-'゚イ   ! ハ !
                 ! |i !  l               j  /イ‐リ.           「お互いが譲りあって」
              ', i ゝ',  i                ,'  / ノ//∧
             rヘ l/ハ ハ    、_  _,。   ノ /イ/////ハ.          「一致点を見出す」
             !/ハ!//ハ ',ヽ、       , イ/ ////_//.
             Y_>-| 、 V/ > 、  ィ  // , ハ ̄ _/
             ヽ__l ハ ゝ'/ハ     イィ /|/77//.
              V///リハ Vj´      / ハヾ、_{`ヽ,、
            , ゚ ̄ ̄77ハ  リ`ヽ   イ´! l///ハ./i ̄ `ヽ`≧ュ、
                 // /l  !       l |ァ-ュ、ハl|    Y//ハ
           l       l/,イl|  j       l lj///`ヽ!|     l///|
           !   ヽ j////j ハ   ., '  r! !//////l{ /   l///j
           l   ,' ,ィ'///// /ハ: : . . i  ノハ V/////ハ',   ヾ_ノ

397◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:34:50 ID:iUO1SxSc0


                     __
                ,. . .-――.:.´:<⌒ヽ
             /:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : \
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : :.ハ
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.              :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : ハノ
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               {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:: : : : : |{
               ハ:.:.:.!:.:.:.j{:.:.! : : ハ: :.八
                 \ト、jハノ}/ヽ}ノ.,....、
          /⌒ヽイ:::::::::::::::::::: `Y´::::::::`ヽ、
       ,ィ´::::::::::::: { ||:::::::::::::::::::: {!/::::::::::::/⌒ヽ
       i:::::\_:::::| ||::::::/\:::::||!、___/::::::::::: ノ
          、::::::::::::::`;:! !!//\\||!、:::::::::::::::: /
         /::\:::::::::,:'Ⅵ,/ (___) \|! ∨__::/´`
.       /:::::::::::,>´{三三三三三三三彡 ',:::::::::::.





               _
           y-一´-: : : : : : : : : : : `: .、
     / ̄ ̄':´: : : : : : : : : :\ェ、: : : : : : : \
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヾミt、.: : : : : :ヽ
   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :  \ミ》、: : : : : ∨
.  /: : o: : : l: : : : : : !: : : : :   . . 。:  ヾ心: : : : : :.',
 ,': : : : :゜: : |: : : : : : ト、. . .: : : : : 、: : : : : . Ⅶト、: : : : :.',
 l: o: : : : : :ハ: : : : : :.ヘ\: : : : :__:1: : : .Vf´二、: : :.l
 !: : : : : : : :| ヘ: : : : : :.ィ ´ ̄: : : : :ヘ: !: : : . l/::::::ヾ',: : !                 きっと。
 |: : l: : : : ,+-─- : : : : ', __\: : ___:l:|: : : : |{:::::::::::}:!: :!
 l: : |: : : : :l l  ヽ\: : : イ;=≠示寸ハ!: : : : !ヾ:::::::ノl: :!
 l: : ト、: : : :|⊥二_\\: ´! V、_⊂リ l: : : . |\二ノ:./      _ .-┐.    仕事でかまってもらえないから、ちゃんと不満を言って、
 ヘ: :l ヽ: : :!ヾVuハ   ` ` ゝ一'  l: : : . lミ彡´:./  ,>. . :´: : : : : : !
  ヽ{ 丶: :lハ ー' ,           .!: : : .i、: : :/:/{/: : : : : : : : : : : /.       仕事を減らしてもらって、かまってもらえるようになった。
    \ \八     __     ;ィ|: : : ハト、:/_/: : : : : : : : : : : : /
        |`ゞ、  ∨  ノ  /。 !: : /、ィ_´: :!:_:_:_:_:_:_:_:_: : :-─!        家事を全く手伝ってくれないから、ちゃんと不満を言って、
        |: : : | `> -イ\   !: / ノノ\.{、.-.-.-.-.一: :´ ̄l
        l: : : !        丶  l://´: : : :ヽ\、: : : : : : : : : :l         できることをしてもらえるようになった。
        ∧__⊥=ミ、   _/: :} /: : : : : : /: :_\:丶、 _:_:_:_:__!
       / ̄ ̄´ア \//: : 「r´: : : : : : :./:/´  `  . `丶、_



          r- 、
          ヽ、 \__
       {ヽ、!゙`、.ゝr、  l`Y\               色目も、まあ――根気がいるけれど、
       .|  |  ll  Y´ l  !  ヽ-、
          ヽ、゙、 ゙i  ヘ  |  i     ヽ.           根気よくがんばった、かな。
         `゙、. ヘ   `"ヘ `l_      !、_r 、
            `ー'‐―、_   !     //´:` 、



398◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:35:28 ID:iUO1SxSc0


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  /⌒ ̄/ ̄: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ : : : : : : : : ' .
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     |: : : :/: /|: : : :ハト、 |` : : : :l  ィ≠==ァ}: : : : : : : : : !
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          从i: : : : 小      ___      イ: ::/: : : : ::|
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      / : : : : : : : : : !: : : :i|: : : : ::|: : : i : : : : : : : : : : : : : :|
     ,': : : : : : /: : : :|!: : ::八: : : : |\-‐ヽ ヽ: : : : : : : : : ::|
     |: : : :/: /|: : : :ハト、 |` : : : :l  \ ヽ: }: : : : : : : : : !
     |: : :/|: :| |: : : : ハ ヽ  ヽ:.: :l  ,__.   i:: : ::|、: : : : |
     |: :/ :|: :|八: : : : :!   _、 \|. ヾ==彡|: : : | }: : : :i|
    {/  :}: i|: ::\: : :ミ='".           |: : : |ノ: : : : {         (ああ――)
       Ⅵハ: : : \|     ′        |: : : |: : : : :八
          从i: : : : 小      ___      イ: ::/: : : : ::|
          \: : :||: 个           イ::|: /|: : : /}/
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           , -‐‐ 、 \:{V}ハ} ::::::::::::::::::::::::::::: |    ___
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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         それは、かつて自分が描いていた、理想的な家族だった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




399◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:35:49 ID:iUO1SxSc0


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         両親は短気な性分だから、すぐに喧嘩になっていたけれど。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
  NVVVVVVV\
  \        \
  <         `ヽ、
  </ /"" \ .ノヽ. \
   //, '〆     )  \ ヽ
  〃 {_{    ノ    ─ │i|
  レ!小§  (>)  (<) | イ ━
   レ § ::::⌒(__人__)⌒ |ノ ┃┃
  /   ゜。   | | | || 。゜ ∩ノ ⊃
  (受\  ∞ `ー‐' ∞ /_ノ
.  \ “  _∞∞_ノ∞/
    \。____  /




                       | /:./:.:.:.:/:.:.:/:.|:.|:.:.|  ヽヽ::\.:.:.::\:.::.:.:.ヽ.::.:.:.:.ヽ.:.:..|::.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
                       | |:.:|:.:.:.:.|:.:.:.|i:.ハハ:.:|   ヽ ャ 廾 十:ト 、.:..ヽ.:.::.:.:.|:.:..|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
                       | i:.:|:.:.:.:.|:.:.:.||,|ィ爪「    \\ =≠z.\:`:.|:.:.:.:.:.|:./|::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
                       i. |:.|:.:.:.:.|:.:.:.|リ レ≠=ミ      / {r':::::::i\ヽ|::.:.::.:.|/ |:.:..:.:i:.:.:.:.:.:.:|
                        |:.|:.:.:.:.|:.:.:ハ /|r'::::::::}       レv:::::::ri}/ |:..|:.:.ハ |.:.:.:.:.i:..:.:.:.:.:|
                        |:.|:.:.:.:.|:.:.:.ハヽVヽ_r'}      _辷__r,タ  |:.:|/ | .i::.:.:.:.i::.:.:.:.:.:|
                        ヽ!N:.:.|:.:.:.:.ハ ゝ- ''        :::::::::: /|:.:| / |:.:.:.:.:i::.:.:.:.:.:|
                         ヽ.ヽ:Nヽ:.:ハ :::::::::  ヽ           /.:.|./  i.:.:.:.:.:i::.:.:.:.:.:|
                            \  |:.人     v ― ァ    /:.:.:.|.  |:..:.:.:.:i::..:.:.:.:.|
                             ヽハ:.:.:| \    ` ー    / |:.:.:./   |.:.:.:.:.:i::..:::.:.:.|
                              i |:.:.|   ヽ、_    _,. '  ,. |:.:/   .|:.:.:.:.::i::.:.:.:.:..|
                               ヽ:|     | ` ´  ,. '´ /:.ム    |.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:./
                                ヽ    |` ーr‐'´   /:./ \  |:.:.:.:.:.i:..:..:./
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         もしも浮気する前に父が冷静になれていれば。

         もしも浮気した後でも落ち着いて話しあえていれば。

         自分たちは仲の良い家族のままで居られたのだろうか。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




400◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:36:15 ID:iUO1SxSc0


                  __
               , "     ゛ーヘ- 、_       、
          rニ;,   /             !ヾヽヽ、       )ヽ.
          {r、}   /         /     |  \ヾー--- "  j
        ヾ.'、 /  /j       /      !   \ヽ` ー-- "
           ヽ`、j //   !    /!     j    ヘ ハ
.            ヽr=! !     i!   i! | ,イ   ハ       }! |
            {::::ヘ}|!  | ,ハーt--r' |  i!ート,    i| !i
       ____  ;ヾ=ェi|  i|/ィオテミ!ソ  ! ,!xャァj!  ハ. ! i !
.       {::::::::::::::`ヽゞミj|   |《{゚し:::)   i. /fo::}イ   j | | j !      ――だけど、被告人。
       ヽ::::::,;;;-----;|   | ー '"   j/ ゝ-' ハ  イ.j/ノノ
.       `く  _;;ー|   | ""     ,  "/ i / j,/
          >´::::::::::::::|  |\.   -=    イ 'イ |
.       _,,ゝ、:::;;;;;;;r|  |_ `   ーr<.´jノ  |  |
.      //::::/7;;;;;;;},.!   | \__  .{   `!'、   |  |
.    / /:::::::/'/  ヾ!   |   ¨ハ  `ヽ{! {ー‐| |
     { /::::::/./     }!  i!   { ヽ、 i} `7、 |  i|ヽ.
    ヽー '¨`{     }!  |\ jヾ、  7 ヽ〈\,|  i| |
.     \   ヘ     ソヽハ!  ` \ヽ. `ヽ }> 〉 \j |
       \.  ヽ     }y'       ヾニニ{  `r'  \|


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ハクが口を開いた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                           ‐- . _
                -=ニ三 ̄三ニ=-     `ヾ≧ 、
             /   -‐==≡==-  ミメ、  ヽ: . )
                . : . : . : . : .:_,..xrz== ―-- 、 }:/
          /  . : . : . : . :,.ィ劣㌢´         )ノ/__
            / . : . : . : ._ィ升i/"           ヽ⌒ヽ
         ; . : . : . : /⌒> '〃        /    ’  }
  _      | . : . : .:〃⌒Y :/    _.>x._  //     }
  寸≧x.   !.〃彡{{i:::::::il :i  ー===彡' `刈ュ     /  i
   守三ニ≧x、:. . :〃|::ゞ=イ :li :〃 `{^℡、ミ ,′  、 〃 , :|
    '守三二ニ‘,. :从::己j :八{ !  ゞ込。》゙| !    `X / /  :!
     ヽ::::::::::::::::}. : .|. :ゝ._|: . l |       N  ∠ / /   :.|
      }:::::::::::,ィfヽ: |. :|. :||: . | |         j }/(沁/ /   i |.     なぜ、それを……
      {::::,ィ劣//.:|. :|. :!|: . 八!          { ` 7 /   i l
  _______,>三/ .: . :|. :| И: . |    _    ´   /イ   ,.  i |
く三三三三才´/.: . .: ;| :! !: . ト、     `'     .:    イ  ハ!.     配偶者を殺した本当の理由を語らなかったのですか?
 ヾ少":::// 〃. : . : ,′| | |:. .小 iヽ.     . イ: . / |i /
  }::::/:::/ //: >'´//: | l |:. .  | }厂`¨マ爪 i|`¨7/   |l /
  ×::::x ≦´    /イ: : l l !: .   レ' ∨ヽ. | i| /′/´ ̄j/_「i
./  〃       |: : :l !j : .   |  ̄V∧l i|ヽ  /  / {  lリ
  /,′       |:_:_从!: . i |   ‘ .Ⅵ|. ∨   ヽ.} {
//i         /: :|: . 八{    .::ヽⅦ  {    ノ  ’
/. : |         \: :|: /\=‐- .: :   ハ} ヘA        }
:.: . : .|           ,′/`| /: : :..\    丶:. .:∨ハ‘,    ′

401◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:36:38 ID:iUO1SxSc0


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         彼女がそう尋ねると、柴崎お魎は落ち着いた口調で答えた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

                  _
             , ’        ’ ,
           /   '.            \
          /   〃               \
         ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ
       /  /  `.寸               \
.      /ニ 〃/.   ’---一               ヽ
      '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   ,
.      {ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    ,
.     人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7   i!i!
       \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:!
        ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i!
         ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i!
          ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i     ……こんな話をすれば、皆さん同情なさるでしょう。
           }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i!
          r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. '
        /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/.           同情は買いたくない。それに……
      - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  '
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、
.    二二二二二二二二≧,.ハ
     二二二二二二二二二\ .,
.     二二二二二二二二二ニヽ,
      二二二二二二二二二二二.,
       二二二二二二二二二二二\




             ⌒))
.      {}  <  ̄´≦、
.     |/       ヘヾ
     ,'       .   i }
      {    i   ,'   ノ}!
     {', ヽヘ l  // /八
     ゝー、__,.-‐┐,イ       それに?
    〈三ニ={ i}=ニ二}ハ|
      }ィ≦´:::`≦ノ≧、
.    Y ァ:〃∧\ヾ:\ Y
     i/:〃:,' ',:::::::、>" }
     |Li_i 」  }_/Y  j
     j }  |i  il  |,z=}
.     |=|  |l!  i! {::::::::ハ
      !└┬|li   i V::::::::',

402◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:37:03 ID:iUO1SxSc0


.          '            i!川川川川川 .; i!        i
            ' .'     l      i!川川川川川 .; i!   i.    l ',
         l ,'     i!   i!  i! '"""'"""""| ::i! i   i...   l !
          l .,'.     !i    i!  i!  _.     ! i!.i! .i...  i.   i .i! .l
           l ,',  .i.   !   i!  .i! _  二__ .|:i! .i! i!       ,'! l
           |.ハ    i  爻ミxi !i!        , .|i! i! i! 爻 i   i. ,' l l
           iハノ .i   .i    i! i!i!77=-ヾ   /r-┼=!彡  i!   i ト. l:i
          i ',', .i! ; .!  `i===-:::: ヽ  <`==!-i'': !i.  i.,' .} i!
.            ',',:i:! i! .i!:  |::i:!:::::::彡:::     ヽ  i! .! .,i:!  i  ' !
            ', ::. i! i!.   !:::i:::::::::::::::::::|      i | .,' i!  i lノ  .!
                ', マ  i! マ |::::::::::::〃::::::|    、    |/ , i! .i:!
                ', マ .i!. マ    ゝ  、_,   ) ヽ   i ' .i! /i!
               マ :i!  、::: 〃:::::::` 一 ´   Y  i/ ,.イ/ .!
                 マi!  \::{{:::, ― ---- ‐- }}/.   '         さっきも言いましたがね、あたしは旦那を殺したんです。
                     ヽ  ハ > :::::::::::::¨¨    '  /ヽ
              / \\|::::>、::::::::     イ.  '  ヘ.            ここで同情されて天国に行かされでもしたらどうします。
             /i:二二\\:::::::::: ̄  ̄  /.  '/ .:ヘヘ
              /二i二二二 \\:::::::    /  /./二:,\
.          /二二i二二二二ニヽヽ:::::::    , ., '二二ニi二 ヽ
          /i二二二ト、二二二二二ヽヽ::::   , ' ,:'二二二ニ!二二ヽ
.       /二i二二二iニヽ二二二二二ヽヽ  , ' , ' 二二二二i!二二ニヽ
    /二二i二二二i二ニヽ二二二二二ヽy , ' 二二二二./i二二二ニi:\
.  /二二二i二二二i二二: ヽ二二二二ニ ’, ' 二二二二/ニi二二二ニi二ニ: 、
. /二二二二i二二二i二二二 ヽ二二二二/二二二二:/二ニi二二二ニi:二二ニヽ





                ', マ  i! マ |::::::::::::〃::::::|    、    |/ , i! .i:!
                ', マ .i!. マ    ゝ  、_,   ) ヽ   i ' .i! /i!
               マ :i!  、::: 〃:::::::` 一 ´   Y  i/ ,.イ/ .!
                 マi!  \::{{:::, ― ---- ‐- }}/.   '           あっちであの人と会うことになる。
                     ヽ  ハ > :::::::::::::¨¨    '  /ヽ
              / \\|::::>、::::::::     イ.  '  ヘ
             /i:二二\\:::::::::: ̄  ̄  /.  '/ .:ヘヘ         なんの、あの人に合わせる顔がありますか……
              /二i二二二 \\:::::::    /  /./二:,\
.          /二二i二二二二ニヽヽ:::::::    , ., '二二ニi二 ヽ
          /i二二二ト、二二二二二ヽヽ::::   , ' ,:'二二二ニ!二二ヽ
.       /二i二二二iニヽ二二二二二ヽヽ  , ' , ' 二二二二i!二二ニヽ
    /二二i二二二i二ニヽ二二二二二ヽy , ' 二二二二./i二二二ニi:\
.  /二二二i二二二i二二: ヽ二二二二ニ ’, ' 二二二二/ニi二二二ニi二ニ: 、
. /二二二二i二二二i二二二 ヽ二二二二/二二二二:/二ニi二二二ニi:二二ニヽ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         先ほどと同じセリフを、彼女は言った。それがなによりの本心なのだろう。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




403◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:37:30 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ――沈黙が落ちる。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

            /:::::::::::::::::;′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶.:.:.:.:.:\:\
          '::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|/ .:.:.:.:.:. ト、:.:.:\:.:.:.:.:.';:. !
        i:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|.:.:. :.:.:.:|.:| l\´:.\ :.:|:.:|
        |:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|:.:.l :.:.:,'|.:| i  ヽ_斗j:」.::|
        |:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|:.:.|.:.:/ |.:| i  ィiハノ|::.:.:|
        |:::::::::::::::::::::| :.::.::.:.:.:.:|:.:」斗=ミ|    ヒソ ト :::|
        |:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:レィ'_)i::ハ       ´ { Ⅵ
        |:::::::::::::::::::∧ :::::.:.:.:.:| 代辷ソ     、 '' }
        |::::∧:::::::::{.(丁 ::\}  ,, ´        /
        |::::{ ';::::::::::`ー|:::::::.:.:|    u.   ' ’ /
        |::::l  |:::::::::::::::::::::::.:.:.ト          /|
        |::::|  |::::::::::::::::::::::::..:.:∨_` ーr:::-イ:: !
        |::::|ヽ |:::::::::::::::人::::::.:.:.∨  \∧、 ::!:::.|
        |::::| '.| :::::::::::/ ヽ ::::::.:.:\  T^ヘ:::::八
        ヽ i  | :::::::::;′  '、:.:.:::.:.:.:\_」\_∨::.:'、
          }:|  |:::::::::::     \ :.:.:.:.:.:ヽ{  ヽ\:.:ヽ
            j {  |::::::::::i       ̄`\:.:.\ ト、_}\〉
            |::i  |::::::::::|             \:.:.Ⅵ |\\
            |::l  |::::::::::|      /⌒ヽ |:.:.| |__厂o 〉

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         先ほどと同じ、誰も、何も話せない空間。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




404◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:37:52 ID:iUO1SxSc0


              ____ ____
            /¨ ̄   ̄`ヾヽ  ___
           /  ,,.x≦⌒   ´ ̄   ミメ、
          /  //   γ´{    ⌒  、  \
           / 〃     {  ハ  ヾ       ヽ   :.
            〃 //      ハ  '.   '. i ト、      ハ
            /  i/    /イj ∨   :}从 \      :.、
         {{  il :   ,',' {{  廴,  、j_ヽj^刈    }‘,
           ル'.:   li ‐七¨ ̄',   | ̄`¨卞 }!    | }
         ヽ小  i  ル _ 二`_ V  | ̄二. _j |i   1:| ノ
          |i从  i  Kヒて夕ヾ ∨ }"夊歹,ゞ!i   ハ}
          || ヾ ハi : i `¨ ¨   Ⅵ ¨ ¨´ リ   / リ
          ||  个从八       ,       / / /
             从 __∨ 込≧=-      u_ノイ//::メ、
            \:::::∨ハヘ>. ´  `  イ:j  j〈::::::::::::>
             Y ̄Vハ〈::} >--< ,i._l  i ハ ̄Y
               K´::∨ .',∨       |  リハ}::::┤
              !:._イ∨ .';:∨ ',   /  {  :!:::::::L>.
           γ´  i:::::', ';:::',‐-   -―ハ i|::::::::j   ヽ
           ,'    |:::::::} }_厶     /::! :l|:::::::::l     :
           /i   i |::::;イ /::::::/    ノ:::::| リT¨ヽ}Y   卜、

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         そんな空気のまま、裁判は終わろうとしている――

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐












                 γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
                   |   ……待ってください。.    |
                    乂___________ .ノ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         小さな、か細い声が、法廷内に響いた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐







405◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:39:21 ID:iUO1SxSc0



               ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/:::::::::::::丶
              /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/::::::::::::/|::::::l
               |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::|:::::::::::/ /:::::::l
              .|::::::::::::::::::::::::::::::_, -:/::::::::::::|:::::::/ヽ::::::::::l
              .|:::::::::::::::::::::::::::/  ./|/|::::::::|:≦_、/:::::::::::::l
              .|:::/:::::::::::::::::::::ヽ ./:::::ヽ::::::|イ ,.ァ`./::::::::/|/
              |::/::::::::::::::::::::::::::>|:::::::::::ヽ::| // /-::::/ .|
              l/::::::::::::::::::::::::::/ |::::::::::::|  ` 丶 ̄
             /::::::::::::::::::::::::::/ |:::::::::::/    /
           /:::::::::::::::::::::::::::::人ヽ|::::::::/  、-
          /:::::::::::::::::::::::_, - : : : : : |::::::|、 , -
        /::::::::::::::::::::::/: : : : : : :-、ヽ:::|ゝ:l
       /::::/:::::::::::::/: : : : : : : : : : : :ヽ:::l┐、
      ./:イ:/::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : : : ヽ::lヾヽ
     // |/::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : |ヽ:lヾ丶
     // /::::::::::::::::::l: : : : : : : : : : : : : : : : 人 |::ソ┤
    //./::::::::::::::::::::|:| : : : : : : : ヽ: : : : : /: :ヽ|::ヽハ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         誰の言葉だろうと、一同は声の主を探す。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐








                    __
              __   ,..ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.<
            ,.ィ:.:.:.:.`´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
             /ィ:.:.:.,:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:',:.:.,
            /:.:.:;.:.:.:.:.:ハ:.: :.:.:.:.、:.:.:}ヽ:.:.:.:.:.!:.:.',
              /:.:.:.:i:.:.:.:-|=}ハ:.:.:.:.:.:.',ィ芋ミ、:.:.:.ハ:.:',
            ,:.:/:.:.!:.:.:.:.:.!ィ芋ミ、:.:.:.:.:i!:::i:::V:.:.;:.:.!:.:i
             |/|:.:.:.|:ハ:.:.〃i:::!::} \;,;,代:ソ j/:.:.:|:.:.|    ……あ。
               ';.:.:ヾ:.ヽヾ ゞソ  '    イ:.:.:.:.|:.:.:!
               ';.:.ト,:\:.:ゝ      u !:.:.:.:.!:.ハ!
              ヾ }:.:.ハ r.、 ,ィr_っ  /:.:.:./:/
               乂:.:!:∧∨ /__,ィイ/i:./ハ{
                 ヘ:.{ } i i .ノノ===!'
              ,. -‐- 、 -',.! i' /- 、::::::}ー、
                  i:::::::::::;:::::}::::ヽ::`ヾ⌒::::::!:::::ー-、__
              j::::,r-''::::::!___ハ:::::::}´ ミソ::::::::::::}::::ヽ
                 ,::::○':::::::::r≦三三ミ:::く:::::::::::::/::::::::',
              /::::::::::::r==::|::::::{○}:::::::::::i::::::::{`:::::::::::::',

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         声は、シュテルのものだった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



406◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:40:08 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ……許せないと思っていた。

         配偶者をないがしろにする被告人を許せないと思っていた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




  ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
                //            ヽ\
               //               ヽヽ
               //     /、、_、_,,__, -l     i l
               l/     i   __   l     l l
               l    ハ .lー- ---  l .ハ    リ
               l    l ヽl ̄`ー ¨¨¨l / l    l
               l l   l ̄¨¨ヽ 、, /¨¨ ̄l. l , .l
               .ll.l   lヾ==''′ _ ヾ=='i./ /l l
               l 〉 i .l l  ̄´     ¨` ´lイ ./〈/
              /`l ヘヽヽ  /、 ,\  〃l イ'/l¨ヽ、
           , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、
         , '     l  ヽヾ、l. -――.-. l./ィ'/  l     丶、
       , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
     /          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \
  ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         けれど、実際は、ないがしろにするどころか相手の事を誰よりも想っていた人だった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





407◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:41:28 ID:iUO1SxSc0


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         そんな人が、「地獄に行かせて欲しい」と泣いていた。

         そして、このままでは彼女を止められない。そんな気がした。

         けれど。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


            ,. . ': : ̄ ̄ ̄: >、
            ,. .'": : : : : : : : : : : : : : : ≧ ̄ ̄二ニ==-
        /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ
       ,.': : : : : : : : : : : : : : : : : :i!: : : : : : : : : : : \
      ,': : :, : :i : /: : : : : : : :/: : :i!: : : : : : : : : : : : :、ヽ
        i: : / : : !:/: : : :/: : : /: : :/: : : : : /: : 、: : : : : ヽヽ
        !: : !: : : !' : : : /: : : /: :/!: : : : :ハ : : ',: : : : : :!ヾ',
       !: : :',: : :!: ー/-, イ:/u ,': : :/:/  ',: : :i: : : : : :i ヽ
      !: : : ヽ: :',イ/'__/イ_  ,',.イ,'イ`ー i : : !: : :!:i!: !
      |: : : : :ヾ、'、 辷武ソ `     _ !/ /: /リi/      (思い描いていた家族がここにある)
      |: : : : :', : ',ヾ、              `リ/.イ
      .,'.: : : : :.', : '、 u.     `   u ,': :!: :i.
     /:,、: :i: : :',:'、: ヽ 、   --f>-、 , イ: : ! : ',.           (それがこんな終わり方なんて、嫌です)
    ,イイ ',: !ヽ: '、:ヽ: :ヽ ≧ー/シ   ', i: !リヽヾ、
       r'、 ̄ ̄ヾヽ,ヾ、ー 〉'、    ', レ'  ',
       i  `ヽ、 ',::::',  iソ ヽi     ',__   i!         (地獄になんて、行って欲しくない)
       i     ヽ',::::`ー――`コ‐  〉'ヽ   !
       ',      i!::::::::::::::::::::::::', `ー'   ヽ !


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         その思いが、口から漏れた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                        ___
                      ´      `丶
                   / .::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.\
                    ..:::::::::::/::::∧:::::::|::::::::::::.:.ヽ
                 /.::::/ :::::::/|:::/丁\:|::::::::| ::::.:.:',
                /ノ.:.::::{::_/ノ |/ xぅ沁│::::::|::::::.:.:.|
                ∠/:.::::::∨r沁   ヒ::ソ |::::::::ト:::::.:.:.|     ……高町裁判員、何か。
                 }.:.::::::ハ. ヒリ      '' L}:::::|ノ ::.:. |
                  ̄/.::::::..''         /::::::|::::::.:.:.|
                     厶:/ :::ゝ. `’  _/::::::/|::::::.:.:.|
                    /.:.:::/::::::>‐:r /:::: /´|::::::.:.:.|
                  /://::::::/{:::r厂/::/ ̄ ヽ:::.:.:.|
                  /:/ /:.::::/人/7::/     ':;:.:.|
                _ /:/   |:.:::〃{ 《 {/::/       '; :|

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         澪が、こちらを見る。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




408◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:42:06 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルは答えようとして、

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

           .   ´. ::  ̄:. : ::: :`  .
            /. :: ::./: : :: :: :: :: :: :: :: : :: \
          . ' . :: ::.::/. :: :: : :: :: : :: :: : :: : ::} : :: ヽ
       /. :: :: :://. :: ::/: :: :: :/: :: :: :: :リ : :: : ::. .
.      /. :: :: ::/.:!: :: :/. :: ::/!::/ :: :: :::/ : !: :: :: ::: : .
      l: :: :: :://.|: :: :|:≧x'  j/:l: :: ::./:!: ::リ :: : :: :: ハ
      |: :: :::/〈 |: :: :|Tr示k  |: :: / .ィ升!`リ.:: :: :ト、}
      |: ::::/: ::ヽj: :.N 乂ソ /j:/x=jメ.ル': :: :: /}
      l: ::,': : ::l:.:| : | ""     /r'f テx!: : : :::/:リ   …………っ。
      l: ::i :: :: !: l: .:|、 u      ' `ー ' /j: : ::, '::./
.      从:j: :: :ル八: !_\   ⌒   . イ. :: イj:/
       人x<二ニ X二 > --  て. :::!::/
      ∠二\ 二二二二二K. ::/.:/.::/
    ∠二二二\ 二二Ⅴ77二\: :ル'
    .仁二二二Ⅴ X 二ニV/ 二7 ∧
  ∠八 二二二 }/. :::\ニ.{ !ニフ/.::ヘ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         声を出せない自分に気づく。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




      l: ::i :: :: !: l: .:|、 u      ' `ー ' /j: : ::, '::./
.      从:j: :: :ル八: !_\   ⌒   . イ. :: イj:/
       人x<二ニ X二 > --  て. :::!::/       (何を言えばいいのかが、わからない)
      ∠二\ 二二二二二K. ::/.:/.::/
    ∠二二二\ 二二Ⅴ77二\: :ル'
    .仁二二二Ⅴ X 二ニV/ 二7 ∧
  ∠八 二二二 }/. :::\ニ.{ !ニフ/.::ヘ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         自分は老婆の本心に気付けない子供だった。自分は間違っていた。

         そんな子供に、老婆を止める資格なんてあるのだろうか。

         そんな自分が、考えなしに喋っていいのだろうか。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



409◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:42:43 ID:iUO1SxSc0



            ,.  ´ ̄ ̄     、
           /            \
          ´    l         l ヽ  ヽ
         /   l  l  |       | |  ハ
        ′  l | | |    | |   l |  i
       l l  l l l 八ト   l | |   | |  |
       l |  | l |/ | `ヽl | |   | |  |
       | L 丁ノノト  l  ´]_丁 |  }ノ  |
       |  |V 灯仍     f広刃!  ハ l  |
        ∟ |ハ  込リ     込り |/|}   |     ……高町裁判員……?
           | ∧""   ,    "" |  lノ l  |
           | ∧     __      j|  | l  |
           | l  ト 、     イl |  l l  |
           | |  |  }>r-< /V  ノ l  |
           | |  |_ム∧r-く  / /、  l  |
         ィ´ /,/ 〃´ ||.  ∨ /  ト<  |
.         / |   {/ {{  ||  /  /  |   `  、
        ノ  |  /ヽ ゞーァ介ァ  / r-┘     }
.     /  / / / |//l l/  /  |     ,     l





    {/   }: i|: ::\: :ゝ-'ヽ=о /// ,とつ   |: : : |ノ: : : :.{
       Ⅵハ: : : \|               |: : : |: : : : :八      ……っ!
          从i: : : : 小    `          .イ: ::/: : : : ::|
          \: : :||: 个...‐========っ.イ::|: /|: : : /}/
           \八ノ|: : :≧.、 _._  ≦´__ |/-|从/ .!
              \:{V}ハ} ::::::::::::::::::::::::::::: | ! } ___
       /::::::::::::::::\__ノ:::┌──┐::::::::::ト、__/:::::::::::::ヽ
         {:::::::::::::::::::::::::::::|.|:::::::└──┘::::::::::|.|:::::::::::::::::::::::::::}



                  -‐ ───-
               ´: : : : : : : : : : : : : : : `丶
       ´ ̄ ̄ミY´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
  /⌒ ̄/ ̄: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ : : : : : : : : '
     /: : : : : /: ::/: : : :i: : : : ::|: : : : : : : ::ヽ : : : : : : : :|
      / : : : : : : : : : !: : : :i|: : : : ::|: : : i : : : : : : : : : : : : : :|
     ,': : : : : : /: : : :|!: : ::八: : : : |\: ! ヽ ヽ: : : : : : : : : ::|
     |: : : :/: /|: : : :ハト、 |-、 : : : :l  ー--- }: : : : : : : : : :!
     |: : :/|: :| |: : : :.〈'  fう ` . : :l -==、`ヽi:: : ::|、: : : : |      (止めたいのに)
     |: :/ :|: :|八: : : :. __ i:::爿 .\| ' i::亢:i /.|: : : | }: : : :i|
    {/   }: i|: ::\: :ゝ-'ヽ=о /// ,とつ   |: : : |ノ: : : :.{
       Ⅵハ: : : \|               |: : : |: : : : :八.      (おばあさんを、止めたいのに!)
          从i: : : : 小    `          .イ: ::/: : : : ::|
          \: : :||: 个...‐========っ.イ::|: /|: : : /}/
           \八ノ|: : :≧.、 _._  ≦´__ |/-|从/ .!
              \:{V}ハ} ::::::::::::::::::::::::::::: | ! } ___
       /::::::::::::::::\__ノ:::┌──┐::::::::::ト、__/:::::::::::::ヽ
         {:::::::::::::::::::::::::::::|.|:::::::└──┘::::::::::|.|:::::::::::::::::::::::::::}


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         涙がにじむ。心が激しく揺れる。

         けれど心とは裏腹に、身体は硬直したままで。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




410◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:43:47 ID:iUO1SxSc0


            /:::::::::::::::::;′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶.:.:.:.:.:\:\
          '::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|/ .:.:.:.:.:. ト、:.:.:\:.:.:.:.:.';:. !
        i:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|.:.:. :.:.:.:|.:| l\´:.\ :.:|:.:|
        |:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|:.:.l :.:.:,'|.:| i  ヽ_斗j:」.::|
        |:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|:.:.|.:.:/ |.:| i  ィiハノ|::.:.:|
        |:::::::::::::::::::::| :.::.::.:.:.:.:|:.:」斗=ミ|    ヒソ ト :::|      ………………
        |:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:レィ'_)i::ハ       ´ { Ⅵ
        |:::::::::::::::::::∧ :::::.:.:.:.:| 代辷ソ     、 '' }
        |::::∧:::::::::{.(丁 ::\}  ,, ´        /         何もないようなら――
        |::::{ ';::::::::::`ー|:::::::.:.:|        ' ’ /
        |::::l  |:::::::::::::::::::::::.:.:.ト          /|
        |::::|  |::::::::::::::::::::::::..:.:∨_` ーr:::-イ:: !
        |::::|ヽ |:::::::::::::::人::::::.:.:.∨  \∧、 ::!:::.|
        |::::| '.| :::::::::::/ ヽ ::::::.:.:\  T^ヘ:::::八
        ヽ i  | :::::::::;′  '、:.:.:::.:.:.:\_」\_∨::.:'、
          }:|  |:::::::::::     \ :.:.:.:.:.:ヽ{  ヽ\:.:ヽ
            j {  |::::::::::i       ̄`\:.:.\ ト、_}\〉


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         澪が、シュテルを促す。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


         ,. . : :´: : ̄ ̄`X: : : : : : : : : : : : : :': .,
.      /___ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :'.,
.     /⌒   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : |
          /: /.: : : : : : : : : : : :. :. :.|: : ヽ: : |: : : : : |
       ./イ: : :/.丶: : : : |: : : : : : : !: : : :|: :|: : : : : |
      // }: : /: : : ヽ: : :.|\,/.:.:.: リ! l: : |ソ、: : : : : !.        (違うんです!)
      〃 |: : |: : : :∧ : : |/⌒ヽ レ|: : | }: : : : : {
          |: : ハ X_ ヘ/!`r、   i |: : |ノ : : : : 八
          Ⅵ ト∨..fヾ、 V  ヾ_, c√|: : |: : : : : : : : ヽ .        (言いたいことが、あるんです!)
           ヘ! ∨ヽヾj      ゜。 ,' : 八: : : : : : |\}
            ト、゜ハo  、   i.ノ// i∨: : : 八
             }ヘ.ゝ。   tっ.゜ /,.:':::i.',i从/.':.´ ̄:`.ヽ、   (でも、何を言ったらいいのか、わからないんです……っ!)
             |: :个`,ー--t_':_:_::::::::/:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
              ._,..∨\i'´/`´/ト-┘l/: :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
.         ,.__- ''´:.:.:.:.:.:.:.:.://: : /、, =、/: : :./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.__ :.:'.,
       l--、ヽ、:.:.:.:.:.:.:〈〈: :./ v=、/: : : /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l|||l:.:.:.:ヽ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         自分の言葉に自信が持てないから、一歩が踏み出せない。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





412◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:44:20 ID:iUO1SxSc0



           ヘ! ∨ヽヾj      ゜。 ,' : 八: : : : : : |\}
            ト、゜ハo  、   i.ノ// i∨: : : 八       (終わってしまう)
             }ヘ.ゝ。   tっ.゜ /,.:':::i.',i从/.':.´ ̄:`.ヽ、
             |: :个`,ー--t_':_:_::::::::/:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',    (裁判が終わってしまう)
              ._,..∨\i'´/`´/ト-┘l/: :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
.         ,.__- ''´:.:.:.:.:.:.:.:.://: : /、, =、/: : :./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.__ :.:'.,   (嫌だ)
       l--、ヽ、:.:.:.:.:.:.:〈〈: :./ v=、/: : : /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l|||l:.:.:.:ヽ
       .i:.:.:.:.:\\:.:.:.:.:l//: l: : : :/ : :r'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.__:.:.:.:.ヽ':.:.:.:/ }  (そんなの、嫌……っ!!)
.       _r┤:.:.:.:.:.: \ヽ、/l l: :.l: : :/: :./l-─ _ ニ´-─ 、ヽ、_;/,.イ
.     /`ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.` l:. l l: :l: :/:/ : :ヽ ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ-.'゙:./















                                  /        /
                                  /        /
                                  /        /
        \_                         /        /
          \_                    /         /
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             \               /         /
                \_               /        /
   \_             \___        _/        /
     \_               `ー- 、/          /
       \_                /          /
         \              ヽ    /    |
           `ヽ              \_ /       /
             \                 ヽ_      /
              `v-、            /    /
              〈  〉__          /ヽ  /
               ̄〈   `ヽ       |   ,イ
                 `ー--く      ゝ一' ノ
                  (   ヽ---――ー'´
                   ヽ-'




413◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:44:41 ID:iUO1SxSc0



                ̄    、
            ´          \
     /                ヽ
      /           、_  ヽ
    '               ` 、ヽ
    l              ,‐-,.._ ゞ
.   l              l 弋心 l       大丈夫だ。
.    l              冫.ー く
   l               l    ノ!
   l               `ー‐ f r'
   l                  ノ'
   !                     /
   ,'                   /
 ̄ `ー -               /
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
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         やらない夫が、シュテルの手を握った。

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414◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:46:01 ID:iUO1SxSc0


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       Ⅵハ: : : \|               |: : : |: : : : :八
          从i: : : : 小    `          .イ: ::/: : : : ::|
          \: : :||: 个...‐========っ.イ::|: /|: : : /}/
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    '            ー ´  ヽ
    l              / _  ヽ
.   l              l / \ l     まとまらないなら、
.    l              冫.   く
   l               l    ノ!.       まとめずに全部言っちゃえばいいんだよ。
   l               `ー‐ f r'
   l                  ノ'        思ったことを、次から次へ、全部。
   !                     /
   ,'                   /
 ̄ `ー -               /        ちょっとくらい変な事言っても問題ない。
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /.             今大事なのは、変な事を言わないことじゃない。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:..   ..:.:.:.:.:.:ヽ               それを恐れて、何も言わないことだ。
    ` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
       、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ..:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ..:.:.:.:.:.:.:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./

415◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:46:17 ID:iUO1SxSc0


                     __
                ,. . .-――.:.´:<⌒ヽ
             /:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : \
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : :.ハ
                {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..: : : :.i
.              :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : ハノ
               i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: : : : |i     でも、私みたいな子供に
               {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:: : : : : |{
               ハ:.:.:.!:.:.:.j{:.:.! : : ハ: :.八      言う資格なんて……
                 \ト、jハノ}/ヽ}ノ.,....、
          /⌒ヽイ:::::::::::::::::::: `Y´::::::::`ヽ、
       ,ィ´::::::::::::: { ||:::::::::::::::::::: {!/::::::::::::/⌒ヽ
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         /::\:::::::::,:'Ⅵ,/ (___) \|! ∨__::/´`
.       /:::::::::::,>´{三三三三三三三彡 ',:::::::::::.





                ̄   、
            ´        \
     /              ヽ
      /                ノヾ
    '            ー ´  ヽ
    l              / _  ヽ
.   l              l / \ l     大丈夫大丈夫、あの世の人にとっちゃあ
.    l              冫.   く
   l               l    ノ!.       俺たちは子供も大人も同じらしいから。
   l               `ー‐ f r'
   l                  ノ'
   !                     /       子供を裁判員裁判に選んだのはあっちなんだし、
   ,'                   /
 ̄ `ー -               /          それ以外に必要な資格なんて無いって。
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
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416◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:46:45 ID:iUO1SxSc0


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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルは思う。

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                     __
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.              :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : ハノ
               i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: : : : |i     (この人は)
               {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:: : : : : |{
               ハ:.:.:.!:.:.:.j{:.:.! : : ハ: :.八      (本当に無神経だ)
                 \ト、jハノ}/ヽ}ノ.,....、
          /⌒ヽイ:::::::::::::::::::: `Y´::::::::`ヽ、
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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         もの知らずだし、空気読まずにずけずけものを言う。

         さっきだって、さっさと裁判を終わらせたいという自分の意向を無視され続けた。

         おおよそシュテルの苦手とするタイプの人間だった。

         嫌いなタイプと言ってもいい。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




417◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:46:58 ID:iUO1SxSc0



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         そんな人間に手を握られている。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



                                  /        /
                                  /        /
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                \_               /        /
   \_             \___        _/        /
     \_               `ー- 、/          /
       \_                /          /
         \              ヽ    /    |
           `ヽ              \_ /       /
             \                 ヽ_      /
              `v-、            /    /
              〈  〉__          /ヽ  /
               ̄〈   `ヽ       |   ,イ
                 `ー--く      ゝ一' ノ
                  (   ヽ---――ー'´
                   ヽ-'




── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         「手を離せ」と強めに言っても自分は何も悪くないだろう。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




418◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:47:20 ID:iUO1SxSc0


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         だから、シュテルは思うがままに告げた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

                          __
                           z≦´ ̄.:.:.:.:.:.:.≧z、
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./イ.:.:.:.:!::::::::::::へ.:.:.ゝ ̄ ̄´    代;;;とつ :i:.:.:.:.i::::::::,'           手を――
  ノ.:x<´ ̄ ̄ ` ヽ.:.''=-    、  ``′〈;;:;八:::;∧::::′
-イ´  /i        ハヾ:\  - 、   .j:::::::ヘ ノノ }:.:j
ヘ::::::::::`''´:::::      ',  `'       , イヘ:::::.:.}'´  j:./
::::>、-―=''" ̄ミx、  ト 、  .<:::ル'  ヾヘ:.!   !/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘミx |≧x、´::v:wv'     !/  f´
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘミ,八ー-`ヽ /::`\, イ´ ̄}
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘミxi   /:::::::   Y    }
............ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::ミ>   〈:::::::::   メミ<  ト、













              γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
                |  もっと、強く握っていて下さい。.    |
                 乂_______________ .ノ









419◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:49:38 ID:iUO1SxSc0


                                  /        /
                                  /        /
                                  /        /
        \_                         /        /
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     \_               `ー- 、/          /
       \_                /          /
         \              ヽ    /    |
           `ヽ              \_ /       /
             \                 ヽ_      /  キュッ
              `v-、            /    /
              〈  〉__          /ヽ  /
               ̄〈   `ヽ       |   ,イ
                 `ー--く      ゝ一' ノ
                  (   ヽ---――ー'´
                   ヽ-'


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         より強く握られた手を感じた瞬間――

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





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              ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V
               ,'.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‐-:..、
.             ,: :.:.::.:./.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
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           /:.:./:.:'/.:.:.:/|.:./‐}:.:.:/ノイ|:il:|:.:.}.:.:.ハ:.:.:.:}、.:.:.}
.        /.::. イ.:.:/.:.:.:.: if示ミi:./  ィ示T/:.:/.:.|.:.:/ }.:./
           ̄  |:.:/i :.:.:.: rっ沙ヾ   弋::rっ':/::.:.i:./ ノ'      ――被告人!!
.            ∨从.:.:.:.:|、    ,    ノイ:}.:.iノ'
              __.リ从| >、   --    イレ|:/  -‐-
.            /:::::::::ヽ|イ/}≧=--=≦\=ノイ:::::::::::::::::::\
          ,:::::::::::::::::/ | i:::::::}` ̄丁 ̄/::::::} } {::::::::::::::::::::::::::::::ーr、
        ノ:::::::::::::::::{::::| i:::::::::、  {i} /:::::::// {::::::::::::::::::::::ト、 //}
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       レ'\\__:/:::::::::::::〈::::: V /::::::::〉:::::::::〉::≠=ニニニ='ノi

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         言葉が、自然に出てきた。

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420◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:50:23 ID:iUO1SxSc0


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     |: : : :/: /|: : : :ハト、 |-、 : : : :l  ー--- }: : : : : : : : : :!
     |: : :/|: :| |: : : :.〈'  fう ` . : :l -==、`ヽi:: : ::|、: : : : |
     |: :/ :|: :|八: : : :. __ i:::爿 .\| ' i::亢:i /.|: : : | }: : : :i|      地獄になんて行っちゃ駄目です!
    {/   }: i|: ::\: :ゝ-'ヽ=о /// ,とつ   |: : : |ノ: : : :.{
       Ⅵハ: : : \|               |: : : |: : : : :八.       ご主人はきっとあなたを恨んでなんかいませんよ!
          从i: : : : 小    `          .イ: ::/: : : : ::|
          \: : :||: 个.. ‐======っ イ::|: /|: : : /}/
           \八ノ|: : :≧.、 _._  ≦´__ |/-|从/ .!
              \:{V}ハ} ::::::::::::::::::::::::::::: | ! } ___
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           //            ヽ\
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          //     /、、_、_,,__, -l     i l
          l/     i   __   l     l l
          l    ハ .lー- ---  l .ハ    リ
          l    l ヽl ̄`ー ¨¨¨l / l    l
          l l   lニ二ヽ 、, /'二ニl. l , .l
          .ll.l   l`ー ゚ `   _ '´゚ - 'i / /l l      …………
          l 〉 i .l l  ̄´     ¨` ´lイ ./〈/
         /`l ヘヽヽ  /、 ,\  〃l イ'/l¨ヽ、
      , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、
    , '     l  ヽヾ、l. -――.-. l./ィ'/  l     丶、
  , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
/          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \





       Ⅵハ: : : \|               |: : : |: : : : :八.    ご主人は……だって……ご主人は……!
          从i: : : : 小    `          .イ: ::/: : : : ::|
          \: : :||: 个.. ‐======っ イ::|: /|: : : /}/
           \八ノ|: : :≧.、 _._  ≦´__ |/-|从/ .!
              \:{V}ハ} ::::::::::::::::::::::::::::: | ! } ___
       /::::::::::::::::\__ノ:::┌──┐::::::::::ト、__/:::::::::::::ヽ
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421◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:50:57 ID:iUO1SxSc0



           //            ヽ\
          //               ヽヽ
          //     /、、_、_,,__, -l     i l
          l/     i   __   l     l l
          l    ハ .lー- ---  l .ハ    リ        ……ありがとう。
          l    l ヽl ̄`ー ¨¨¨l / l    l
          l l   l ̄¨¨ヽ 、, /¨¨ ̄l. l , .l           でもね、そういう話じゃなんですよ。
          .ll.l   lヾ==''′ _ ヾ=='i./ /l l
          l 〉 i .l l  ̄´     ¨` ´lイ ./〈/            主人はあたしを許すかもしれない。
         /`l ヘヽヽ  /、 ,\  〃l イ'/l¨ヽ、
      , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、        だけどあたしが、自分で自分を許せませんのさ。
    , '     l  ヽヾ、l '-――'-' l./ィ'/  l     丶、
  , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
/          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \





             '{{≦:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ハ
            イ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::∧
      , =彡=イ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : : :: :: :∧
         r/:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: \:: :: :: : :: :: :: :: ::::∧
        ∥: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::\ :: : :: :: :: : :: :: :: }
      /ノ:: :: :: :: :: :: :il:: :: :: :人:: :: ノ:: :: :: ::へ :: :: :: :: :: :: :: ::|
        l:: :\:: :: :l:: :: ;lハ_:: :: :: :ハ:: :: :: :: ::l::ト:ト:: :: :: :: :: :: ::ハ
        `:::へ:: :: l:: :: l-‐l:::l=--:: :: ハ :: :: ::l::l:l ヽ,:: :: :: :: :: : :: ハ
           l:::: Ⅵ::::人:: :l リ  \:: ::l リ:: :Ⅳ: ::|- }:: :: :: :: Ⅳ:: :: ハ
        ヽ,::ヽ::ハ::l:ヽ::l ,,≧==ヾ i:::!ノ::l:: :::Ⅴrリ:: :: : : ∧ :: : :: ::∧=-     そんな!そんなこと……そんなこと!
         l ゝ::ハト:l::ヽl 弋5乂 .l:;i ノ l:: : : :l  l:: :: : :∧ :: :: :: ::∧
           丿 ヽハ:|  Y`  l'   .l::!   l:: : :: ノ  l:: :: :: ∧:: :\: :: :: :\
               ノ   |i    l:!  l : ::ノ  リ:: :: :: : ∧:: ::\::∧ ミ-
               ` ‐ 、'! __  リ   ': : ノ  ノハVノハ::ソヽハヽノ::ハソ--
                     ` .-_ '   ノ:ノ \ /:: :: :: ::/: :: :: :: :: ::: :: \
                     ヽ_ -     /:: :: :: ::// :: :: : :: :: :: :: :: :\
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                            へ:: /:: /:::: :: :: :: :: :: :: ○:: : :: :: :: \
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                                 l:: ::《==========__:: :: :: :: __======》
                               ヽ  l/ヽ ::ヽ: :: :: :: :: :: :: ≪≡≫ :: :: :: ::/
                            へ、 /  l:: :: ::ヽ:: l: :: :: :: :: :: :: :: :: : : :: /l

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         涙を流しながら、シュテルは絶叫した。

         ――夫婦のことなんて、他人には分からない。

         そう言っていたすまし顔の少女は、もうそこにはいなかった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




422◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:51:26 ID:iUO1SxSc0




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                       / |:/: 八   、       |: :ヽ: {: :{ ヽ
                          |′{: : : .     ´   イ: :|\「\}
                              {\{ r}___-=≦_:/{ヽ:|  `
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                          -=//::|:::┌―┐:::/\‐-....
                       /.:::::〈〈:::::|:::└―┘,:::::::〉〉:::::::::::..
                       /.:::::::i::::_>〈=ミ、__::/.:r<.:::::::/.::::::.
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                    〈__彡 ⌒|:::::.f´ヽ:__::ニ=-.::r=======ミ、.:::|
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                       ヽ-‐|::::::{___ノ::}ー=彡::., .:::::::::::::::::::ゝ=|
                     〈::::::∨::}  / :}  }::::::〉.:::-‐‐-.::::/
                          |::::::::Ⅵ/|:|::ヽ/::::::::}-‐::::::::/
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          ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         きっとそれは、本来の彼女の顔。両親が離婚する前の、

         小学生時代の――人が人を愛するという事実を信じていた時代のシュテルなのだろう。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




423◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:52:45 ID:iUO1SxSc0



                  _
             , ’        ’ ,
           /   '.            \
          /   〃               \
         ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ
       /  /  `.寸               \
.      /ニ 〃/.   ’---一               ヽ
      '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   ,
.      {ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    ,
.     人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7   i!i!
       \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:!
        ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i!     裁判官さん。あたしを地獄に落としてくださらんか。
         ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i!
          ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i
           }川リヽ 爻リ リ      ::: i i/ !  / i!         いや、あたし自身の気持ちだけじゃない。
          r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. '.
        /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/           なんと言ってもあたしは殺人者だ。
      - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  '
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、                        それが無罪放免、天国行きじゃ、
.    二二二二二二二二≧,.ハ
     二二二二二二二二二\ .,                         他の真面目な人たちに申し訳がなかろ。
.     二二二二二二二二二ニヽ,
      二二二二二二二二二二二.,





            ,.  ´ ̄ ̄     、
           /            \
          ´    l         l ヽ  ヽ
         /   l  l  |       | |  ハ
        ′  l | | |    | |   l |  i
       l l  l l l 八ト   l | |   | |  |
       l |  | l |/ | `ヽl | |   | |  |
       | L 丁ノノト  l  ´]_丁 |  }ノ  |
       |  |V 灯仍     f広刃!  ハ l  |
        ∟ |ハ  込リ     込り |/|}   |       ……それは……そうだが……
           | ∧""   ,    "" |  lノ l  |
           | ∧     __  u  j|  | l  |
           | l  ト 、     イl |  l l  |
           | |  |  }>r-< /V  ノ l  |
           | |  |_ム∧r-く  / /、  l  |
         ィ´ /,/ 〃´ ||.  ∨ /  ト<  |
.         / |   {/ {{  ||  /  /  |   `  、
        ノ  |  /ヽ ゞーァ介ァ  / r-┘     }
.     /  / / / |//l l/  /  |     ,     l
   /     { / 〈.  l// |/  / /     ′   |
  /      ∨   \. |//  //    /       |

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         澪も悩んでいる様子だった。


         被告人の言い分には道理がある。

         いくら同情すべき点があったとしても、人を殺している以上、

         そして下界でも罪を償ってない以上、それで天国行きの判決を下すのは難しいように思われた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



424◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:54:08 ID:iUO1SxSc0


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         だが少女は、そんな道理なぞ関係ないとばかりに、思いの丈を叫ぶ。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

                       ,...-― 、
                 _ _   (:.:(´ ̄`ヽ_
                  `ヽ:.\ }、:.ヽ´ヽ´ー-ヽ-r―、_
                   /:. ̄:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ̄:.:.:.`ヽ
            ィ≦二二二二:._:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::`ヽ\ ./
          ,.ィ:._イ:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:ヽ:.:.:.:.:.:.:‘、∨ /
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           イ:.:/.:/:/:.:./:.':.:.:.:.:/:/:/:.:.:.:.:.:.,/:.|:.:.‘.:.:.‘.:.:.:.:∨.:.:.:「`ヽ
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             ∧:.{:.:.:}、:.:.:.:.:|i「芹恣拆ヽ ヽ{\,ィ芹恣拆ァ:.:.:.:.| !:.:.|:.:二ニ=    そんな!澪さん!
         /_∧:!、:.ハ:\:.ハ( ,つー-'っ:/:/'/:/:ヽ‘ーr=_'っ.:.:.:.,イ i:.:.\
.         `ヽ:.:.:.:.:.:ヽハ:‘.\i{/:`i{:/:/:/:/:/l/:/:/:/:/}'´/イ /:,!/.:.:.:「 ヽ _ .       なんとか!なんとかならないんですか!
          ` ーイ/:/i∧i!/:/'i! :/:/:/:/:/:/:/:/:/}!/:イ´:.:.∧}:.::!::‘
              '´:./{:.:.:.:|{、  !      _   /'}!イ.:.:.:∧/}:./:.:..!
        _   |:.:/ ,イ:.:.:.:{`¨\}!  ´ ̄  ` /{イノ:.:.:./:.:/:.|/_:.::.{
       ´/ヽ`ヽ }/ /:.:.\:.:∨:.:.:.|≧o。   イ`!:ヽi:.:/{:./_<'´ ヽ!





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        |:::::::::::::::::::::| :.::.::.:.:.:.:|:.:」斗=ミ|    ヒソ ト :::|      シュテ……高町裁判員……
        |:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:レィ'_)i::ハ       ´ { Ⅵ
        |:::::::::::::::::::∧ :::::.:.:.:.:| 代辷ソ     、 '' }
        |::::∧:::::::::{.(丁 ::\}  ,, ´        /
        |::::{ ';::::::::::`ー|:::::::.:.:|  u.     ' ’ /
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425◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:54:45 ID:iUO1SxSc0


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         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : |         駄目です!柴崎さんを地獄に行かせちゃ駄目です!!
          /: /.: : : : : : : : : : : :. :. :.|: : ヽ: : |: : : : : |
       ./イ: : :/.丶: : : : |: : : : : : : !: : : :|: :|: : : : : |
      // }: : /: : : ヽ: : :.|\,/.:.:.: リ! l: : |ソ、: : : : : !         可哀想じゃないですか!愛し合っている夫婦なんですよ?
      〃 |: : |: : : :∧ : : |/⌒ヽ レ|: : | }: : : : : {
          |: : ハ X_ ヘ/!`r、   i |: : |ノ : : : : 八.           愛情の結果なんですよ?
          Ⅵ ト∨..fヾ、 V  ヾ_, c√|: : |: : : : : : : : ヽ
           ヘ! ∨ヽヾj      ゜。 ,' : 八: : : : : : |\}
            ト、゜ハo  、   i.ノ// i∨: : : 八          それなのになんで、この人が地獄行きなんですか!
             }ヘ.ゝ。   tっ.゜ /,.:':::i.',i从/.':.´ ̄:`.ヽ、
             |: :个`,ー--t_':_:_::::::::/:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
              ._,..∨\i'´/`´/ト-┘l/: :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
.         ,.__- ''´:.:.:.:.:.:.:.:.://: : /、, =、/: : :./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.__ :.:'.,
       l--、ヽ、:.:.:.:.:.:.:〈〈: :./ v=、/: : : /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l|||l:.:.:.:ヽ
       .i:.:.:.:.:\\:.:.:.:.:l//: l: : : :/ : :r'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.__:.:.:.:.ヽ':.:.:.:/ }
.       _r┤:.:.:.:.:.: \ヽ、/l l: :.l: : :/: :./l-─ _ ニ´-─ 、ヽ、_;/,.イ
.     /`ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.` l:. l l: :l: :/:/ : :ヽ ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ-.'゙:./





                            __
       ,. -‐                 ‐-|::!
    , '",. -─=‐             ヽ   |:jヽ
   /´/ /   /    /    ヽ     ヽ  ||  ',
    /´7   / i     /!  i  :.:`、:.   ヾx||   !
     / イ  ,' !  l  / l  l  _ :.:.:',:.:.ヽ.  l Ⅶヽ.:|
     / / |  l  l  _| 斗!'´!   !ヽ ~::T!ー::l-: l. : :|Ⅳ}:
     |,'  l  ! .:| ト|,ィ==ミ  ! ケ=ォ、ヽ! / : : l-〃    _ .-┐     シュテルちゃん、落ち着いて……
     i  l l  .:l ヾ {;;゙ー_ソ \|  !.;;゙ン '~ レ    |:/:/{. : ´: : : : : : !
       ヽ|  .:|  | ´            ` u |   l/_/: : : : : : : : /
          ト、 :l   l      `        l   |: :!:_:_:_: : : : : : /
          ヽ!  人     -っ       ノ! :. l_:_:_:_:_: : :-─!
           | !  :.>、        ィ j  :i. l .-.-.一: :´ ̄ll
           jハ  :.:.| `ヽ、_,.、-:'´::  l  .:i i`ヽ_ : : : : : : :l
           :.:.:\ :.:.|  / /ハ:::::  ノ .:/リ:::ノ  `''ー::、  _!

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ハクがシュテルを諭す。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




426◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:55:12 ID:iUO1SxSc0



                  -‐ ───-
               ´: : : : : : : : : : : : : : : `丶
       ´ ̄ ̄ミY´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
  /⌒ ̄/ ̄: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ : : : : : : : : '
     /: : : : : /: ::/: : : :i: : : : ::|: : : : : : : ::ヽ : : : : : : : :|
      / : : : : : : : : : !: : : :i|: : : : ::|: : : i : : : : : : : : : : : : : :|
     ,': : : : : : /: : : :|!: : ::八: : : : |\: ! ヽ ヽ: : : : : : : : : ::|
     |: : : :/: /|: : : :ハト、 |-、 : : : :l  ー--- }: : : : : : : : : :!
     |: : :/|: :| |: : : :.〈'  fう ` . : :l -==、`ヽi:: : ::|、: : : : |    落ち着きません!
     |: :/ :|: :|八: : : :. __ i:::爿 .\| ' i::亢:i /.|: : : | }: : : :i|
    {/   }: i|: ::\: :ゝ-'ヽ=о /// ,とつ   |: : : |ノ: : : :.{     だって、おかしいじゃないですか!
       Ⅵハ: : : \|               |: : : |: : : : :八
          从i: : : : 小    `          .イ: ::/: : : : ::|.       おかしいなら、行かせちゃ駄目じゃないですか!!
          \: : :||: 个...‐========っ.イ::|: /|: : : /}/
           \八ノ|: : :≧.、 _._  ≦´__ |/-|从/ .!
              \:{V}ハ} ::::::::::::::::::::::::::::: | ! } ___
       /::::::::::::::::\__ノ:::┌──┐::::::::::ト、__/:::::::::::::ヽ
         {:::::::::::::::::::::::::::::|.|:::::::└──┘::::::::::|.|:::::::::::::::::::::::::::}

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         けれど、シュテルは止まらない。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐






                                  /        /
                                  /        /
                                  /        /
        \_                         /        /
          \_                    /         /
            \                   /        /
             \               /         /
                \_               /        /
   \_             \___        _/        /
     \_               `ー- 、/          /
       \_                /          /
         \              ヽ    /    |
           `ヽ              \_ /       /
             \                 ヽ_      /
              `v-、            /    /
              〈  〉__          /ヽ  /
               ̄〈   `ヽ       |   ,イ
                 `ー--く      ゝ一' ノ
                  (   ヽ---――ー'´
                   ヽ-'

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         握りしめた手が、「お前は間違ってない」と告げてくれているから。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




427◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:55:28 ID:iUO1SxSc0


                ̄    、
            ´          \
     /                ヽ
      /           、_  ヽ
    '               ` 、ヽ
    l              ,‐-,.._ ゞ
.   l              l 弋心 l
.    l              冫.ー く
   l               l    ノ!
   l               `ー‐ f r'
   l                  ノ'
   !                     /
   ,'                   /
 ̄ `ー -               /
        `  、        /
:.:.:.:.:.:...        、      /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..      .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:..   ..:.:.:.:.:.:ヽ
    ` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
       、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
       ..:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ..:.:.:.:.:.:.:.`:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ――となりで、胸を張って前を見据えてくれている人が居るから。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




428◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:56:01 ID:iUO1SxSc0


             '{{≦:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ハ
            イ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::∧
      , =彡=イ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : : :: :: :∧
         r/:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: \:: :: :: : :: :: :: :: ::::∧
        ∥: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::\ :: : :: :: :: : :: :: :: }
      /ノ:: :: :: :: :: :: :il:: :: :: :人:: :: ノ:: :: :: ::へ :: :: :: :: :: :: :: ::|           柴崎さんも柴崎さんです!
        l:: :\:: :: :l:: :: ;lハ_:: :: :: :ハ:: :: :: :: ::l::ト:ト:: :: :: :: :: :: ::ハ
        `:::へ:: :: l:: :: l-‐l:::l=--:: :: ハ :: :: ::l::l:l ヽ,:: :: :: :: :: : :: ハ
           l:::: Ⅵ::::人:: :l リ  \:: ::l リ:: :Ⅳ: ::|- }:: :: :: :: Ⅳ:: :: ハ.         天国に行ったご主人は、
        ヽ,::ヽ::ハ::l:ヽ::l ,,≧==ヾ i:::!ノ::l:: :::Ⅴrリ:: :: : : ∧ :: : :: ::∧=-
         l ゝ::ハト:l::ヽl 弋5乂 .l:;i ノ l:: : : :l  l:: :: : :∧ :: :: :: ::∧.          あなたのことを待っているんじゃないですか?
           丿 ヽハ:|  Y`  l'   .l::!   l:: : :: ノ  l:: :: :: ∧:: :\: :: :: :\
               ノ   |i    l:!  l : ::ノ  リ:: :: :: : ∧:: ::\::∧ ミ-       天国でも一緒にいたいって、
               ` ‐ 、'! __  リ   ': : ノ  ノハVノハ::ソヽハヽノ::ハソ--
                     ` .-_ '   ノ:ノ \ /:: :: :: ::/: :: :: :: :: ::: :: \      そう思ってるんじゃないですか?
                     ヽ_ -     /:: :: :: ::// :: :: : :: :: :: :: :: :\
                           |:: :: :: / ./:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::\
                            へ:: /:: /:::: :: :: :: :: :: :: ○:: : :: :: :: \
                               //:::/:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::\
                                 l:: ::《==========__:: :: :: :: __======》
                               ヽ  l/ヽ ::ヽ: :: :: :: :: :: :: ≪≡≫ :: :: :: ::/
                            へ、 /  l:: :: ::ヽ:: l: :: :: :: :: :: :: :: :: : : :: /l
                               \l  l:: :: :: ::ヽl: :: :: :: : :: :: :: : ::: /::l



           丿 ヽハ:|  Y`  l'   .l::!   l:: : :: ノ  l:: :: :: ∧:: :\: :: :: :\
               ノ   |i    l:!  l : ::ノ  リ:: :: :: : ∧:: ::\::∧ ミ-      ご主人のためにも、
               ` ‐ 、'! __  リ   ': : ノ  ノハVノハ::ソヽハヽノ::ハソ--
                     ` .-_ '   ノ:ノ \ /:: :: :: ::/: :: :: :: :: ::: :: \.        天国を目指そうとは思わないんですか……!!
                     ヽ_ -     /:: :: :: ::// :: :: : :: :: :: :: :: :\
                           |:: :: :: / ./:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::\
                            へ:: /:: /:::: :: :: :: :: :: :: ○:: : :: :: :: \
                               //:::/:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::\
                                 l:: ::《==========__:: :: :: :: __======》
                               ヽ  l/ヽ ::ヽ: :: :: :: :: :: :: ≪≡≫ :: :: :: ::/
                            へ、 /  l:: :: ::ヽ:: l: :: :: :: :: :: :: :: :: : : :: /l
                               \l  l:: :: :: ::ヽl: :: :: :: : :: :: :: : ::: /::l




429◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:56:24 ID:iUO1SxSc0



           //            ヽ\
          //               ヽヽ   て
          //     /、、_、_,,__, -l     i l   (
          l/     i   __   l     l l
          l    ハ .lー- ---  l .ハ    リ
          l    l ヽl ̄`ー ¨¨¨l / l    l
          l l   lニ二ヽ 、, /'二ニl. l , .l
          .ll.l   l`ー ゚ `   _ '´゚ - 'i / /l l      それは……
          l 〉 i .l l  ̄´     ¨` ´lイ ./〈/
         /`l ヘヽヽ  /、 ,\ u.〃l イ'/l¨ヽ、
      , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、
    , '     l  ヽヾ、l. -――.-. l./ィ'/  l     丶、
  , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
/          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         初めてはっとしたように、柴崎お魎が顔を上げた。

         涙で潤んだ綺麗な瞳だ。

         老婆ではなく、まるで十代の少女のように、汚れを忘れた眼をしていた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


      , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、
    , '     l  ヽヾ、l. -――.-. l./ィ'/  l     丶、     しかし……それでも、あたしは……
  , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
/          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \




430◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:56:40 ID:iUO1SxSc0





── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         そのときであった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

















                                \_人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__/
        |:/|:ト\八    丶   _,  ∧: :i|.      ≫                                ≪
        |' ヾ\\≧   _ --  ′ / :∧リ       ≪  その可愛らしい裁判員さんの言う通りだ!   ≫
         |∧: ¨:\   -  ¨   ./ |/         ≫                                ≪
             \: :|:.>       ./ .|ー、.       /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y\
               Ⅵ ̄ }   ̄    .八 |
                /   |ノ      / i|八
               /  /           i| ∧_____
      ___./   〈.、           j / ∧       \
   /    /_二ニ、∧:\_____// ./ ∧        .∧
  /        ̄     \∧:::::::::::::::::::::::/ / \ ∧        / ∧
. /                ノ_ヽ:::::::::::::/__|     \|     / / |


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         傍聴席から声が上がった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




431◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:57:34 ID:iUO1SxSc0



                       ,...-― 、
                 _ _   (:.:(´ ̄`ヽ_
                  `ヽ:.\ }、:.ヽ´ヽ´ー-ヽ-r―、_
                   /:. ̄:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ̄:.:.:.`ヽ
            ィ≦二二二二:._:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::`ヽ\ ./
          ,.ィ:._イ:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:ヽ:.:.:.:.:.:.:‘、∨ /
            // /:.:.:.:./:.:.:.:.:.,:イ.:.:.,.:.'.:.:.:.:.:/:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.::\:.∨
.          /'  .!:.:/:.:.::.:./.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:/,:.:.:`ヽ:.:\:.:.:.:.:‘..:.:.:.:.:.:.{
            /´:.:.:.:.:/:.:.:.:.::/:.:.:.:.:.:.:.:./'.:.:.:.:.:.:/‘:、:.:ヽ:.:.:.:.∨:.:.:..:L_
           イ:.:/.:/:/:.:./:.':.:.:.:.:/:/:/:.:.:.:.:.:.,/:.|:.:.‘.:.:.‘.:.:.:.:∨.:.:.:「`ヽ
           |:/:.:.::i'´.:.:.:.:.!:/:.:.:.,イ:./:.:!:.:.:.:.:.:.:!i:.:.{:.:.:.:.∨:.:!:.:.:.:∨:.:.|   \
           !:.:.:.:/|:.:.:.:.:.:.}:|:.::./ }/|:.∧:.:.:.:.:..:!|,:..iヽ:_∨|:.:.:.:.:}!:.:.:|、 _ ノ
            |:.:.:/:.{:.:.:.:.:.:.i∧/` '-.!.{-‘.::.:.:.:`|{ヽ{――}!:.!:.:.:.:.:!、:.:.!
             ∧:.{:.:.:}、:.:.:.:.:|i「芹恣拆ヽ ヽ{\,ィ芹恣拆ァ:.:.:.:.| !:.:.|:.:二ニ=       …………?
         /_∧:!、:.ハ:\:.ハ( ,つー-'っ:/:/'/:/:ヽ‘ーr=_'っ.:.:.:.,イ i:.:.\
.         `ヽ:.:.:.:.:.:ヽハ:‘.\i{/:`i{:/:/:/:/:/l/:/:/:/:/}'´/イ /:,!/.:.:.:「 ヽ _
          ` ーイ/:/i∧i!/:/'i! :/:/:/:/:/:/:/:/:/}!/:イ´:.:.∧}:.::!::‘
              '´:./{:.:.:.:|{、  !      _   /'}!イ.:.:.:∧/}:./:.:..!
        _   |:.:/ ,イ:.:.:.:{`¨\}!  ´ ̄  ` /{イノ:.:.:./:.:/:.|/_:.::.{
       ´/ヽ`ヽ }/ /:.:.\:.:∨:.:.:.|≧o。   イ`!:ヽi:.:/{:./_<'´ ヽ!



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         見ると、二十歳ほどの青年が、凛とした顔で佇立している。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

                      ...............
               ....:‐ァ:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\_
                 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ
              /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‘,
                /::........ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ‘
           .′ :.:.:.:.:.:.:.:.: i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. i
             i:i|:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
             |:i| .: |:ト、:.:.:.:.:.|::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /
             |八 .:|:i{、\ト、|:::::.:.:....:.:.:.:.....::::::..: /       柴崎元治は、妻をまったく恨んでいない。
               狄|:.、\ ::::::::::::::::::::::::::::::::/}/
                 }八 ー\ ::::::::::::::::::::::::;′
                    \  \Ⅳ\从ハ{           それどころか、もう一度一緒にいたいと思っている!
                      `¨゙i     ├ァ
                    . ─┴ ──‐=彡‘.
                ∠ __      .  ´ `  . .       天国でもまた、夫婦になりたいと願っている!!
               /     `¨¨¨¨´          ヽ
             .  ´                    ‘
           /                         i
             /                         ‘,
.            /                       /  ‘,

432◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:58:13 ID:iUO1SxSc0



                  / ̄ ̄\
                /  __,ノ `⌒
                |    ( ●) (●)       …………!?
                .|     (___人__)
                | u.   ` ⌒´ノ.
                |        |
       ,. --、― --ー y:ヽ      丿
      / ::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::..\ __ _ r.〉
     / :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... _ ィ\
    //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ヽ
   ノ ..::::::::::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. 丶
  / ...::::::::::::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. `,
 / ..:::::: -、::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.... `,
 i :::::::::::.. -‐-、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r/ノ::.. `、
 ヽ::::::::::::::::::::.. \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: j::::::::::::::::.. ヽ
  \::::::::::::::::::::::.. 、::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /ヽ:::::::::::::::::::.. ・、
    \:::::::::::::::::::::.. \:::::::::::::::::::::::::::: /   ヽ::::::::::::::::::::::::.. 、



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         青年はきりっとした面持ちで続けた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

.             、       ,|/.: : : : : :/: :/|.: .:|: : : : : : : : :/
             i        /.: .: .://|: /}|: :/ : : : : : : : /
              ヽ--    /_彡イ/ノ,ノイ.:'.:|:/ : : : : : : : /.    裁判官、並びに裁判員の皆々様。
              |           . --イ.: : :ノ′.: .: .: .:/
                     /    |.: : : : : : : : :/.        確かに被告人は大罪を犯した。
.             `ー─┐  ´     |/|: : : //
                   '.      _,,⊥/
                   '.   .  ´      |.             しかしながらその罪は、やむにやまれぬ事情があった。
                 _,,. -‐''"     __|
                /| i┐     ./    ヽ               どうか最大限の情状を酌量した上で、
              / :| |│     ./       ‘,
.         <┌‐┴' \ /          ‘,           温情ある判決をお願いしたい!




433◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:59:02 ID:iUO1SxSc0



           //            ヽ\
          //               ヽヽ
          //     /、、_、_,,__, -l     i l
          l/     i   __   l     l l
          l    ハ .lー- ---  l .ハ    リ
          l    l ヽl ̄`ー ¨¨¨l / l    l
          l l   lニ二ヽ 、, /'二ニl. l , .l
          .ll.l   l`ー ゚ `   _ '´゚ - 'i / /l l       あ――
          l 〉 i .l l  ̄´     ¨` ´lイ ./〈/
         /`l ヘヽヽ  /、 ,\ u.〃l イ'/l¨ヽ、
      , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、
    , '     l  ヽヾ、l. -――.-. l./ィ'/  l     丶、
  , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
/          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         柴崎お魎が、目を見開いて青年を見ていた。

         青年はちらりと彼女に目をやった上で、

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



              . . -‐…・…‐- . .,,_
              __/.:.:.:.:.:.. ´ ̄ ̄ ̄¨:.:. : .
.           /.:.:.:.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.` : .
          ,.:.:.:.:.:.:.:.: //:/.:.:. / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ‘,\
.         / :.:.:.:.:.://:/ .:.:.: / .:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‘.:.:. ヽ
       .′.:.:.: ,.:/ .:/.:.:.:.:.:. /.:.:. / /|:.:.: i:.:.:.:.:.:.:.:} :.:.: ‘,
.      i :.:.:.:.:/イ:.:.: .′.:.:.:. /_ /| .:/ :|:.:.: |:.:.:.:.:.: / .:.:.:.:. ‘,
.      | .:.:.:.:.: 」/|: i:.:.:.:.:.:.// `_|:/  |.: :/.:.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.‘
.      | :.:.:.: /⌒|: | .:.:.:.: i" '"んハ\|.:/.:.:.:.:. イ.:./ :.: i.:.i:. i
.      |.:.:.:. i{ Г|/|:|:.:.:.:.:|  ヾzシ ノイ : ∠__」:/ .: /:|.:.i:. |
.      | :.: i八ゝ  |:ト、:.:. |        ,ノィん,ハ/ .: / /.:,ハ/
.      |:∧|:.:. ^'r‐ヘ| \|        ヾシ /.:.:.,:' /i:/ /
.      |′i|.:.: |.:|        /⌒  、、 '  .厶イ :/ノ'       \_人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__/
.         ノ|:/∧|.        {     }ノ  //'" .|:/          ≫                            ≪
      /⌒゙   ,,_ \    ヽ __/  .     ノ′        ≪  被害者、柴崎元治は心よりお願いする!  ≫
.     〈      ァ㍉                           ≫                            ≪
    r‐┤    /  /  /^ミ辷'"                  /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y\
 -‐ '"   |   /  {  .′   ∧
        l  / 、   \{ヽ i  / |
\     'ー'^   \   / ‘|  ヽ│
  〉           `ー〈^'ー┤ /,ノ
. / i           \ | ./ `  .
/  :|             `'|/      `i 、
. / |              |        | ‘,
/  ‘,                  |      |/  ′
   ′              |      |   ‘,

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         名乗りをあげて、絶叫したのである。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



434◆NdaE78waTE2015/04/05(日) 23:59:29 ID:iUO1SxSc0


             / ̄ ̄\
            /   _,.ノ  ヽ、_
            |    ( ○) (○)      柴崎……
           | U  (___人__)
            .|     ` ⌒´ノ__
            |     _/  ̄\ヽ
               人、   '、/  ̄ ヽ '、
            _,/(:::::ヽ、  __'-r´ ̄ヽ  v
   _, 、 -― ''"::::::::::\ :::::::::::::::j_γ    |
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ    r、
 丿;;;;;;;;;;;:::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゞニニ彡〉,
. i ;;;;;;;;;;;;;;;;::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::( :::::::::::::::::∧^
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                            __
       ,. -‐                 ‐-|::!
    , '",. -─=‐             ヽ   |:jヽ
   /´/ /   /    /    ヽ     ヽ  ||  ',
    /´7   / i     /!  i  :.:`、:.   ヾx||   !
     / イ  ,' !  l  / l  l  _ :.:.:',:.:.ヽ.  l Ⅶヽ.:|
     / / |  l  l  _| 斗!'´!   !ヽ ~::T!ー::l-: l. : :|Ⅳ}:
     |,'  l  ! .:| ト|,ィ==ミ  ! ケ=ォ、ヽ! / : : l-〃    _ .-┐
     i  l l  .:l ヾ {;;゙ー_ソ \|  !.;;゙ン '~ レ    |:/:/{. : ´: : : : : : !     元治……?
       ヽ|  .:|  | ´            ` u |   l/_/: : : : : : : : /
          ト、 :l   l      `        l   |: :!:_:_:_: : : : : : /
          ヽ!  人     -っ       ノ! :. l_:_:_:_:_: : :-─!
           | !  :.>、        ィ j  :i. l .-.-.一: :´ ̄ll
           jハ  :.:.| `ヽ、_,.、-:'´::  l  .:i i`ヽ_ : : : : : : :l
           :.:.:\ :.:.|  / /ハ:::::  ノ .:/リ:::ノ  `''ー::、  _!


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         やらない夫たちは怪訝顔になって、その青年の顔を見た。

         若々しい。ほとんど自分たちと変わらないくらいの若者である。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




437◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:00:01 ID:MtoJjIM60



           //            ヽ\
          //               ヽヽ
          //     /、、_、_,,__, -l     i l
          l/     i   __   l     l l
          l    ハ .lー- ---  l .ハ    リ
          l    l ヽl ̄`ー ¨¨¨l / l    l
          l l   lニ二ヽ 、, /'二ニl. l , .l
          .ll.l   l`ー ゚ `   _ '´゚ - 'i / /l l      ……あなた……?
          l 〉 i .l l  ̄´     ¨` ´lイ ./〈/
         /`l ヘヽヽ  /、 ,\ u.〃l イ'/l¨ヽ、
      , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、
    , '     l  ヽヾ、l. -――.-. l./ィ'/  l     丶、
  , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
/          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         柴崎お魎が、驚愕した面持ちで青年を見つめる。

         傍聴席のその男は、目を細めると、そこで大きくうなずいた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                           -‐…・・・…‐-
                     _,,.  ´..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ,
               ー=ニ/..: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :..\
               /.:.:.:.:.:.:.:.:. /..:.:.:./..:.:.:. /.:.:.:.:.:.:/.:.:.:. \
                 /.:.:.:.:.:.:.:.:. /.:.:.:.:. //.:.:.:./.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.: . l
.                /.:.:.:.:.:./.:.:./.:.:.:.:. //.:.:.:.: /.:.:.:.:./|.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
               /.:.:.:. : / :.:/.:.:.:.:. : /.:.:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.: l:.:|
.              / : /.:/.:.|/ .: |.:| .: |:.:.:.:.:/.:.:.:/ :/.: /.:.:.:.:.: . |:.:|
             {/| :.:/ .: |‐-/L|/| :.: /.:.:.:/ :/.: / : | .:.:.:.: |:.:|
                 l: /.:.:.: |: /_」/ ` | .:/.:./∠|_,/|_.:/.:.:.:.:.:/ /
                 |/|:.:.:.: |/^⌒ヾ ∨イ/___」//|:/.:.:.:.:.:/ /
                 |:.: |\'.""        ´ ̄`ヾノ'.:// /
               \|ヽ'.\   、    ""__彡イ/,.イ/
                     i{:.   r─- . _ `¨ア´/.ノ′
                   八{\ ` ̄‐--‐'" /ア´
           -─-  .,_  _,ノ} \_,,..  ´/´
                 У  ,_,′      ′.,_
                   /  //          {   .|、__
             /    /          ,ハ   ',    `  .
                ´ ̄\ .'          /  }    ',         \
                     '.|、 `ヽ         /    }
                  ___,ノ :| ̄\  ´ ̄ /´ ̄\/         }
               〈    | ̄\二二二∧              /
                  \   |.: .: : : : : : : :/  ',            /
                  \ ',.: .: .: .: : / _,ノ              /
                       '.|: : : : / /              /

439◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:00:49 ID:MtoJjIM60


                  _
             , ’        ’ ,
           /   '.            \
          /   〃               \
         ノ - ,    _,..-‐''.        ヽ
       /  /  `.寸               \
.      /ニ 〃/.   ’---一               ヽ
      '.ニニ〃ミ≡   ’"'' ‐- ,,.._.      三彡|   ,
.      {ニニニミ≡三彡' }ミx"''‐ ,,.._ミ≡三彡  ィ    ,
.     人.ニニミ≡三彡 '\ \ ミ≡≡三彡> 7   i!i!
       \ニニX三彡'\ \ \ 爻ミ γ ./l    i!i:!
        ’,ニニ     \  爻     Y ./li|    i!.i!
         ’,ニニ  ハ   ト 弋.     し |:,'   !i! i!    ……あなた……それは……どうして……
          ’,ニ ヽ ハ  .ト 、     i ’|  .イi! .i
           }川リヽ 爻リ リ    u :::: i i/ !  / i!
          r― ‐ト ,       ,  ;.   :: ii  .! ./. '
        /二二ニ≧ ミ.x   i ./:: ;   /l!  .!/
      - ' ― - , ニニ>.、x /-=::::::_ .イ .i  '
.     二二二二二≧  ,ニ.ヽ、
.    二二二二二二二二≧,.ハ
     二二二二二二二二二\ .,
.     二二二二二二二二二ニヽ,
      二二二二二二二二二二二.,




        /´ ̄`ヽ丶、
     /`ヽ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ヽ
     /:::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:ハ
.    /::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:......:.:.:.:.ハ
.   ノ::::::::::::::::.:{!.:.:.:.:}、:.:.:.:.:.:.:.:ハ
   i!:::;::::::::::::::.:{:.:.:.:.:! ヽ:.ト:.:.:.:.:i:!   _
   |:::j!::::::::::::{!:i!:.:ハ:|/`}.}!.:.:.:.}!  { .{
   {:::!{:::::::::::::E}ミ{! リ./´` j._:.:.:リ /´ ̄ヽ      あの世では、自分の好きな年恰好でいられるようだ。
   i!:ハ::::::::::::{!ヒ}   __ ´ 〉::! Y´  .i!
    ヽ ヽ:ト、:トゝ  {./ .!  !:!j! {' ̄`  }        わしはいま十八歳になっている。
      ヽ `ヽヽ、ヽ._ ノ  Yrゥ ( ̄` /
           i>- ' / ヽ,.ヘ  ト、       ――お前と初めてあった頃の姿だ。
           __.∧ {ヘ  / ri  ',ハ.
          /、 :_:∧ .} ヽ./  i!:|  ∨}
          /ノ} !__ノィ/     .{! :!   .ヽ
         ノ: : { :!:.:.:./: .   .{! :!    .ハ
.       /: : : :.ヽi:.:./ノ: : .   {!: i!     j!
.      {: : !: : : : :ヾ/´: : : : .  `ヾ、  ./
      i!: : {!: : : : : : : : : : : : .`丶、_ハ j!

440◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:01:28 ID:MtoJjIM60


   / , : : : : : : :.i: : :,イ: .:.:. : : : : : :.l:.: : : : l: : i: l
  ./ /: : : : : : : :l: : :i l:.:.:i:.:. : : 、:. : lヽ:.: :l l: : :l :l
  i :/i: : .: : : : : :l:-:廴i_ハ:.:.:.:ハ;斗-+- l:' : : :.リ
  l/ l : .:.:. :ヽ: : :lムl--l、` V:./ ´l:ム--i、/ .:.: : /
.    l .:./:.:.:. \ヘ` ト::イ` V '/ト::イ l7:.:.:.:. :.{          ……あんな事があったから、
    l:.ハ:.:.:\:.ヽヘ ̄´   i  ` ̄ //>.:.:,、l , -‐ ― 、
     ' V:l:.:.トヾー`  、___   イ- ':ハ//    ./      死んだ時そのままの姿なんだろうけど……
      ハ:ト:l ヽ:.\        //l:./ /    ,, ''
          ヽト:.ヽ、    /lヘ' , - '    f
          /´「 .i ` ー '  .i / /    ノ         わしと初めてあった頃を思い出してみい。
         /  i  l     /´  {    l __
        ,/   l/    /    ‘  , .lヽ、 ヽ        あの時の姿になれるから。
      /./  , ヘ ヽ  _ .. -'-、__  -- '  .i  `、\
 , - ''  / /  / ./   _ /  /   l   ヽ  i  〉
/      ' ´    /  /´   ,ィ   /ヘ.   ヽ l ./


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         言われ、柴崎お魎は目を閉じ、その時の事を思い出す。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



                ', マ  i! マ |::::::::::::〃::::::|    、    |/ , i! .i:!
                ', マ .i!. マ    ゝ  、_,   ) ヽ   i ' .i! /i!
               マ :i!  、::: 〃:::::::` 一 ´   Y  i/ ,.イ/ .!   初めて会った時……
                 マi!  \::{{:::, ― ---- ‐- }}/.   '
                     ヽ  ハ > :::::::::::::¨¨    '  /ヽ          あれは、夏の日……
              / \\|::::>、::::::::     イ.  '  ヘ
             /i:二二\\:::::::::: ̄  ̄  /.  '/ .:ヘヘ
              /二i二二二 \\:::::::    /  /./二:,\
.          /二二i二二二二ニヽヽ:::::::    , ., '二二ニi二 ヽ
          /i二二二ト、二二二二二ヽヽ::::   , ' ,:'二二二ニ!二二ヽ
.       /二i二二二iニヽ二二二二二ヽヽ  , ' , ' 二二二二i!二二ニヽ
    /二二i二二二i二ニヽ二二二二二ヽy , ' 二二二二./i二二二ニi:\
.  /二二二i二二二i二二: ヽ二二二二ニ ’, ' 二二二二/ニi二二二ニi二ニ: 、
. /二二二二i二二二i二二二 ヽ二二二二/二二二二:/二ニi二二二ニi:二二ニヽ

441◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:02:06 ID:MtoJjIM60


               :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
               :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::      あたしが住んでた場所に、
                 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                     :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::             あなたがやって来て……
              :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
             ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.          :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
         ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.       ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.  :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         すると、身体がみるみるうちに霧のようなものに包まれ――

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




442◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:02:24 ID:MtoJjIM60



  /: : :/: :/:   .|   :.|  :|  |:  : : |:  |:  | : :\  :|      ハ:ヽ ヽ   |
 ./: : :イ: :/:   .|  : :| : ハ  |:   : :.|:  ハ:../-----ヽ: |       ハ:ヽ |  |
. /: :/ /: :/:    .|  : :ハ :ハ .|   : |: ィ |: /_..-___...__| |    ヽ  ハ: :ハ |.  |
./: / .|: : :|: :    .|  : ハ :|: _ヽ_|   :|: ./:/:ィ .zZZ(_ヾト    ハ:  |:|: リ.  |
/: / .|: : :.|: :    | : :|: レ|"___ゝ、  :.| /: / / ||:|: : :ヽ|/|   / .|:  |:| :.  |
|:./ .|: : :.|: :  |  .| : :|ハ ヒ_.===ヽ : / /   ||:|: : :j: | |   /  |: .|ノ:   |
|:|  |: : :|: :  ハ  ヽ :.|: : Xイ:f__入.       ヾ===:ノ/  :/   |: /: :   |
|:|  |: : :ハ: : /: : ヽ :ヽヽイハX: ::ヽハ       " ̄ ̄./  /:   |: /: :   |      あたしは……あっという間に恋に落ちた。
||  .| : :ハ: : ハ: : : \:ハ:ヾ ヾヽ: j :|,          / : /: :   ハ/: : :  |
.|   | : | |: : ハ:\:  \ハ : : : :_ヾ/   ,       / :/|: : :   ソ: : : :  |
   ヽ:| .ヽ: ハ: : ト: : \:ヽ: "       --,  /  :|: : :  /: : : :  |
    ヽ|  .ヽ:| .ヽ :| : \: \ハ:      く   ノ      :|: : :  /: : : | : . |
     |   ヽ| ヽヽ: : : :゛ーハ              /|: :  /:|: : :|: :  |
        \ .\: : : : : :|  ヽ           ./: : |:リ: /-|: : :|: :  |
            ト : : : : |     ゛ - .._   .. ": : : : :|ハ: |: :ヽ: : |: :. |
            .| : : :||         ゛コ": : : : :_.-":| :| /  :ヽ: :|: : |
             .| : :|:|         r": :ヽ-: "    : :|/. : _..>:|: : |
             .ヽ :.| |        ノ : イX: : :    : : .-"_.-" \_:. |
              ヽ:| |     _... -"/ /: ヽ |  :  . " / ./     ー-
              ヽ||    "   |/:   ヽ  : :  / /

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         霧が晴れた時、そこにはシュテルややらない夫とそう変わらない年齢の少女が立っていた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




443◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:02:42 ID:MtoJjIM60


             / ̄ ̄\
            /   _,.ノ  ヽ、_
            |    ( ●) (●)        ……おお。変わってる。
           | U  (___人__)
            .|     ` ⌒´ノ__
            |     _/  ̄\ヽ
               人、   '、/  ̄ ヽ '、
            _,/(:::::ヽ、  __'-r´ ̄ヽ  v
   _, 、 -― ''"::::::::::\ :::::::::::::::j_γ    |
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   /           /-1    /--ゝ'-1   ヽ    1  ヽ、 ヽ
.  /       l    1  l    1    l   .ハ    l    l ヽ ',
  !      l    |  !    !    1 __./ ',    !    l  ヽ,l
 1      1   | _{ -- 、 !    r1´ ./ ̄`1  1    1   !
 i         !    f '´ ヽ  1    |,M-- 、 1  j l    !   |
 |       ヽ /| >三ミ、 !    イ/!ひ`ヽ)| 〃 ト、  l
 | |     /ト、. /´ひ ! 1      イJ l| イ l! /   1 ', .l
ヽ|  |    \. Vヽ/んり l 1 ヽ、   弋じり 〃/ ./ 1 l !     ……本当じゃ、手が、若いころの手じゃ……
 1 ハ     \トN弋ヽ- り   ヽ 、  ̄´ /, イ   ,'  l 1
 |ト',    、  ヽヽ `ー '         `丁 イ   ./  リ.       じゃあ、あなたは……
.  N ',  、  丶 _`ヽ__,   r=7   / / |  /
  !  ', .ト、    ヽ1丶、    `¨´  /  / 1 /
  |   ヽ l \   ヽ  ` -,--- ' ! | '  //
  |     ヽ、 /丶、. '、    ! ヽヽ`ーN| l ノ'
  !      V{   \ 1 丶、 レ'ニヽヽ ヽ\
  ノ    r‐ハ\   ヽ /r 水{ { |.ヽ}   } i.ヽ




445◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:03:37 ID:MtoJjIM60


                     /:::::::/::::::::::::::/:::::/::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::ハ::ヘ
             /⌒ヽ   ,':::::::/::::::::::::::/::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::|::::|::::::::::::ハ::::',
          |   .}   !::::,イ::::::::::::::/:/::::/:::::::::::::::::::::::::::::::,'::::|::::::::::::::::!::::|
         ノ    ,'   |:::/.|::::::::/::::l、l:::/|/|::::::::::::::::::l::l::::/::::::|:::::::::::::::::|::::|
        / , -‐く   |/ |:::::::{::::::l/lヘ  |::::::::::::::://::/ |:::::,'::::::::::::::::::|:::|
      , -‐ '´     \    l::::::ハ:::::| ‐-、\!:::::::::::/__!/_l_:/_::::::::::::::::::|/
       /     _    \  ヽ::|::lヽ:|   ` Ⅵ:::/´ ィぅZマく|:::::::::::::::/::,'
    /  -ニ_´__`ヽ,    }   ヽN`:ト!      !∨   `ヾン '|/::::::::::/::/     うむ。正真正銘、わしは柴崎元治だ。
    i          ̄ヽ、./     |:::|     ノ       /::::::::::/;|/
   ノ   、___   `〈 ̄`ヽ  Vト、  、_`  __,  ∠...イ:::// ′       天国からお前の裁判を傍聴しに来た!
   !        `ヽ、 / ヽ  ヽ ̄ ̄ ̄イ、:.:.: ̄:.:.:.}  /-'l;イ:/
   ,'   ____    Y  ヘ    \  /| ` ー‐_'.. ィ´:::::/l/
.  /        `ヽ、_.ノ     ヘ    ヽ'  |` ー‐ ´  /イ:/
./     ___ノ=‐-     ヘ     ヽ !     /`ー--,、
       ,イ /            ヘ    ヘ ヽ、  ./    / |





 /  :::::/|     :::|   ::::|   ヽ   :::| \::      ::::       ::::  ::::::::
 |  ::::/ |     :::::|   :::|、   、 :::::|  \::  :   ::::       :::::: :::::::
 | :::/ |     ::::::、  ::::ハ    | ::::|_....-- \  ::   ::::::      ::::l:::: ::::::
 | :::/ |    :::::::::ヘ  ::::|:ヽ _ __..| ::::/     ヽ :::  ::::::::      ::::::l::::::::::
 | ::/   |     ::::::::l ヽ : :::| ハヽ  |:::/      ヽ ::::   :::::::::      :::::l::::::::::
 | ::|   |   :  :::::::::, ヽ ::::l.::::::::::.. ソ_/    __.=::::|  ::::l:::::     ::::::::l::::::::
 | :|   |   :: ::::::::ハ  ト.:::::l:::::::::>、\  /=つ  |:::|::::/l:::::     :::::::::l::::::::      ………………!!
 ヽ|    ヽ  :: :::::::ハ  :::..:ヽ::/ ̄\  /::::/  o  l:l|::/ |::::     ::::::::::l|:::::::
  ト   ヽ  ::::::::::::l 」_./ヘ:ゝ 」  \ >/し   l/|::/  |:::     :::::::::::l l::::/
      丶  :::::::::::l /   ヽ  ハ  lヽ、     / //    |:::    :::::::::::| l:::/
       \ :::::::::/  ヘ  lヽ  l ヽ |' )      /     |:::   :::::::::::l ソ
        \ ::::/ _へ  l丶 | ヽu_/      '        |:::   ::::::::::/ '
         \ /     >' ヽ._l / /        /^ヽ     |:::  ::::::::::/
           y      /    __⌒. ..ヽ__ノ、/      |:::  ::::::::::∧___..--
           | ヽ____.....ノヽ__.../ヽ::::::::::::::::::::::| ヽ_       |::: ::::::::∠彳l
           |       /    ヽ::::::::::::::::::::|   ヽ     |:::::::::::::<| | |
           |      |      ヽ:::::::::::::::::|     \__/|:::::::::/ ̄| |.:::|
          |      |       ヽ::::::::::::|         |:::::::/  .:::l |::::l-

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         傍聴席と被告人席で、涙ながらに会話を交わす二人の男女。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




447◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:04:00 ID:MtoJjIM60



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         突然の展開に、誰もがあっけに取られていたが、

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


:::::::::::::|:::| l  \:::\:::::::::::::::::::::::::\::::\     て
:::::::::::::|:::| |   \:::ヽ 、:::::::::::::::::::::::\::::\    (
::::::::::::ハ::| |     \:ヽ.\:::::::::::::::::::::::∨::::ヽー‐'
:::::::::::ハ:|. ! し    ∨l 」.斗:::::::::::::::::|:::::::::::',
::::::::::l !:l   !     \匕´└.==‐―┬┘:::::::::::i
::---|-ヽ|--┤|.       γ  ヽ |::::::|:::::::::|
::::::::!:!  !  !         弋  丿  !:::::::|:::::::::|    ひ、被告人!
∨::トレ' ⌒ヽ.         `¨´   l:::::::レ‐''´
:ヽ_」|    !              ∨:∧
::∧ ヽ、_.ノ              し∨:∧
;;;;;∧                     }::::∧ ハッ!
:::::∧                   ノ:::::::∧

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         真っ先に我に返ったのは澪だった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐」





448◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:04:30 ID:MtoJjIM60



            c    __
.          C   , '´::::::::::::`丶
           /^§::::/:::::〃ハl、::ヽ\
.          /::/:::!:::::|:::::/ィ´ !トヽ::|::::..
          |::::!::::|::::::L/     lj::::::i
          i:::j::::!|::::::| ○   ○ ! ! ::|     被告人!傍聴席の……被害者も!私語は厳禁だ。静粛に!
          |::|V‐|:\!      レ|r┘
          |::| ` |::::::|   △   ノ|
          |::|  ハ::::ト,,,,,,, ,,,,,イl:::|
          |::| { i:::|,,,,,,,,,`y',,,;;}.!:::!
          |::| i j:::i   /`,"/ヽ::i!





                     . . -‐…‐-
          __     ..: ´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ` : .
         / : :`¨´ .:.:.:.:.:.:.:⌒\ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \
       ,.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
.      /.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.}i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.‘, :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ヽ
     / .:.: .′ .:.: i:.:}i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.: ‘,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
      .′: : i:.:.:.:.:.:.:|:.:}i.:.:i| .:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:. ‘ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. i
.     i:i| :.:. |.: :i:|:|: |:.:}i.:.:i|:.:.:i:.:.:.:|:.:.:\:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
.     |:i| :.:. |.: :i:|:|/|:,ハ.:i|:.:.:|:.:.:.:|: | .:.:|\|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
.     |八:.:. |: :从|ノ´__」八.: |:.:.:/: :!∧|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /
.        \ト、:.:. | ^爿 》 Ⅵ.:/i:.:.:|´(i|ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/      ……っと、そうじゃな、悪い。
          \| 以   .i:l/ :|: /〉⌒}} :.:.:.:.: / .:. /:/
         . '      ノイ  |/ >‐',:′.:.:.:./ .:. /:/         でも、もうひとつだけ許してくれ。
           〈           r‐〈:.:.:.:.:.:. i:.:. /i/
            ゙i  __,      .   Ⅵi:.:.:. |:.:/
            `'く      /   :}八:.:. Ⅳ           ――そこの可愛らしい裁判員さん!
                }    _   │     \|ー=、
                `ー ´  ‘,   |        ´  \
                 _,,.  ´‘,       ´       . く
                /l    _,,.  ´         /   \
            /: |  /⌒\     .  ´     \
              /: :_|  i    ヽ   /          ヽ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         柴崎元治がシュテルに視線を移す。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




449◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:04:56 ID:MtoJjIM60


                  -‐ ───-
               ´: : : : : : : : : : : : : : : `丶     〃/
       ´ ̄ ̄ミY´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \.      ⌒
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
  /⌒ ̄/ ̄: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ : : : : : : : : '
     /: : : : : /: ::/: : : :i: : : : ::|: : : : : : : ::ヽ : : : : : : : :|
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     ,': : : : : : /: : : :|!: : ::八: : : : |\: ! ヽ ヽ: : : : : : : : : ::|
     |: : : :/: /|: : : :ハト、 |-、 : : : :l  ー--- }: : : : : : : : : :!
     |: : :/|: :| |: : : :.〈'  fう ` . : :l -==、`ヽi:: : ::|、: : : : |
     |: :/ :|: :|八: : : :. __ i:::爿 .\| ' i::亢:i /.|: : : | }: : : :i|
    {/   }: i|: ::\: :ゝ-'ヽ=о /// ,とつ   |: : : |ノ: : : :.{
       Ⅵハ: : : \|     ′        |: : : |: : : : :八
          从i: : : : 小      ___      イ: ::/: : : : ::|
          \: : :||: 个           イ::|: /|: : : /}/
           \八ノ|: : :≧.、 _._  ≦´__ |/-|从/ .!
              \:{V}ハ} ::::::::::::::::::::::::::::: | ! } ___
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   / , : : : : : : :.i: : :,イ: .:.:. : : : : : :.l:.: : : : l: : i: l
  ./ /: : : : : : : :l: : :i l:.:.:i:.:. : : 、:. : lヽ:.: :l l: : :l :l
  i :/i: : .: : : : : :l:-:廴i_ハ:.:.:.:ハ;斗-+- l:' : : :.リ
  l/ l : .:.:. :ヽ: : :lムl--l、` V:./ ´l:ム--i、/ .:.: : /
.    l .:./:.:.:. \ヘ` ト::イ` V '/ト::イ l7:.:.:.:. :.{          感謝する――
    l:.ハ:.:.:\:.ヽヘ ̄´   i  ` ̄ //>.:.:,、l , -‐ ― 、
     ' V:l:.:.トヾー`  、___   イ- ':ハ//    ./
      ハ:ト:l ヽ:.\        //l:./ /    ,, ''        お嬢さんのお陰で、わしは立ち上がれた。
          ヽト:.ヽ、    /lヘ' , - '    f
          /´「 .i ` ー '  .i / /    ノ
         /  i  l     /´  {    l __
        ,/   l/    /    ‘  , .lヽ、 ヽ
      /./  , ヘ ヽ  _ .. -'-、__  -- '  .i  `、\
 , - ''  / /  / ./   _ /  /   l   ヽ  i  〉
/      ' ´    /  /´   ,ィ   /ヘ.   ヽ l ./

450◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:06:15 ID:MtoJjIM60


         ,. . : :´: : ̄ ̄`X: : : : : : : : : : : : : :': .,
.      /___ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :'.,
.     /⌒   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : |
          /: /.: : : : : : : : : : : :. :. :.|: : ヽ: : |: : : : : |
       ./イ: : :/.丶: : : : |: : : : : : : !: : : :|: :|: : : : : |
      // }: : /: : : ヽ: : :.|\,/.:.:.: リ! l: : |ソ、: : : : : !
      〃 |: : |: : : :∧ : : |/⌒ヽ レ|: : | }: : : : : {
          |: : ハ X_ ヘ/!`r、   i |: : |ノ : : : : 八      …………でもっ、
          Ⅵ ト∨..fヾ、 V  ヾ_, c√|: : |: : : : : : : : ヽ
           ヘ! ∨ヽヾj /////.゜。 ,' : 八: : : : : : |\}.      私、ちゃんと言えなくて、
            ト、゜ハo  、   i.ノ// i∨: : : 八
             }ヘ.ゝ。   tっ.゜ /,.:':::i.',i从/.':.´ ̄:`.ヽ、.  駄目、としか、言えなくて……!
             |: :个`,ー--t_':_:_::::::::/:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
              ._,..∨\i'´/`´/ト-┘l/: :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
.         ,.__- ''´:.:.:.:.:.:.:.:.://: : /、, =、/: : :./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.__ :.:'.,
       l--、ヽ、:.:.:.:.:.:.:〈〈: :./ v=、/: : : /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l|||l:.:.:.:ヽ
       .i:.:.:.:.:\\:.:.:.:.:l//: l: : : :/ : :r'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.__:.:.:.:.ヽ':.:.:.:/ }
.       _r┤:.:.:.:.:.: \ヽ、/l l: :.l: : :/: :./l-─ _ ニ´-─ 、ヽ、_;/,.イ
.     /`ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.` l:. l l: :l: :/:/ : :ヽ ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ-.'゙:./





                      ...............
               ....:‐ァ:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\_
                 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ
              /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‘,
                /::........ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ‘
           .′ :.:.:.:.:.:.:.:.: i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. i
             i:i|:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |       じゃからじゃよ。
             |:i| .: |:ト、:.:.:.:.:.|::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /
             |八 .:|:i{、\ト、|:::::.:.:....:.:.:.:.....::::::..: /
               狄|:.、\ ::::::::::::::::::::::::::::::::/}/           ……わしは、迷ってた。
                 }八 ー\ ::::::::::::::::::::::::;′
                    \  \Ⅳ\从ハ{             嫁がわしと顔を合わせたくないと言うとるのに、
                      `¨゙i     ├ァ
                    . ─┴ ──‐=彡‘.            わしがでしゃばるのは本当に正しい事なのかとか、
                ∠ __      .  ´ `
               /     `¨¨¨¨´          ヽ       愚かな疑問を抱いておった。
             .  ´                    ‘
           /                         i
             /                         ‘,
.            /                       /  ‘,
          .′        /           /     :}
.         /         |/:              /   /
.        /            |: : :        //   イ
.        \            |.: .:`¨¨¨¨¨¨¨¨¨´.:.厶イ   |

451◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:06:32 ID:MtoJjIM60



          γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
            |  けど、お嬢さんが叫んでくれた。.  |
             乂_______________ .ノ


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

             '{{≦:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ハ
            イ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::∧
      , =彡=イ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : : :: :: :∧
         r/:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: \:: :: :: : :: :: :: :: ::::∧
        ∥: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::\ :: : :: :: :: : :: :: :: }
      /ノ:: :: :: :: :: :: :il:: :: :: :人:: :: ノ:: :: :: ::へ :: :: :: :: :: :: :: ::|
        l:: :\:: :: :l:: :: ;lハ_:: :: :: :ハ:: :: :: :: ::l::ト:ト:: :: :: :: :: :: ::ハ
        `:::へ:: :: l:: :: l-‐l:::l=--:: :: ハ :: :: ::l::l:l ヽ,:: :: :: :: :: : :: ハ
           l:::: Ⅵ::::人:: :l リ  \:: ::l リ:: :Ⅳ: ::|- }:: :: :: :: Ⅳ:: :: ハ
        ヽ,::ヽ::ハ::l:ヽ::l ,,≧==ヾ i:::!ノ::l:: :::Ⅴrリ:: :: : : ∧ :: : :: ::∧=-
         l ゝ::ハト:l::ヽl 弋5乂 .l:;i ノ l:: : : :l  l:: :: : :∧ :: :: :: ::∧
           丿 ヽハ:|  Y`  l'   .l::!   l:: : :: ノ  l:: :: :: ∧:: :\: :: :: :\
               ノ   |i    l:!  l : ::ノ  リ:: :: :: : ∧:: ::\::∧ ミ-
               ` ‐ 、'! __  リ   ': : ノ  ノハVノハ::ソヽハヽノ::ハソ--
                     ` .-_ '   ノ:ノ \ /:: :: :: ::/: :: :: :: :: ::: :: \
                     ヽ_ -     /:: :: :: ::// :: :: : :: :: :: :: :: :\
                           |:: :: :: / ./:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::\
                            へ:: /:: /:::: :: :: :: :: :: :: ○:: : :: :: :: \
                               //:::/:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::\
                                 l:: ::《==========__:: :: :: :: __======》
                               ヽ  l/ヽ ::ヽ: :: :: :: :: :: :: ≪≡≫ :: :: :: ::/
                            へ、 /  l:: :: ::ヽ:: l: :: :: :: :: :: :: :: :: : : :: /l
                               \l  l:: :: :: ::ヽl: :: :: :: : :: :: :: : ::: /::l
                             \丿/{-ァ :: ::丿: :: : :: : :: : : :: : :: :: : : l
                           (     l ゝ==-}-'-/: :: :: :: :: :: :: ::/:: :: :::: ::ノ
                       \ , / |   /ヽ::/:: :: :: :: :: :: :: ::/:: :: :: :: :: l
                            ̄   \ 丿::/:: :: :: :: :: :: :: ::/:: : :: :: :: :: |

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─


                 γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
                   |  「おかしい」と。「駄目だ」と。何度も、何度もな。  |
                    乂_____________________ .ノ





452◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:06:57 ID:MtoJjIM60



      .....-‐…‐-
.   _/:.:.____:.:.:.:.:.:.: `. : . .
 /.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ` : .
,.:. /⌒´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.` .:.:.:.:.\
: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ー─:.:.:.:.\
/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.〈⌒ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゚。 .:.:. ゚。
: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. i :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.゚。 .:.:. ゚.      失礼な物言いだが――
: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:.:.:.:.:.: i:.:ヽ:.:.:.:.:.:.\}: : iヽ}
:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:| :.:.:.:.:.:.:.:.:.: | :.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
:.:.:.:.:.:.:.:.:ト、:. :.| .:.:.:.:.:.:.:.:. ;ハ :.:|:.:.:| :.:.: iト、:.:|.         子供のお嬢さんですら、「駄目だ」とわかることなんじゃ。
:i| :.:.:.:.:_」__\|.゚。:.:.:.:.:.:.:/斗 ∧:丁: : :リ. Ⅵ
八:.:.:.:.:. | 、_____,,゚。 :.:. / .」厶」/i:.:.:.厶イ            なら、それは絶対に駄目な事なんじゃろう。間違ってる事なんじゃろう。
  \ :.: i ^¨¨´ \/  ゙¨¨¨^ |: ; ′   .
   \乂_             ノ'":|     `   .
 .   ´ `T⌒    i:     / : :|            .. _
´      .|: :`ト。 ー 一  .イ .′.:.:|               \
     . : |: : :.  ` -- ´  ./ : : : :| . . . . . .       /⌒ヽ
   . : : : |: : :‘\     _,,/.: .: : : :| : : : : : : : .    /     ,
   : : : : |: : : :‘,     /.: .: .: .: .:| : : : : : : : : :   /     ‘,
   : : : : |: /\:‘,   / :/⌒\: :|. : : : : : : : : :   /         ‘,
   : : : : |/: : : :ヽ}ヽ_厶イ.: :/ : :∨.: .: .: : : : : : : . .′ . :     ‘,
 : . : : : : : : : :. :. :.V///: : |: /.: .: : : : : : : : : : : : . ..:i. : : : :       ‘,
 : : : : : : : :. :. :. :. :.V/i.: : :|/ : : : : : : : : : 、: : : : : : :|: : : : :       ‘,
 : : : : : : : : : :. :. :. :.∨: :/: : : : : : : : : : : :\:. .:. : :|: : : : : : .     ‘,
 : : : : : : : :. :. :. :. :. :.i/.: .: .: .: : : : : : : : : : : .\:.:.:.|: : : : : : : .       ‘,
 : : : :\: : : :. :. :. :. :.| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .\|: : : : : : : : : .     〉

453◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:07:35 ID:MtoJjIM60



                               x.≦: : : : :>.、
                                /: : : : /: : : : :|: :ヽ
                            /: : : : : /: : : : : : :|: : : :\
                              /: : : :/ /: : :/ : : : 八 : : : ∧
                          〃: : : {: :{: : /: : : :/: :/: : : : : |
                          |{/: :r‐l: :|∠l|: : :/: :/: : : : | : |
                          Ⅵ: :ヽ.l:.弋刈: :/:/}/ : l: :|: :八
                             /Ⅴ:.| |/  .|/ r弐 ': /:./:/
                             _ニ=〈  \.、.     ,  ¨./:./: / :{
                      x≦.    ‘,  \ ¨`_ ..イ: /|:/ヽ:.|
                   /  ヽ    ∨  /l/¨\//l/ /   ヾ
                  /     }i      \/ lト、 / .l
                /        j         .,.イ  ∨ヽ|\         子供が勇気を出して叫んでくれているのに、
                {\      /       X_ _ }/   ‘,
             /   \   ,.イ          |::::::::::/             大人のわしが迷ってどうする。立たんでどうする。
             /    /}/ |        |:::::::::,    /  ',
            /    /ヾ/   l           /:::::::::|    /   }
         ./    /       |        /:::::::::: l  ./  /.     お嬢さんのお陰で、迷いを振り切れた。
        ./    /        |       ./::::::::::::::|  /  ∧
.       /    ,‘             j_     ./::::::::::::::::l /\_ _|
    /   イ            .x≦ ̄     /:::::::::::::::::::|,〈 /         心より、感謝する。
   /    /           /       ./::::::::::::::::::::::l |/
  ./    {         /          ./::::::::::::::::::::::: | l、
 /    ‘,      ./         ./:::::::::::::::::::::::::::l .l |
./   _   }     /         ./:::::::::::::::::::::::::::::::::| | |
{/ / / | ./     ヾ         /、::::::::::::::::::::::::::::::::::: l ∧l
| / /  .| /       \     ////≧x::::::::::::::::::::::::::八' ∧
K 〈   ゞ          .j\   .////////≧x:::::::::::::::::::::::〉′〉
 ゝ‘           .//∧ /////////////////¨.//  ./
                ////∧{/////////////////.∧ |/
             ///////////////./l//////////
               ///////////////  .|/////////
           //////////////    八///////
             /////////// /     /////////

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         口では「可愛らしい」と、「お嬢さん」と言いながらも、

         向ける瞳は一人の人間に対しての、真摯な眼差しであった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




454◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:08:12 ID:MtoJjIM60


                __
              /     ヽ
             /     __,.ノ 、
              |      ( ⌒)(        ……良かったな。
               |      (__ノ`,
                |         ン′
              _ノ   `、     7
          ,イ:. ヽ、<ヽ,、___ ノ
    ,. -ーー -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
  /..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: く'、
. { :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. 、_
  '| ::::::::::::::::::::::..`、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..`ヽ





                  -‐ ───-
               ´: : : : : : : : : : : : : : : `丶
       ´ ̄ ̄ミY´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
  /⌒ ̄/ ̄: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ : : : : : : : : '
     /: : : : : /: ::/: : : :i: : : : ::|: : : : : : : ::ヽ : : : : : : : :|
      / : : : : : : : : : !: : : :i|: : : : ::|: : : i : : : : : : : : : : : : : :|
     ,': : : : : : /: : : :|!: : ::八: : : : |\: ! ヽ ヽ: : : : : : : : : ::|
     |: : : :/: /|: : : :ハト、 |-、 : : : :l  ー--- }: : : : : : : : : :!
     |: : :/|: :| |: : : :.〈'  fう ` . : :l -==、`ヽi:: : ::|、: : : : |
     |: :/ :|: :|八: : : :. __ i:::爿 .\| ' i::亢:i /.|: : : | }: : : :i|
    {/   }: i|: ::\: :ゝ-'ヽ=о /// ,とつ   |: : : |ノ: : : :.{        …………っ。
       Ⅵハ: : : \|     ′        |: : : |: : : : :八
          从i: : : : 小      ___      イ: ::/: : : : ::|
          \: : :||: 个           イ::|: /|: : : /}/
           \八ノ|: : :≧.、 _._  ≦´__ |/-|从/ .!
              \:{V}ハ} ::::::::::::::::::::::::::::: | ! } ___
       /::::::::::::::::\__ノ:::┌──┐::::::::::ト、__/:::::::::::::ヽ
         {:::::::::::::::::::::::::::::|.|:::::::└──┘::::::::::|.|:::::::::::::::::::::::::::}



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                  i :.∧ !    _    ゚Уノ从.:.:人
                ム、: :、   `  '   'i://',ミ∨  `
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         /.:::::::\|:::{「::::::∨::::::/.:://-‐.::::::::::::::::|
          〈__彡 ⌒|:::::.f´ヽ:__::ニ=-.::r=======ミ、.:::|

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         やらない夫の言葉に、シュテルは頷きながら嬉しそうに泣きじゃくる。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




455◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:08:27 ID:MtoJjIM60




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   \_             \___        _/        /
     \_               `ー- 、/          /
       \_                /          /
         \              ヽ    /    |
           `ヽ              \_ /       /
             \                 ヽ_      /
              `v-、            /    /
              〈  〉__          /ヽ  /
               ̄〈   `ヽ       |   ,イ
                 `ー--く      ゝ一' ノ
                  (   ヽ---――ー'´
                   ヽ-'


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         想いを示すように、繋がれた手がさらに強く握りしめられた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




456◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:08:49 ID:MtoJjIM60


            c    __
.          C   , '´::::::::::::`丶
           /^§::::/:::::〃ハl、::ヽ\
.          /::/:::!:::::|:::::/ィ´ !トヽ::|::::..
          |::::!::::|::::::L/     lj::::::i
          i:::j::::!|::::::| ○   ○ ! ! ::|     傍聴席の被害者!静粛に!静粛に!
          |::|V‐|:\!      レ|r┘
          |::| ` |::::::|   △   ノ|
          |::|  ハ::::ト,,,,,,, ,,,,,イl:::|
          |::| { i:::|,,,,,,,,,`y',,,;;}.!:::!
          |::| i j:::i   /`,"/ヽ::i!


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         澪の注意を受けて、柴崎元治は頭をかいて着席し、柴崎お魎もまた被告席に戻った。

         しかし、その顔は共に晴れやかなものだった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


   ./    ィ        √~-~|:   ハ: : :  |: : :  : :   i: : : : : :    .i
   ./   /.i    : i   |: : : :  :|:  .ハ: : : .ハ: : |:  : : :  : |: : : : : :   .|
   /  ./ .i    i l: i   |: : :   .|:  ./: .i: : :ハ: :|: :  : :i: :  .|: : : : : : :  .|
   i  /. .i    | |: :|  .|: :    |: ./_,,...+----l: |: :  : : |: : : : |: : : : : : : :  |
   .i / .|    i : : ハ_ |:     l: .r~  .|:/:  .i:.|: : .i: : :ト: : : |: : : : : : : : : .|
   .i/   i  :  i -Tヽ l ^    |:./:   リ:   .リ: : i: : : :ト:. : :|: : : : : : : : : |
  . i   |  .: :  .i: : :|: ヽ .l      l/:  : :_:.ニニ____ル: : :/: : : :|:.i: :.|: : : : : : : : . |
   .i .   i  .: : :  ト: :.l: ,,ゝ_: 、    彡=----とつ:./.:.: : : |:.イ: |: : : : : : : : |
      .i  : : : :  ト:とつr==ミ,,      "      ./: :/: : : : : |/: i:|: : : : : : : : |
      i .: : ハ:  ト:i: ""            /: :/: : : : : :j: : : : : : : : : : :  |
       i : :|: :\ \:.     ,       /: イ: : : : : : i: : : : : : : : : : :  .|
       .i : l|: : : :\ \.    __  -  フ //:|: : : : : :/: : : : : : : : : : :  .i
       .ハ :ハ: : : : : : :トx.   ヽ     / : :.|: : : /: :イ: : : : : : : : : : :  |
       .ハ ハ: : : : : : :.| .\.       ./: : |: : :イ: /|: : : : : : : : : : :  |
        ハ ハ: : : : : :.|.      .__..ィ; ; ;.ィ-.y: : イ:./ |: : : : : : : : : : :   |
         ヾ リl: : : :.i     /~iiik-iii   .|: : ハ/. |: : : : : : : : : : :  .|
            i : : :.|     i | iii | iiii   |: :イリヽ,|: : : : : : : : : : :  .|

457◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:09:05 ID:MtoJjIM60



            c    __
.          C   , '´::::::::::::`丶
           /^§::::/:::::〃ハl、::ヽ\
.          /::/:::!:::::|:::::/ィ´ !トヽ::|::::..
          |::::!::::|::::::L/     lj::::::i
          i:::j::::!|::::::| ≡   ≡ ! ! ::|     やれやれ…………
          |::|V‐|:\!      レ|r┘
          |::| ` |::::::|u.  △   ノ|
          |::|  ハ::::ト,,,,,,, ,,,,,イl:::|
          |::| { i:::|,,,,,,,,,`y',,,;;}.!:::!
          |::| i j:::i   /`,"/ヽ::i!

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         澪はため息をつき――

         ちらりとシュテルを見る。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


            /:::::::::::::::::;′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶.:.:.:.:.:\:\
          '::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|/ .:.:.:.:.:. ト、:.:.:\:.:.:.:.:.';:. !
        i:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|.:.:. :.:.:.:|.:| l\´:.\ :.:|:.:|
        |:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|:.:.l :.:.:,'|.:| i  ヽ_斗j:」.::|
        |:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|:.:.|.:.:/ |.:| i  ィiハノ|::.:.:|
        |:::::::::::::::::::::| :.::.::.:.:.:.:|:.:」斗=ミ|    ヒソ ト :::|
        |:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:レィ'_)i::ハ       ´ { Ⅵ
        |:::::::::::::::::::∧ :::::.:.:.:.:| 代辷ソ     、 '' }
        |::::∧:::::::::{.(丁 ::\}  ,, ´        /
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        |::::l  |:::::::::::::::::::::::.:.:.ト          /|
        |::::|  |::::::::::::::::::::::::..:.:∨_` ーr:::-イ:: !
        |::::|ヽ |:::::::::::::::人::::::.:.:.∨  \∧、 ::!:::.|
        |::::| '.| :::::::::::/ ヽ ::::::.:.:\  T^ヘ:::::八
        ヽ i  | :::::::::;′  '、:.:.:::.:.:.:\_」\_∨::.:'、
          }:|  |:::::::::::     \ :.:.:.:.:.:ヽ{  ヽ\:.:ヽ
            j {  |::::::::::i       ̄`\:.:.\ ト、_}\〉
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            |::l  |::::::::::|      /⌒ヽ |:.:.| |__厂o 〉

458◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:09:27 ID:MtoJjIM60



                  -‐ ───-
               ´: : : : : : : : : : : : : : : `丶
       ´ ̄ ̄ミY´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
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      / : : : : : : : : : !: : : :i|: : : : ::|: : : i : : : : : : : : : : : : : :|
     ,': : : : : : /: : : :|!: : ::八: : : : |\: ! ヽ ヽ: : : : : : : : : ::|
     |: : : :/: /|: : : :ハト、 |-、 : : : :l  ー--- }: : : : : : : : : :!
     |: : :/|: :| |: : : : ハ ヽ  ヽ:.: :l  ,__.   i:: : ::|、: : : : |
     |: :/ :|: :|八: : : : :!   _、 \|. ヾ==とつ.:.: | }: : : :i|
    {/  :}: i|: ::\:とつ='".           |: : : |ノ: : : : {
       Ⅵハ: : : \|               |: : : |: : : : :八
          从i: : : : 小    `          .イ: ::/: : : : ::|
          \: : :||: 个.. ‐======っ イ::|: /|: : : /}/
           \八ノ|: : :≧.、 _._  ≦´__ |/-|从/ .!
              \:{V}ハ} ::::::::::::::::::::::::::::: | ! } ___
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         {:::::::::::::::::::::::::::::|.|:::::::└──┘::::::::::|.|:::::::::::::::::::::::::::}


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルは「よかった」となんども繰り返し呟いていた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


            /:::::::::::::::::;′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶.:.:.:.:.:\:\
          '::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|/ .:.:.:.:.:. ト、:.:.:\:.:.:.:.:.';:. !
        i:::::::::::::::::::::| :::.:.:.:.:.:.:|.:.:. :.:.:.:|.:| l\´:.\ :.:|:.:|
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        |:::::::::::::::::::::| :.::.::.:.:.:.:|:.:」斗=ミ|    ヒソ ト :::|
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        |:::::::::::::::::::∧ :::::.:.:.:.:| 代辷ソ     、 '' }
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        |::::| '.| :::::::::::/ ヽ ::::::.:.:\  T^ヘ:::::八
        ヽ i  | :::::::::;′  '、:.:.:::.:.:.:\_」\_∨::.:'、
          }:|  |:::::::::::     \ :.:.:.:.:.:ヽ{  ヽ\:.:ヽ
            j {  |::::::::::i       ̄`\:.:.\ ト、_}\〉
            |::i  |::::::::::|             \:.:.Ⅵ |\\
            |::l  |::::::::::|      /⌒ヽ |:.:.| |__厂o 〉


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ――澪は知っている。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




459◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:10:19 ID:MtoJjIM60




── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルの父の――鳥栖ギャル夫の名前が書かれたアンケート用紙。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





  ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

         ___,,_,_,,._...、 、、、、、、  --- ―――┐
        .|                         | :. ::.
      .|  ____                     |         ::.
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    :  :. |  '''' ""゙ ´´ ̄ ̄                 |     ::.::.
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       .::.: |   '''' ""゙ ´´ ̄ ̄               .|
       :. ::..|                _,,_,_,, _、、、 | :.::.
       .: : |   '''''_""゙_´´ _ ̄_ _,._,.,, 、,、、 -z- =-'、::
   :     ゙、"``""´´ ̄ ̄    ̄__,,_,_,,._..、、、、  ゙、.::.
   ::       ゙、  '''' ""゙ ´´ ̄ ̄.     , ´  ̄ ヽ   ...゙、 :.::.
   ::      ゙、   __,,_,, _、、、、  二二二二二  ....゙、  :.::.
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            ::::   `'''' ""、´´:: ̄ ̄

  ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         「地獄」に丸を付けたあと、二重線で取り消されていることを。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





460◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:10:33 ID:MtoJjIM60




      ━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
                           __
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                       :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : ハノ
                     i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: : : : |i
                     {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:: : : : : |{
                     ハ:.:.:.!:.:.:.j{:.:.! : : ハ: :.八
                       \ト、jハノ}/ヽ}ノ.,....、
                /⌒ヽイ:::::::::::::::::::: `Y´::::::::`ヽ、
             ,ィ´::::::::::::: { ||:::::::::::::::::::: {!/::::::::::::/⌒ヽ
             i:::::\_:::::| ||::::::/\:::::||!、___/::::::::::: ノ
                、::::::::::::::`;:! !!//\\||!、:::::::::::::::: /
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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         さすがに「天国」に丸は付けられなかったけれど、

         それでも自分を裏切った相手であっても「地獄」行きにはしたくなかった少女の思い。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




461◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:10:50 ID:MtoJjIM60



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         父に裏切られた反動で、悪は許せないと断じていた少女は、

         けれどこの中で誰よりも優しい少女なのだと、澪は知っている。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



                   _,....-------.....、_
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              l/::::::::::::::::::::::::::/ |::::::::::::|  ` 丶 ̄
             /::::::::::::::::::::::::::/ |:::::::::::/    /     高町裁判員が落ち着く時間をもつ為にも――
           /:::::::::::::::::::::::::::::人ヽ|::::::::/. ` -
          /:::::::::::::::::::::::_, - : : : : : |::::::|、 , -
        /::::::::::::::::::::::/: : : : : : :-、ヽ:::|ゝ:l
       /::::/:::::::::::::/: : : : : : : : : : : :ヽ:::l┐、
      ./:イ:/::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : : : ヽ::lヾヽ
     // |/::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : |ヽ:lヾ丶
     // /::::::::::::::::::l: : : : : : : : : : : : : : : : 人 |::ソ┤
    //./::::::::::::::::::::|:| : : : : : : : ヽ: : : : : /: :ヽ|::ヽハ
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   .// l:::::::::::::::::::::::|:.|: : : : : : : : : : : : : Y: : : :.|::::::|::l







                γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
                  |  ここで、評議に入ろうか。   |
                   乂____________ .ノ







462◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:11:23 ID:MtoJjIM60



                         ┌──────┐
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
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                         └──────┘


                           ┌───┐
                           │::::::::::::::::│
                           │::::::::::::::::│
                           └───┘


                             ┌─┐
                             │ :: │
                             └─┘


                               ┌┐
                               └┘


                                   □

                               ・




463◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:11:34 ID:MtoJjIM60



 、_    、  、     _、-                             -、_   ,、  ,、
、, `'-、 `'-、゙'-,、-'´              ,、- '  ̄`' -、             `' -i'゙ ,、-'´  ,、-'´、-
 `'-、 `'-、 `i-'               /   、 ─ 、  \              ゙-i  ,、-'´,、 '´
   `'-─゙-┘               i゙  // ̄\\ ゙:              └-゙─'´
`' -、                        !  ;  | ´','','` |  ;  !                    _ ,、-
、  `' -、                    └-┘ \_/ .└-┘                 ,、- ' ゙  _
 `' -、.  `'>              | ̄ ̄`!     i´ ̄ ̄|                <゙   ,、- '´
,-、   i`' T゙              ├─┬''''''''''''''''''┬─┤              ゙T '´!_,.,_ ,、.,,
i/ソi~'),!-、.i_               | ;;  | ̄ ̄ ̄ ̄|  ;; |             ,...,,.-,!c,=!i_・i.!_;,ノ
⌒'`ヽゝソ ! ')i゙;ゝ     _ _ _ _ | ;;  |  _ O _ .|  ;; | _ _ _ _       (・.)(゚ノ゙ゝ ' ' ' ´
~` ' ' - 、 , _` ’      \┌ ─ ─-'';─ ┼ '-'-'-' ┼ ─ -─ ─ ┐/      `_ , 、 、 -  ' ' ~
 ̄i ` ' ' -, 、 ,`,'_' '_- 、 ,、| i::::::::::::::::::::i i   ̄  ̄  ̄  i i::::::::::::::::::::i |、, _- '_'__´、 、 、、- ' '゛ i  ̄
  i     !   i ;iミ,;ヾT´! i i┌ ─ ─ ! i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i i ─ ─ ┐i i ,゙-、,ナヽζ!   !     !
  i     !   i 丿 く i i i ! !- ┬ - ┤i- ∩ ┐┌ ∩ -i├ - ┬ -! i !゙(マi i゙T''゙ヽi.   i    i
  i     !   i .i~i ゙',゙.!    ! !  .i.  i二二二二二二二二!   !  i .! !' '/./  i!.
  i     !   i (|─´──┬ ' ´  ! !            ! !.  ` ' ┬─ ─ .┤!.   i    i
┌‐────┐ | i~!    .!i    i└-───────┘!.     !    i~! | i   !    !
│        .|  | i i.    .!i    /              \.   i     ! i | i    !    !

464◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:12:09 ID:MtoJjIM60


            ,.  ´ ̄ ̄     、
           /            \
          ´    l         l ヽ  ヽ
         /   l  l  |       | |  ハ
        ′  l | | |    | |   l |  i
       l l  l l l 八ト   l | |   | |  |
       l |  | l |/ | `ヽl | |   | |  |
       | L 丁ノノト  l  ´]_丁 |  }ノ  |
       |  |V 灯仍     f広刃!  ハ l  |
        ∟ |ハ  込リ     込り |/|}   |      では、これより判決を申し渡す――。
           | ∧""   ,    "" |  lノ l  |
           | ∧     __      j|  | l  |
           | l  ト 、     イl |  l l  |
           | |  |  }>r-< /V  ノ l  |
           | |  |_ム∧r-く  / /、  l  |
         ィ´ /,/ 〃´ ||.  ∨ /  ト<  |
.         / |   {/ {{  ||  /  /  |   `  、
        ノ  |  /ヽ ゞーァ介ァ  / r-┘     }

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         法廷で、柴崎お魎を前にして、澪が凛として宣告する。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




                /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::ヽ
               ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/:::::::::::::丶
              /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/::::::::::::/|::::::l
               |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::|:::::::::::/ /:::::::l
              .|::::::::::::::::::::::::::::::_, -:/::::::::::::|:::::::/ヽ::::::::::l
              .|:::::::::::::::::::::::::::/  ./|/|::::::::|:≦_、/:::::::::::::l
              .|:::/:::::::::::::::::::::ヽ ./:::::ヽ::::::|イ ,.ァ`./::::::::/|/
              |::/::::::::::::::::::::::::::>|:::::::::::ヽ::| // /-::::/ .|
              l/::::::::::::::::::::::::::/ |::::::::::::|  ` 丶 ̄
             /::::::::::::::::::::::::::/ |:::::::::::/    /
           /:::::::::::::::::::::::::::::人ヽ|::::::::/  、-           主文。被告人を地獄行き三年の刑に処する。
          /:::::::::::::::::::::::_, - : : : : : |::::::|、 , -
        /::::::::::::::::::::::/: : : : : : :-、ヽ:::|ゝ:l
       /::::/:::::::::::::/: : : : : : : : : : : :ヽ:::l┐、             この裁判が確定した日から五年間、その執行を猶予する。
      ./:イ:/::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : : : ヽ::lヾヽ
     // |/::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : |ヽ:lヾ丶

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         執行猶予。

         それが、やらない夫たちの下した決断だった。

         同情すべき点が多いことや、被害者の訴えも考慮に入れた上で、

         下界において罪を償っていないことなどを理由に、最大限の配慮をした結果がこれだった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



465◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:12:48 ID:MtoJjIM60


      .....-‐…‐-
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:.:.:.:.:.:.:.:.:ト、:. :.| .:.:.:.:.:.:.:.:. ;ハ :.:|:.:.:| :.:.: iト、:.:|
:i| :.:.:.:.:_」__\|.゚。:.:.:.:.:.:.:/斗 ∧:丁: : :リ. Ⅵ.       ありがとうございます……!
八:.:.:.:.:. | 、_____,,゚。 :.:. / .」厶」/i:.:.:.厶イ
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 .   ´ `T⌒    i:     / : :|            .. _
´      .|: :`ト。 ー 一  .イ .′.:.:|               \
     . : |: : :.  ` -- ´  ./ : : : :| . . . . . .       /⌒ヽ
   . : : : |: : :‘\     _,,/.: .: : : :| : : : : : : : .    /     ,
   : : : : |: : : :‘,     /.: .: .: .: .:| : : : : : : : : :   /     ‘,
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 : . : : : : : : : :. :. :.V///: : |: /.: .: : : : : : : : : : : : . ..:i. : : : :       ‘,
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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         そう言って頭を下げたのは、被告人の柴崎お魎ではなく、傍聴席の柴崎元治だった。

         おかしなものだ。殺人事件の被害者が、加害者のことをかばい立て、いま傍聴席で頭を下げている。

         あの世の裁判ならではの光景に、やらない夫は苦笑するしかなかった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ⌒)(⌒)
             |  u  (__人__)
           |      |r┬|}
           |      | | |}
              ヽ     `ニ}
            ヽ     ノ
            /    く  \
            |     \   \
             |    |ヽ、二⌒)、

466◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:13:07 ID:MtoJjIM60


   /           /-1    /--ゝ'-1   ヽ    1  ヽ、 ヽ
.  /       l    1  l    1    l   .ハ    l    l ヽ ',
  !      l    |  !    !    1 __./ ',    !    l  ヽ,l
 1      1   | _{ -- 、 !    r1´ ./ ̄`1  1    1   !
 i         !    f '´ ヽ  1    |,M-- 、 1  j l    !   |
 |       ヽ /| >三ミ、 !    イ/!ひ`ヽ)| 〃 ト、  l
 | |     /ト、. /´ひ ! 1      イJ l| イ l! /   1 ', .l
ヽ|  |    \. Vヽ/んり l 1 ヽ、   弋じり 〃/ ./ 1 l !      裁判官さん……
 1 ハ     \トN弋ヽ- り   ヽ 、  ̄´ /, イ   ,'  l 1
 |ト',    、  ヽヽ `ー '         `丁 イ   ./  リ
.  N ',  、  丶 _`ヽ__,   r=7   / / |  /
  !  ', .ト、    ヽ1丶、    `¨´  /  / 1 /
  |   ヽ l \   ヽ  ` -,--- ' ! | '  //
  |     ヽ、 /丶、. '、    ! ヽヽ`ーN| l ノ'
  !      V{   \ 1 丶、 レ'ニヽヽ ヽ\
  ノ    r‐ハ\   ヽ /r 水{ { |.ヽ}   } i.ヽ





                  __
           ,...:.:.´.:.:.:.:..:.:.:.:.:..:.:.:.:.:...、
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      l:.:.l.:.:.:.:r'ー┘j    jノ \{ \/ .:.:.:.|.:.:.|
      |.:.:!.:.:.:.{,ィf芹ミ、     ,ィf芹气 !:.:.:.:.:.}.:.:.|
      |:八.:.: 卜 lr':::il      lr':::il ノ }:.:.:.:.:ハ:.:.i
      |.: {ヽ.:.', 弋"リ     弋"ソ / .:/ リ.:.:        あなた達の訴えに、裁判員たちが心を動かされた結果だ。
      |.:ヽ!.:..\} '""'    ,    '""' {/ |.,イ.:.:,'
      l.:.:.:|.:.:.从               八} l:.:.:.:..!
      i.:.:.:|.:/.:.:.iヽ   `  ´   ,イ.:.:.:!:i:.:.:.:.:|.        五年間、あの世で辛抱してほしい。
      :.:.:.:|.:.:.:.:.:|.:.:.> .     イ.:.:|.:.:.:.|.: .:.:.: |
     ,' .:.:.l.:.:.:.:.:.ト、{ .:.} ` ー  { !:.:.:! :.:. !:.:.:.:.:.:|.          そうすれば、天国でまたご主人と暮らせる。
      i.:.:. 八.:.:.:.:| V^\     〉ヽ:|:.:.:. | .:.:.:.:.:|
     l:.:. {: :.', :.:.i「/   、   /   !:.:.:.:| :.:.:.:.:.|
   , "´i..:.:i ̄}:.:.:.i{    /`vヘ    .:.:.:.:.:{`ヽ . 」
   ,′ |:.:.:|  !:.:.:.il   // 爪 ヽ  ,'.:.:.:.∧    `ヽ
  :   ! :.:|  l.:.:.:il\// /{ { {ヽ\/.:.:.:/ {       ',
  i    l.:.:.!  l.:.:.:il  { し'∧し' } .:.:.:.{  i        }
  V´ /.:.:/   .:.:. i|  ヽ ._/} {ヽ_ノ/ :.:.:.|/      /
   } /.:.:/   i.:.:. i|\  | | ! | / !.:.:.|ヽ  ,    /
   レ':.:.:/     ! .:.:i|  ', ! ! i |  | :.:.|/  /    i{

467◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:13:26 ID:MtoJjIM60




── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         澪が微笑を浮かべてそう言うと、柴崎お魎は涙を浮かべ、声にならない声をあげた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

   /  .::::/    |   :::::ト\    :::|                  ::::::\
  /  ::::/     |   :::::|  ヽ    ::::|:::        ::      :   :::::::::
  /  :::::/     |   :::|   ヽ   :::|:::::::       :::      :::   ::::::::
 /  :::::/|     :::|   ::::|   ヽ   :::| \::      ::::       ::::  ::::::::
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 | :::/ |    :::::::::ヘ  ::::|:ヽ _ __..| ::::/     ヽ :::  ::::::::      ::::::l::::::::::
 | ::/   |     ::::::::l ヽ : :::| ハヽ  |:::/      ヽ ::::   :::::::::      :::::l::::::::::
 | ::|   |   :  :::::::::, ヽ ::::l.::::::::::.. ソ_/    __.=::::|  ::::l:::::     ::::::::l::::::::
 | :|   |   :: ::::::::ハ  ト.:::::l:::::::::>、\  /=つ  |:::|::::/l:::::     :::::::::l::::::::
 ヽ|    ヽ  :: :::::::ハ  :::..:ヽ::/ ̄\  /::::/  o  l:l|::/ |::::     ::::::::::l|:::::::
  ト   ヽ  ::::::::::::l 」_./ヘ:ゝ 」  \ >/し   l/|::/  |:::     :::::::::::l l::::/
      丶  :::::::::::l /   ヽ  ハ  lヽ、     / //    |:::    :::::::::::| l:::/
       \ :::::::::/  ヘ  lヽ  l ヽ |' )      /     |:::   :::::::::::l ソ
        \ ::::/ _へ  l丶 | ヽu_/      '        |:::   ::::::::::/ '
         \ /     >' ヽ._l / /        /^ヽ     |:::  ::::::::::/
           y      /    __⌒. ..ヽ__ノ、/      |:::  ::::::::::∧___..--
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           |       /    ヽ::::::::::::::::::::|   ヽ     |:::::::::::::<| | |
           |      |      ヽ:::::::::::::::::|     \__/|:::::::::/ ̄| |.:::|
          |      |       ヽ::::::::::::|         |:::::::/  .:::l |::::l-
          |      |       ヽ:::::::::|          |::::イ  ::/ | |::::::::

469◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:14:25 ID:MtoJjIM60


                           .  ´/  _.ヽ-― 、    ` ー 、
                          /  / --―7─ 、─ ヘ──< ̄ ̄`
                         ノ  /     ′ . :    '、   ヘ
                        /   /      l , ヘ/  / }  '.: . }
                        {   / .:/    /|/- ヘ: : /}メム  i、: '、
                        l :/. :/:    l ,彡;三 |/ ミ、 '.  j ゝ\
          {゙丶、            Vィ: :i:   ,、 { ⊂⊃___ r⊃l} /.       五年かあ……ちょっと長いなあ。
           \  ` ー  _      ハ : : |: / ト! f ´` ー──ム  }′
            r`── __  `ヽ、    >: :|/ >   {: : : : : : : : : : | /.         あっちって可愛い女の子いっぱいいるんだよなー。
           ` ーォ    `丶、 \ /'"|: : :ゝーヘ   \: : : : : : //  __
             /       `  >´ ̄丁丁  >─->- ´∠ - ´__ノ
            ゝ─ィ     / ./    l:.:.:| /     ヽ, -っ __>__..    「はう~」とか言ってる子とか、
               {__/    {__ハ    ノ:.:/./     、  V-' /     \
                {  /// l    |:ノ./   、 、\ノノj-/   -、 i i }..   お嬢様口調な子とか、
                `´`¨ゝ'¨¨ヘ    l /   /77´l_)'´/  ォー<ノノノ
¨¨⌒ヽ、__            ./`¨¨¨¨゜.    V   /.//  !  '   /               「にぱー」とか笑う子とか居たら
、,}-、   ノ   ,   ̄` ー ´      i   /    /.イ´  l ., ′ ./
   〕  i    /                '. /   /'  i  /   ./                 そっちにふらふら行っちゃうかもー。
.  /  /   /                l    /   i /     ./





::::::::::::::::::i:::::`::::/ー\:::::::::::::::i::::::::::::::::i:::::::::.     `、\ `、
:::::::::::::::::::i:::::./   \::::::::::::ハ::::::::::::::i:::::::::..  ,.   ', \l
:::::::::::::::::::l ̄     ヽ:::::::::::l `、::::::::::i::::::::::.. i::..   ',
::::::::::::::::::::l        '、:::::::l  `、:::::::i:::::::::::. i:::::..  l
:::、::::::::::::::::l         ',::::::l _,,, -''/:i:::::::::::: i::::::::..  l
::::`、::::::::::::::'、      --=-─'''´,::ハ::::::::::: i::::::::::.  l
:::::::`、:::::::::::::::'、 ,       l:::l    ',/ ',:::::::::: /:::::::l:::. l
::::::::::::i`、::::::::::/、      l:l    / l::::::::./:::::::::ハ::. l
:::::::::::::l `''/::::::::` 、.       /   l::::::/::::::::::::l l::/      駄目ー!
::::::::::::::l- '   ̄'''''''´      ∠__ l:::/\::::::::::l.l/
i\ ̄::::',                 l/  ヽ:::::::l.           浮気したら駄目ー!
:i  ` 、______                l:::::::l
:::i         /          ,, ---、  l::_,-'''´`ヽ
\.i      /        _,, - '´`'' - 、,l l´ j 、   `
::::::\  o/    _  -- ''´       ノ´し、 `ヽ
:::::::::::::`' 、     , ´           /:::::::|、 `、




471◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:14:52 ID:MtoJjIM60


/:./::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.::.:.:.:.ヽ        /  .\
:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::::.:.:.::::',      /     .',
 l  ..:.:.:.:.:::.:.:.:.:.:.:.::.:.:|ヽ、::::ト、l     /       .l
:.:.!:.:.:.:.:.:!:.:.ト、{:::.::.:.:.::ハrfア|::::!}メ´ ̄`丶!        |
ヽl.:.!:.:.:.:!_N__ト、ト::N以' ノ|:ハ     |         ,'    じゃあ五年だけだぞ!五年だけ待ってやる!
 ヽ!::::{:ヽK上少 ヽ、   /  j     !        /
 ハト、::!:ヽヽ   r‐‐‐1 /  !        !      /.         一分一秒でも遅れたら浮気する!
. {  ヽヽ `ヽ、 弋__ノ,.'  .::|:. :::. /ノ     /
 ヽ    | {ヽ_`_7   ::::!:::.{:::://{      イー‐.、
.  \__  `ー―‐〃    :::!::::∨   ヽ   ノノ   └ 、
   /  L    ノ       ヽノ       ,イ   ./  1
  ノ  ./ヽ     r―― ' ´       Y    /    イ、
f´   {   .\    {     _ - 、    \__.ノ  /  }
    ヽ.    \  `ー‐‐'´    `ー '´`ヽ \__/   ノ





   / , : : : : : : :.i: : :,イ: .:.:. : : : : : :.l:.: : : : l: : i: l
  ./ /: : : : : : : :l: : :i l:.:.:i:.:. : : 、:. : lヽ:.: :l l: : :l :l
  i :/i: : .: : : : : :l:-:廴i_ハ:.:.:.:ハ;斗-+- l:' : : :.リ
  l/ l : .:.:. :ヽ: : :lムl--l、` V:./ ´l:ム--i、/ .:.: : /
.    l .:./:.:.:. \ヘ` ト::イ` V '/ト::イ l7:.:.:.:. :.{       ――だから早く来い。待ってるからな?
    l:.ハ:.:.:\:.ヽヘ ̄´   i  ` ̄ //>.:.:,、l , -‐ ― 、
     ' V:l:.:.トヾー`  、___   イ- ':ハ//    ./
      ハ:ト:l ヽ:.\        //l:./ /    ,, ''
          ヽト:.ヽ、    /lヘ' , - '    f
          /´「 .i ` ー '  .i / /    ノ
         /  i  l     /´  {    l __
        ,/   l/    /    ‘  , .lヽ、 ヽ
      /./  , ヘ ヽ  _ .. -'-、__  -- '  .i  `、\
 , - ''  / /  / ./   _ /  /   l   ヽ  i  〉
/      ' ´    /  /´   ,ィ   /ヘ.   ヽ l ./

473◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:15:11 ID:MtoJjIM60


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         その言葉に――

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


        ..- "/                    \     ハ      ハ
      ./ /                        .\   .ハ ヽ     |
    / / /  _. . . .           ー=ー- - . .__ ハ  ハ ハ -ー- .」
   /  /.. メニニ-"  /   /   ハ       ゛ メ .._   ヽ./ ハ .ハ  ゛\. |
  /  ".イ       .|   .|  /ヽハ         .|  ハ -._ ヽ :/ : :.|   / ./
  / /./ /       |   |  「ー"ヽ   \    .|  |. ヽ \V : : : |  .| ./
. / / / ./  .|     .|   ハ  |   .|  | ヽ   .|  |  ヽ ハ : : : |  .| /
..| / ./  |  .|   .| |  .ハ  .|    |  ハ ハ   |  .|  ハヽ | : :./  .| |
.| ./ /  .|  .|   .| .|  | |_|    |、/」_/ |  ハ /  ハ ヽ.| : /   |/
.|./ /   |  :ヽ   | ハ ̄| ̄」 |   |/  |/" ゛ト メ| |    |_ヽ| /   .|
.| /   |   :入   | | .レ三=ス_|   / メ三ニ=ヒメ.| /  / | .ハ ソ :   |
.| .|    .|   ハ \  ヽ |.イハ__ノ~:トヽ     "i__ノ~^ハヾK  / | .ト |/| : :  .|
.| .|    |  ハ :\ ヽ|.  ヾ_ニ,|      ヾ_ニハソイ /  ハ |/ : | : :   |
.ヽ|    .|  .| ヽ : : ゛ト ..\" ̄        " ̄"~/ ノ   | |/ : | : : :  |
 ヽ    ヽ | ヽ.ヽ .| : :.トヽ.x   i     xx. / イ  | /イ | : | : : :  .|
       .ヽ |  ヽ .| | : :.ヽ     r -┐   "" ./ / | イ : :| : | : : :  .|
        ヽ.|  ヽ | | | : :.ヽ ..          _.イ/  |/ | : :| : | : : :   |
                ヽムハ | : : : :| ゛.ヽ、  _ . - ": :.|/  / : | : | : | : : :   |
                ハ  :| |   | rコ__,..-イ/  ./ : : | : :| | : : : :  .|
                 | : | |   Lノ : : : : : : : :/|  イ : : : | : | | : : : :  .|
                   H |メー-ノ L : : : : : : : :| :| .ムヽ_.、| : | | : : : :  .|
            /     リ/     ゛- _______...イリ .// ゛ニ">-- ._  .|


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         柴崎お魎は少女のようにはにかんだ。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




475◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:15:24 ID:MtoJjIM60



 、_    、  、     _、-                             -、_   ,、  ,、
、, `'-、 `'-、゙'-,、-'´              ,、- '  ̄`' -、             `' -i'゙ ,、-'´  ,、-'´、-
 `'-、 `'-、 `i-'               /   、 ─ 、  \              ゙-i  ,、-'´,、 '´
   `'-─゙-┘               i゙  // ̄\\ ゙:              └-゙─'´
`' -、                        !  ;  | ´','','` |  ;  !                    _ ,、-
、  `' -、                    └-┘ \_/ .└-┘                 ,、- ' ゙  _
 `' -、.  `'>              | ̄ ̄`!     i´ ̄ ̄|                <゙   ,、- '´
,-、   i`' T゙              ├─┬''''''''''''''''''┬─┤              ゙T '´!_,.,_ ,、.,,
i/ソi~'),!-、.i_               | ;;  | ̄ ̄ ̄ ̄|  ;; |             ,...,,.-,!c,=!i_・i.!_;,ノ
⌒'`ヽゝソ ! ')i゙;ゝ     _ _ _ _ | ;;  |  _ O _ .|  ;; | _ _ _ _       (・.)(゚ノ゙ゝ ' ' ' ´
~` ' ' - 、 , _` ’      \┌ ─ ─-'';─ ┼ '-'-'-' ┼ ─ -─ ─ ┐/      `_ , 、 、 -  ' ' ~
 ̄i ` ' ' -, 、 ,`,'_' '_- 、 ,、| i::::::::::::::::::::i i   ̄  ̄  ̄  i i::::::::::::::::::::i |、, _- '_'__´、 、 、、- ' '゛ i  ̄
  i     !   i ;iミ,;ヾT´! i i┌ ─ ─ ! i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i i ─ ─ ┐i i ,゙-、,ナヽζ!   !     !
  i     !   i 丿 く i i i ! !- ┬ - ┤i- ∩ ┐┌ ∩ -i├ - ┬ -! i !゙(マi i゙T''゙ヽi.   i    i
  i     !   i .i~i ゙',゙.!    ! !  .i.  i二二二二二二二二!   !  i .! !' '/./  i!.
  i     !   i (|─´──┬ ' ´  ! !            ! !.  ` ' ┬─ ─ .┤!.   i    i
┌‐────┐ | i~!    .!i    i└-───────┘!.     !    i~! | i   !    !
│        .|  | i i.    .!i    /              \.   i     ! i | i    !    !

476◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:15:38 ID:MtoJjIM60





                         ┌──────┐
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         └──────┘


                           ┌───┐
                           │::::::::::::::::│
                           │::::::::::::::::│
                           └───┘


                             ┌─┐
                             │ :: │
                             └─┘


                               ┌┐
                               └┘


                                   □

                               ・




477◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:15:50 ID:MtoJjIM60


        | | | \                      |        ./ ::::::::::::::::::::::::::: | | |::::::::::::::::::::::
        | | |   \                    |      /::::::::/,|:::::::::::::::::: | | |::::::::::::::::::::::
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        | | |         \/, ──────!\_ /::::::://///:|:::::::::::::::::::| | |::::::::::::::::::::::
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        | | |         |`ヽ | ||  \_____!  /:::| |:::::::|////:::| ::::::::::::::: | | |::::::::::::::::::::::
        | | |         |  | | ||    |\ ̄ ̄ ̄| ./!:::::! !:::::::!/////| ::::::::::::::: | | |::::::::::::::::::::::
        | | |         |  | | ||    |  \_   |/:::!:::::! !:::::::!/////|::::::::::::::::::| | |::::::::::::::::::::::
__    | | |         |_| | ||    | :Y´  ̄¨¨|::::|:::::| |:::::::|////:::|::::::::::::::::::| | |::::::::::::::::::::::
     ̄ ̄| | |──‐ - __ ! ii     |  |      |::::|:::::| |:::::::|////:::|::::::::::::::::::| | |::::::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄ ̄| | |二二二ニ¨¨ ̄ | || ̄  ̄! ̄!      !::::!:::::! !:::::::!/////|::::::::::::::::::| | |::::::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄ ̄| | |:           | ||   :|  |‐‐‐‐‐‐|::::|:::::| |:::::::|////:::|::::::::::::::::::| | |::::::::::::::::::::::
        | | |:           | ||   :| / ̄ ̄ ̄\!:::::! !:::::::!/////|::::::::::::::::::| | |::::::::::::::::::::::
        | | |:           | ||   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\::! !:::::::!/////!:::::::::::::::: | | |::::::::::::::::::::::
        | | |:           | || /               ̄|::::: |/////!:::::::::::::::: | | |::::::::::::::::::::::
        | | |:           |>ニニニニニニニニニニニニニ''<|::::: |/////!:::::::::::::::: | | |::::::::::::::::::::::
        | | |         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨.\::|/////!:::::::::::::::: | | |::::::::::::::::::::::
        | | |       /                    マ三\////|::::::::::::::::::| | |::::::::::::::::::::::
        | | |      /                     マ三ニ\//|::::::::::::::::::| | |::::::::::::::::::::::
        | | |     /                        マ三三\|::::::::::::::::::| | |:::::::::::::::::::::



          γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
            |   ……なんつーか、あの世に初めて来たときさ     |
             乂_____________________ .ノ





478◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:16:05 ID:MtoJjIM60


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         宿泊施設の廊下である。

         荷物を取りに戻ったやらない夫たちであったが、その途中、彼はそんな言葉を口にした。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                 / ̄ ̄\
              / ヽ、_.   \
                ( (● ).    |    若い人が案外多いなって思ったんだよ。あの世のくせにさ。
                (人__)     |
            r‐-、.       |
            (三))         |.     なんでだろうって思ってたんだが、こういう理由だったんだな。
            > ノ       /
           /  / ヽ、.    /
           /  / ⌒ヾ.   〈
           (___ゝ、  \/. )
             . |\    ,.1
             . |  \_/...|





                  __
           ,...:.:.´.:.:.:.:..:.:.:.:.:..:.:.:.:.:...、
           /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..\
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       ′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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      :.:.:.!.:.:.:.:l.:.:.:.:.ハ/    ! ト、.:.:.:.{ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
      i.:.:|.:.:.:.:l .:.:.::ト{、    |:.!」.:.:.∧.:.:.:.:,':.:.: i:.:.:i
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      |.:.:!.:.:.:.{,ィf芹ミ、     ,ィf芹气 !:.:.:.:.:.}.:.:.|
      |:八.:.: 卜 lr':::il      lr':::il ノ }:.:.:.:.:ハ:.:.i
      |.: {ヽ.:.', 弋"リ     弋"ソ / .:/ リ.:.:.         うむ。あの世では確かに、自分の好きな年齢でいられる。
      |.:ヽ!.:..\} '""'    ,    '""' {/ |.,イ.:.:,'
      l.:.:.:|.:.:.从               八} l:.:.:.:..!
      i.:.:.:|.:/.:.:.iヽ   `  ´   ,イ.:.:.:!:i:.:.:.:.:|
      :.:.:.:|.:.:.:.:.:|.:.:.> .     イ.:.:|.:.:.:.|.: .:.:.: |
     ,' .:.:.l.:.:.:.:.:.ト、{ .:.} ` ー  { !:.:.:! :.:. !:.:.:.:.:.:|
      i.:.:. 八.:.:.:.:| V^\     〉ヽ:|:.:.:. | .:.:.:.:.:|
     l:.:. {: :.', :.:.i「/   、   /   !:.:.:.:| :.:.:.:.:.|
   , "´i..:.:i ̄}:.:.:.i{    /`vヘ    .:.:.:.:.:{`ヽ . 」
   ,′ |:.:.:|  !:.:.:.il   // 爪 ヽ  ,'.:.:.:.∧    `ヽ
  :   ! :.:|  l.:.:.:il\// /{ { {ヽ\/.:.:.:/ {       ',
  i    l.:.:.!  l.:.:.:il  { し'∧し' } .:.:.:.{  i        }
  V´ /.:.:/   .:.:. i|  ヽ ._/} {ヽ_ノ/ :.:.:.|/      /
   } /.:.:/   i.:.:. i|\  | | ! | / !.:.:.|ヽ  ,    /
   レ':.:.:/     ! .:.:i|  ', ! ! i |  | :.:.|/  /    i{

479◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:16:28 ID:MtoJjIM60


          ,  --──‐-   、
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
      ,..'::::::::::|:::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::ヽ
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     ':::::::::::::|::::::|.|:::::::::::|V|:::::: | i::::::::::| :::::: ::|::|
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.    |::|::::::::::|:::::」 L -┘└-´  _ |:::::::::::|::|
.    |:||::::::::|:i´.  _       '´ ̄ヾ|:::::::::::|::|     そうなるとたいていは、十代後半から二十代の姿を選ぶな。
.    |:|:|:::::::|::',  '´ ̄ヾ           |::::r-,::: |
     |:::L_:_」:::', ///        ///|::::レ'::: |
    |:::::::::|::::::|',               |::::|:::::::::|.       やはりみんな、若い自分でありたいのだろう。
    |:::::::::|:::::|ヽ'    ヽ´ ̄ノ   ,..i::::|:::::::::|
    |:::::::::|:::::|::::::ヽ.、  .` ̄  /::::|::::|:::::::: |
    |:::::::::|:::::|::::::::::::::::`l  - ´ l:::::::::|::::|:::::::: |
    |:::_:|::: |:::::::::::::/|    /ヽ_:,':::::|:___:L
.    / ヽ.|::::|  ̄ / ヽ `ヽ v-'´ / ,::::::|  / `ヽ
    i.    |::::|  ヽ .iヽv'示ヽ/ /|:::::::|/      ',
   .l.   |::::| ',  r´~',,,'' || ||'',,/` 7,'::::::::|      l
    '   |::::| ' .ヽ ,,''l || || /'',,/ .|:::::::::|      /
     ',.   |::::|  ', ,,''  ',.|| .||  /'',,.|:::::::::|     /
    |ヽ |::: |  ', ii ヽ,,''  '',,´  ,,|:::::::::|    /|





                / ̄ ̄ヽ
               /       \
               |          |
               |          |   そういうもんか。
               |          |
                    |         ,'
                  j __<   i
              ,.イ::::::::::--.、ヽ _ノ
            / .::::::::::: :::::/ ̄`ヽ.
            / ..:::::::::   .:::::/ :::::::::::::.`,
         / ..:::::::  ::::::::::::: :::::::::::::::: ノ
          / v ::::    ::::::::r :::::::::::__,.-、,'

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         十五歳のやらない夫には、まだいまいちピンとこない。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




480◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:17:41 ID:MtoJjIM60


          / ̄ ̄\
        /  _ノ   ヽ\
        |  ( ●)(●)|     ハクさん的にはどう?
          |    (__人__)|
         |    ` ⌒´)}.      若い子いっぱいだけど。
        |           }
        ヽ        }
         ヽ      /
          |   ''⌒ヽ
          |    ヽ ヽ




              ____ ____
            /¨ ̄   ̄`ヾヽ  ___
           /  ,,.x≦⌒   ´ ̄   ミメ、
          /  //   γ´{    ⌒  、  \
           / 〃     {  ハ  ヾ       ヽ   :.
            〃 //      ハ  '.   '. i ト、      ハ
            /  i/    /イj ∨   :}从 \      :.、
         {{  il :   ,',' {{  廴,  、j_ヽj^刈    }‘,
           ル'.:   li ‐七¨ ̄',   | ̄`¨卞 }!    | }
         ヽ小  i  ル _ 二`_ V  | ̄二. _j |i   1:| ノ
          |i从  i  Kヒて夕ヾ ∨ }"夊歹,ゞ!i   ハ}      え、いや合法ロリには興味ないし。
          || ヾ ハi : i `¨ ¨   Ⅵ ¨ ¨´ リ   / リ
          ||  个从八     !      / / /
             从 __∨ 込≧=- __ ____   _ノイ//::メ、                   今さらっとすごい事言ったぞこの人。 >
            \:::::∨ハヘ>. `゚ ¨´  イ:j  j〈::::::::::::>
             Y ̄Vハ〈::} >--< ,i._l  i ハ ̄Y
               K´::∨ .',∨       |  リハ}::::┤
              !:._イ∨ .';:∨ ',   /  {  :!:::::::L>.
           γ´  i:::::', ';:::',‐-   -―ハ i|::::::::j   ヽ
           ,'    |:::::::} }_厶     /::! :l|:::::::::l     :
           /i   i |::::;イ /::::::/    ノ:::::| リT¨ヽ}Y   卜、
         /:::::|   Yレ'j.:{∧:::::!       ヽ::::!j i l.:.:.:.:j!    |:::::\
       /:::::::;' |   {::::j: :i:::::';::l  ':. .:´ }:::lハ i ';.:.:.:|   |:::::::::::::>
      ∠:::::::/ | _  |::::! !.:.:.:.|   :. .:  j.:.:.:.} } }:.:.:.} _ |`ヽ/
         `ヽ /!´⌒`ヾ:::{: :ハ::.:.:.{: . .::} :{: .. :j.:.:.:.! i !:.:::j´⌒ヾ}/

481◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:18:00 ID:MtoJjIM60


    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( ●)(●)     しかしあの世の人間が、年に応じた姿じゃないってことは……
  |     (__人__)
  |         ノ
  |     ∩ノ ⊃ }
  /ヽ   / _ノ }
 ( ヽ  /  / ノ
  ヽ “  /_|  |
   \__/__ /


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         やらない夫はしげしげと澪を眺めて、

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


           / ̄ ̄\
          /        \  て
.          |         |  (
.          |          │
          |      u  |      澪もまさか、おばあさんじゃないだろうな、っていって!
.          |         |
.          ヽ      /
           ヽ     / _rm,
           .>    < ) ソ
           |.      `ヽ /
           |     |ヽノ


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         言った瞬間、澪はやらない夫の腕をつねってきた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




483◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:18:29 ID:MtoJjIM60


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         「レディに対して失礼だ」と口を尖らせて彼女は、

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


               , ..... ── ‐-
            ,....::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`:::...、
          /:::::::::::|::::::::::::::::::::: \::::::::::::::::::::\
        ..::::::::::::::: /{::|::::::::::、:::::::::::::\::::::::::::::::::::ヽ
       /::::::::::/::::/ !::!:::::::::::\:::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::.
       .:::::::::::;'{:::::|  |::|\::::::::::::\::::::::::: |::::::::::::::::::::::.
        .::::i::::::::!.|:::::|  |::{  \:::::::::::|\:::::|:::::::::::',:::::::::.
        :::::|:::::::| |:::::|.  ';:{ / \:::::{  \::|:::::::::::::|::::::::::|
      |:::::|:::::::| ';:::,'‐、 ヾ     ̄   `|:::::::::::::|::::::::::|
      |:::::|:::::::| V        x==x、 |:::::::::::ト、:::: |
      |:::::|:::::::|          ん::ハ } !::::::::, ィ }:::::!
      |::::::\_:!  xテミx      弋:__:ノ |:/::: ! ,'::::::|       私は若い。君と同じ十五歳だぞ。
      |::::::::::::.  { {:: :::}              |/ |:::::::|/::::::::!
      |:::::::::::::::、  弋::ノ               |:::::::|::::i::::::',
      ヽ:::::::::::::::.       '           |:::::::|::::|::::::::ヽ
        ̄ ̄| ̄:.        __        |:::::::|:::::',:::::::::::\_
          ',::::::::.      (_`     /|:::::::|';:::::'、__ ノ/
           ':::::::::\          / /.|:::::::| ' ::::::ゝ- ´/
           ,:::::::::::| > ‐-  __ /  / |:::::::|ニ.\::::::/三
              :::::::::|´三三|三ニ|\  ./   !:::::::!三三T 三三
           |:::::::::|三三|三ニ  ヽ/、  .|:::::::|三三 | 三三
           |:::::::::|三三 |三三 ', }r,rヽ !:::::::!三三 ! 三三
              { |:::::::::|三三 |三三ニV i i |,`.|:::::::|三三|三三
              | |:::::::::|三三 |三三三i | ! !',|:::::|三 /三三三
              | |:::::::::|三三 \三三.| | ! ! }.|:::::::|三 \ 三三三





         / ̄ ̄\
       /    _ノ \
       |     ( ●) )     ……はあ?
          |      (__ノ、_)
        |   u.  ` ⌒ノ
.        |         }
.        ヽ        }
         ヽ     ノ
            >    <
         |     |
          |     |

484◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:19:10 ID:MtoJjIM60


                    ,  -‐   ̄ ̄ ̄ `   、
                  ,  ' :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: `.. .、
                / :: :: :: :: :: :: :: ::: , :: :: :: :: :: :: ::,:: :: \
               ., ' :: :: :: :: :: :: :: :: :: :/ :: :: :: ::/ :: ::/、:: :: :: \
              / :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::/ :: :: :: ::/ :: ::/ i :: :: :: :: ヽ
                ,':: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :/ :: :: ::/|:: ::/  | :| :: :: : :: :i
             ' :: :: :: :: ::i :: ::| :: :: / :: :/::/-‐':::/-  | :|ヽ :: :: :: :!
                ! :: :: :: :: :::|:: :::|:: :: :|:: :://´  i::/    | :i 、'.:: :: :: :|
             i :: :: :: :: :: :! :: :| :: :::|:: /    !'     |:,'  l i:: :: ::|
              |:: :: :: :: :::,-' :: ::! :: ::i::,'         /  .|:! :: :: |
              |:: :: :: :: / -.! :: :', :: :|:| ヽ、_,         リ :: :i::|
              |:: / :: ::i { .|:: :: :' :: :',|   . ̄     .、__, /:: :: :l::|     ふっふっふ……
              |:/ :: :: ::\ .| :: :: ::', :|! ///     ,  `´ / :: ::i :|!'
              l':: :: :: :: :: :ヽ,:: :: :: ヽ!         ///, :: :: ,!:,'
             ,' :: :: :: :: :: :: ::', :: :: :: ::ヽ    ヽ ._   ./:: :: /|´
            , :: :: :: :: :: :: :: :::', :: :: :: :: ヽ       / :: :i::|
           ./:: :: :: :: :: :: :: ::/:::ヽ__ :: :::ヽ,     ./ :: :: :: !i:!
           / :: :: :: :: :: :: , 'r ' ´    `ヽ, :` ‐- ´i :: :: :: :: :| |
         / :: :: :: :: :: :: /::/         ヽ :: :: ::,'i :: :: :: :: :!
        ./ :: :: :: :: :: :,.イ::/           ', :: ::/ ! :: :: :: :::|
       , ' :: :: :: :: :: ::/ ,':/             .i:: :,' | :: :: :: :: |
      ./ :: :: :: :: :: ::/ ./:/            .|::/  |:: :: :: :: ::!
     , :: :: :: :: :: :: / ./:/             |´   .! :: :: :: :::|


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         澪はにやにや笑っている。

         あの世の裁判官に年齢とかそもそもあるのだろうかと思ったが、

         いまのセリフは、本当なのか冗談なのか、いまいち判断がつかなかった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


       / ̄ ̄\
     /       \
     |          |
.     |          |
      | u    _   |
.      |    (⌒`、  .}
.     ヽ   `¨\\}
        ヽ       ,、ヽ
       ゝ   .<_/ /
       |    ,r´
       |     |

485◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:20:18 ID:MtoJjIM60



                / ;         ―…` 、〉-
                    ′l     ´            \       、
                |  / ___          ヽ    \
                    乂レ′ ̄     ̄` ≪≧o。.   ‘,      ヽ
                  /⌒ ー          \ニニ≫。. ゚。
           /       :.                \三>…}ト、
.          ,    /     ヽ            ヾ'//ムV\
          /    ′         \            VY/ハV//ヽ    i
              :.       │\    --     V///U//iニ   |
          i   ;    ‘,   斗匕 ` __,   ≧=――一/,ノニi       大丈夫。
          |   i       ‘,     汽泛厂 /′  ..,_   \Vニニニ
   _人_   |   |       ヽ     込ツ /    ‘,~¨   \//jニ/   ,       私のロリセンサーは
   `Y´  ..!           汽刈、           ‘,    ⌒j/ィ    /
.             :.      Y \\ ヽ          ‘,   V⌒    /          間違いなく彼女が15歳だと告げている……っ!
               ヽ      丿   `     \       ‘,   V、    '
.             ‘, \   \       ⌒         i   V\ ノ
              ヽ  \  ∧              j        ヽ              この人どんどん駄目になってくなあ…… >
              \   ヽ ハ ー= ア        /:! 、   :.  ‘,
                       ∧゚´                | | ヽ   i    ‘,
                        /         ´      l l  \ト
                  ,    \___  ⌒ヽ     ′ ;   ! ‘,   \
                      /  /          ム  /i  i  |        \
                /  /\       /´ ノ , |   |   |   ‘,      \

486◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:20:36 ID:MtoJjIM60


                 ____        , -―-.、
               , . . . :.´ : : : : : : : : : :`ヽ(: : : ∠⌒ヽゝ
             / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ
              ,′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
             .:.: : : : : : : : : : : : : : l : l : l: : : : :ヽ:.丶: :\: \
          |: : : : : : : : : : /: /__|」_:.|: :ハ:; :ヽ_: | : | : : : : : : ヽ
          |: : : : : |: : : :/イ´:.//|: ハ/ }ハ「|:! | : |: : :|: :ヽ、: :}
          |: : : : : |:.:.:|l |:/|// ナノ } ノ |ナ|:.| : |: : :ト.:.:|ハ/
          |: : : : : レ'|儿爪芋ミヽ ′  爪{从: :|: : :|.|: | ′
          |: : : : : : :|i: :刈::rし::|     |:r'| ムイ|: : l.l| |    それにしても、素敵なご夫婦でしたね。
          |: : : : : : 八: :弋こソ'     ゝイ´|: :l.|: :ノ八|
.          ;': : : : : : : :|\: :|          '  |乂ル′
.          /: /: :}: : : /| : ト、|     _ _   イ|
        //レ'|:_:_:/..| : ト、       /从|
          ´  xく\\.!八 ヾ\ _ ./}人|. ′
         /::::::\\\ヽ__/ ル' }ノノ丿ヽ
.          /::::::::::::::::::ヽ`ー-匚0]ヽ\
      / :::::::::::::::::::::::::|\\彡ミ/\ \
       / ::::::::::::::::::::::::::::::|:::::ヽ \./ ./`ヽ.ヽ
.     { :::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::\爪/:::::::::::::}

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ずっと黙っていたシュテルが言った。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

                     __
                ,. . .-――.:.´:<⌒ヽ
             /:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : \
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : :.ハ
                {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..: : : :.i
.              :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : ハノ
               i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: : : : |i       あんな風に、年を取っていけたらいいと思います。
               {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:: : : : : |{
               ハ:.:.:.!:.:.:.j{:.:.! : : ハ: :.八        あの世に行っても、ずっと一緒にって……
                 \ト、jハノ}/ヽ}ノ.,....、
          /⌒ヽイ:::::::::::::::::::: `Y´::::::::`ヽ、
       ,ィ´::::::::::::: { ||:::::::::::::::::::: {!/::::::::::::/⌒ヽ
       i:::::\_:::::| ||::::::/\:::::||!、___/::::::::::: ノ
          、::::::::::::::`;:! !!//\\||!、:::::::::::::::: /
         /::\:::::::::,:'Ⅵ,/ (___) \|! ∨__::/´`
.       /:::::::::::,>´{三三三三三三三彡 ',:::::::::::.

487◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:21:08 ID:MtoJjIM60


             / ̄ ̄\
           /   _,ノ `⌒
            |   .( ⌒)(⌒)     ずいぶん変わったな、高町。
.             |    (___人__)
             |        ノ        愛なんて!夫婦なんて!って言っていたのが嘘みたいだろ。
              .|        |
              人、       |
          ,イ:. ト、ヽ、 __ ,_ ノ
    ,. -ーー -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
  /..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: メ、
  { :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. 、_
  | ::::::::::::::::::::::..`、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..`ヽ
  '| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
   ト、:::/ / ̄`` ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
   `,ヘ ´:::::::::::::::::. ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rー'、
    }:,∨ :::::::::::::::::: ト、:::::::::::::::::::::::::>< ̄\::..\
.    }:::∨::::::::::::::::、-''゙~ ̄ ̄ ̄ ̄:::::::::...\ ム:::::ヽ
     l::::∨ :::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.、/...:::::::::ヽ}
    {::::::\,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/" ̄:::::::::::::::::::::::::ノ





                    -‐…─-     , .-―- 、
               ´: : : : : : : : : : : :`Y  -=⌒
           / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
              ,': : : : :/: : : /: : : : : : ! : : : : : : : : :_,ヽ
          |: : : : /: |__/」_,.ィ|: : /|.: : :| : : : :ヽ:\
          |: : : : | _.レ' /l./. | / l∧ナト-. !: :.|: :.!
          |: : : : |.汀斥卞 j/  ! イテ丁| i : :| : |
          |: : : ..八 弋_zノ    弋_,ソ | ト: :.| : |       それは……だって、そのときは思っていましたから。
          |: : :{. | : i` .//   ,  //  .レ|l: :八,'
          |八l: .人:!.u   r_―ュ  _∠:|: |l/
.          /   |: :|: i.> 、,  _,.. イ:i :| :!: |'
              ハ|\ト─..|/´}て ハ/{/N| ,'
            / ̄ ̄\ \ :./ /、 .| :| |i|  ̄ ̄\
        / ::::::::::::::::::  ./  '‐く  |_:| |i|::::::::::::::::::\
          |::::::::::::::::::::::::,'   、ヽ}.三三| |i| :::::::::::::::::::: \
          / :::::::::::::::::::::.{  r、ン'.\┬| |i|::::_::::::::::::::::::::}

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         やらない夫がからかうと、シュテルは少し拗ねたように言った。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




488◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:21:34 ID:MtoJjIM60


                       \: :\
                     -----\: :\_
               ,, . : : : : : : : : : : : : : : : : : : "'
             /: : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : :.\
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        /: : : : : : : :/: : :/  :|: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
.        ': : : : : : : :/: : :/___|:|: : : : : : : : |: : : : : : : : : : : : .
.        : : : : : : :./: : :/x=ミk :|: : : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : .
.        |: : : : : :/イ: : |ん/ 从: : : : : : : : |i: : : : : : : : : : : : :.i
         j|: : : : : _ ノ : :.!し  '  ヽ: : : : : : ||: : : : : : : : : : : : :.|
       八: : :.∨   ∨      人: : : : :从 : : : : : : : : : : : :.      でも、分かりました。
         、: :.i        /イ \: :./: : : :.|: : : |: : : : : :i
          ∨| O       '⌒ |: : : ∨: : : : :|: : : |: : : : : :|
            |             ィ:|i: : : : :|: : : : |: : : |: : : : : :|     わたし、両親が……ああだったから、全部そうなんだって、
               `    _ ,,   |从: : : :.|: : : : |: : : |: : : : : :|
                    ハ  _ /: : : : : : |: : : : |: : : |: : : : : :|      夫婦なんてって思い込んでいましたけど、
                  /: 「ニニ/ イ: : : : : |: : : : |: : : | : : : : 人
                 ⌒ノ<_\:|: : : :.:从 : : /|: : : | : : : /         そうじゃない夫婦もいるんですね。
.              _  /__ニニ\:|: : /ニ }:./=|: : :人/∨
           (_ /ニ=\ニニ:/\ニ,ノ'ニ |/
.            /:.:.:/ニニニ= \ニ=\ \ニニニ\
         /:.:._ ノニニニニニ=: ニニ\ \ニニニ\
         く:.:./━━┓ニニニニ=| ニニニ\ \ニ/ ̄ \
.          |ニニ=┗━=ミニニ/っニニニ= \ \  / ̄





                 -―‐- 、
             "´      `丶
.          /     \      \
          /    ハl  !  ヽ|  |  ',
.          〃   | |`’!. |ぃ.  |.  |    i
        .' !|   !.!.  l | ト、 ||   ! |  |
.        ' !!  .|'i.|,  !「| ヽ.||   ! |||
        l | :!  .レ||   l  __」!、 |! Ⅳ |
        | | .|  | | !    彳'Tイl! |イ |
        | i ! .レ' r彡      |! |  !l .!|
        l.|.い イ' \    、   |! |  !Ⅵ.!
        | ∨i.|  |ヽ   - '  jレ|  い!. !      うむ。世の中にはいろんな夫婦や家族がいる。
.         l| !|  | .i 'ァr‐,- '´ヽ| .i l、'. ’.
.         l| ||  l. |'´ | \ /.|  !ぃ\
.         l|jハ |  '、!  !  ィユ、.! .|.l | 、> 、
.         ∨ ぃ  ',  |.ィ//r!い|  レ /</ / l
         /|  ヾ.  ', ' l/.イ!ij.k| / ////  !
        ./ ! \ ヽ ', ヽイ!トr' |  / i/   ./
        // |   ヽl .!  |M.|/| .l Y   /|



        l.|.い イ' \    、   |! |  !Ⅵ.!
        | ∨i.|  |ヽ   - '  jレ|  い!. !      問題のある家庭も多いが……
.         l| !|  | .i 'ァr‐,- '´ヽ| .i l、'. ’.
.         l| ||  l. |'´ | \ /.|  !ぃ\        それでも基本的には、
.         l|jハ |  '、!  !  ィユ、.! .|.l | 、> 、
.         ∨ ぃ  ',  |.ィ//r!い|  レ /</ / l.      家族とは、理解し合い、話し合い、愛し合うものだ。
         /|  ヾ.  ', ' l/.イ!ij.k| / ////  !



489◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:21:51 ID:MtoJjIM60


                            __
       ,. -‐                 ‐-|::!
    , '",. -─=‐             ヽ   |:jヽ
   /´/ /   /    /    ヽ     ヽ  ||  ',
    /´7   / i     /!  i  :.:`、:.   ヾx||   !
     / イ  ,' !  l  / l  lヽ _ :.:.:',:.:.ヽ.  l Ⅶヽ.:|
     / / |  l  l   |,/  !   !  ヽ、::!ー::l-: l. : :|Ⅳ}:
     |,'  l  ! .:| ト| ´ ̄ ヽ  !   ̄`` ヽ!:/ : : l-〃    _ .-┐
     i  l l  .:l ヾ z==s \|  z==x  レ   |:/:/{. : ´: : : : : : :!   澪ちゃん、なんかうまくまとめたね~。
       ヽ|  .:|  |                |   l/_/: : : : : : : : /
          ト、 :l  ⊂⊃    `      ⊂⊃    |: :!:_:_:_: : : : : :/
          ヽ!  人   r──┐    ノ! :. l_:_:_:_:_: : :-─!
           | !  :.>、 ヽ _ ノ  ィ j  :i. l .-.-.一: :´ ̄ll
           jハ  :.:.| `ヽ、_,.、-:'´::  l  .:i i`ヽ_ : : : : : : :l
           :.:.:\ :.:.|  / /ハ:::::  ノ .:/リ:::ノ  `''ー::、  _!


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ハクが笑って言った。

         やらない夫もまた微笑んで、

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                  / ̄ ̄\
                /  __,ノ `⌒
                |    ( ⌒) (⌒)    まあ、とにかく今回も一件落着だったな。
                .|     (___人__)
                |     ` ⌒´ノ.     いろいろあったけど、めでたしめでたしだ。
                |        |
       ,. --、― --ー y:ヽ      丿
      / ::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::..\ __ _ r.〉
     / :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... _ ィ\
    //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ヽ
   ノ ..::::::::::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. 丶
  / ...::::::::::::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. `,
 / ..:::::: -、::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.... `,
 i :::::::::::.. -‐-、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r/ノ::.. `、
 ヽ::::::::::::::::::::.. \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: j::::::::::::::::.. ヽ
  \::::::::::::::::::::::.. 、::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /ヽ:::::::::::::::::::.. ・、
    \:::::::::::::::::::::.. \:::::::::::::::::::::::::::: /   ヽ::::::::::::::::::::::::.. 、

490◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:22:08 ID:MtoJjIM60


                __
              ´       ` 、, -――-  _
          /           ` ∠二 ̄__
                           、_ \
          /           /       ヽ `ヾ,
        ′           //   i! :i| ヽハ   l!
          i          //     /  リ  li .l  i
          //     ./      i/-i / / ./ ' i |/
       イ/       i /     {´ !:レ゙イ//  /ノi/
     / ! .i |  iハ    i |ヽi i    i_,イ.  '        そうですね、いろいろ……
         | ハ  !  |ヽ  l |..| |    /i !
         i'  ヽト _トi!_\ l | i!| |__ノ}ハj
                 '|三三≧}i ヽ' r:'777ー、
              「三三三三ミ、 {//////ハ
            ∠ニ=-――-=ニミ、.ゝ-―-、/j
         ∠三/三三三三=.Y´三三三.ヽ



                __
              ´       ` 、, -――-  _
          /           ` ∠二 ̄__
                           、_ \
          /           /       ヽ `ヾ,
        ′           //   i! :i| ヽハ   l!
          i          //     /  リ  li .l  i
          //     ./      i/-i / / ./ ' i |/
       イ/       i /     {´ !:レ゙イ//  /ノi/
     / ! .i |  iハ    i |ヽi i////i_,イ.  '       …………
         | ハ  !  |ヽ  l |..| | u  ./i !
         i'  ヽト _トi!_\ l | i!| |__ノ}ハj
                 '|三三≧}i ヽ' r:'777ー、
              「三三三三ミ、 {//////ハ
            ∠ニ=-――-=ニミ、.ゝ-―-、/j
         ∠三/三三三三=.Y´三三三.ヽ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルは、はっと顔を赤くした。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




491◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:22:30 ID:MtoJjIM60



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         それからジト目になってやらない夫を睨む。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

           _.. -――‐、
                  ̄ ̄`ヽ:.:i
.            _ .....-―-...._V_....-――-.... _
        ,...:≦,,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
.       /¨フ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
.         /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:ヽ
.       /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ト:.:.:.:.:.:.:i!.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:. |
     |:.:.:.;.:.:.:.:.:,:.:.:.:.__!_V_:.:.:. |∨:¨卞⌒:V.:.:.:.:|:.:.:.:l.:.:.:.:.:|
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.       V:.:|V:.:.:.:.:.V:.:N  V:.:.:|. ヽ┼ V:.:.:}.:.:. !:.:.:/.:.:.:.:.:|
.      Vl V:.:.:.:.::V:T卞弐:.:.:|   ̄下 了.:/!:./.} :.:.:.:.:|
.      ヾ ヽ:.:.:.:.::∧ ∨_}\|     _,V__/l:/:.レiノ.:.:.:.:.:.:|     ……いろいろ……
.            \:.:.::.∧xx        xx /:.':.:.:.:.}.:.:.:.:.:.,、:.:.
.             \:.:i:.ト.. _  _  ,.. ィ:.:.:.:.:..:/:.:.:.:.:./ ヾ
               /Vヾ/へ>゙汀チ=/:.:.: イ/、:./!:./
.           /::::::::::::::::厶:/レミ>¨ ̄/:::::':::::\V ジー
.            V===ミ::__〔巛フ::::::ト、:/::::::::::::::::::::ヽ
.            V::::::::「  / / ̄ヽ:::〈ミ:::::::::::::::::::::0:::.


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         風呂場での出来事を思い出したのだろう。

         シュテルはじっとりとやらない夫を睨み、やらない夫はまた後ずさったが、

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


   / ̄ ̄\
 / ⌒  ⌒ \
 |  ( ●)(●) |       あ。いや……
. |   (__人__)  |
  | u. \_)  | ))
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   /    く

492◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:23:00 ID:MtoJjIM60



.            \:.:.::.∧xx        xx /:.':.:.:.:.}.:.:.:.:.:.,、:.:.
.       ε≡  \:.:i:.ト.. _  _  ,.. ィ:.:.:.:.:..:/:.:.:.:.:./ ヾ    ……ふう。
               /Vヾ/へ>゙汀チ=/:.:.: イ/、:./!:./
.           /::::::::::::::::厶:/レミ>¨ ̄/:::::':::::\V
.            V===ミ::__〔巛フ::::::ト、:/::::::::::::::::::::ヽ
.            V::::::::「  / / ̄ヽ:::〈ミ:::::::::::::::::::::0:::.


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         シュテルは長嘆して、

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




   / ̄ ̄\               もう、いいですよ…… >
 / ⌒  ⌒ \
 |  ( ●)(●) |     え?
. |   (__人__)  |
  | u. \_)  |
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   /    く





                   __
          __ ,, -<: _: : : : : : : ヽ_
        ' ⌒>: : : /: : : : : : : : : : :--: : : : : : : . 、
         /: : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : :\
        /: : : :': : : : : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
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     //: : :/: : : /: : : : /: :/ : : : : : : : |: : : : : : :|: : : : : : : :.
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      |: : :|: : : : :|/|: :人: :! \: |\: :| \: : : |: : : :| : : | : : i
      |: : :|: : : : :|、: x======ミ ヽ  x======ミ: : :.:.|、: :.| : : |    備筆先輩のおかげで、
      |: :/|: : : : :|:.Ⅵ  v//|      |// |: : : :| Y: :,:.:.|
      |:/ : : : :.:.l : : ゝ 乂/ソ       乂/ソ:/: 从 /: /: :.|     わたしの思い込みも解けました。
      /  \: : |: : 人 〃〃        〃〃 ,: :_ イ: :/|: : |
           ト:.| : : : :`            /:|: : : : : /: |: : |
           |: : : : : |: : :>    ( )  イ: : : |: : : : /: : |: :人     だからわたし、許してあげます。
           |:|i: :.|:.:.|: : : : : ル:.:〕¨¨¨´ 人 : : |: : : /:|: :.:|:/
           |八从:人: 从:/ /ノ     /    ̄|: : ∧:|: : /
              /` ヽ /      '    |:.:/  \






                 __
                    /ノ ヽ\    +
    m n _∩  * 。゚((●)(●))゚。        ∩_ n m
  ⊂二⌒ __)       |::⌒(__人__)⌒::::|      ( _⌒二⊃
     \ \.       |  |   .|    |  * / /
       \ \.    |   |r┬-|   |    / /       ほ、ほんとか?
        \ \+ .|   `ニ二'   |.  / /
           \ \. ヽ       / / /
           \ \ヽ  _   / /                 はい。 >
             \  ̄`  , ' ̄ /
             /          /

494◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:23:27 ID:MtoJjIM60


               _
           y-一´-: : : : : : : : : : : `: .、
     / ̄ ̄':´: : : : : : : : : :\ェ、: : : : : : : \
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヾミt、.: : : : : :ヽ
   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :  \ミ》、: : : : : ∨
.  /: : o: : : l: : : : : : !: : : : :   . . 。:  ヾ心: : : : : :.',
 ,': : : : :゜: : |: : : : : : ト、. . .: : : : : 、: : : : : . Ⅶト、: : : : :.',
 l: o: : : : : :ハ: : : : : :.ヘ\: : : : :__:1: : : .Vf´二、: : :.l
 !: : : : : : : :| ヘ: : : : : :.ィ ´ ̄: : : : :ヘ: !: : : . l/::::::ヾ',: : !
 |: : l: : : : ,+-─- : : : : ', __\: : ___:l:|: : : : |{:::::::::::}:!: :!
 l: : |: : : : :l l  ヽ\: : : イ;=≠示寸ハ!: : : : !ヾ:::::::ノl: :!
 l: : ト、: : : :|⊥二_\\: ´! V、_⊂リ l: : : . |\二ノ:./      _ .-┐
 ヘ: :l ヽ: : :!ヾVuハ   ` ` ゝ一'  l: : : . lミ彡´:./  ,>. . :´: : : : : : !      ほんと、いろいろあったわね……
  ヽ{ 丶: :lハ `ー' ,           ::/!: : : .i、: : :/:/{/: : : : : : : : : : : /
    \ \八l;            ;ィ|: : : ハト、:/_/: : : : : : : : : : : : /
        |`ゞ、   ー ´  /。 !: : /、ィ_´: :!:_:_:_:_:_:_:_:_: : :-─!.         今回の手柄は、シュテルちゃんね。
        |: : : | `> -イ\   !: / ノノ\.{、.-.-.-.-.一: :´ ̄l
        l: : : !        丶  l://´: : : :ヽ\、: : : : : : : : : :l
        ∧__⊥=ミ、   _/: :} /: : : : : : /: :_\:丶、 _:_:_:_:__!
       / ̄ ̄´ア \//: : 「r´: : : : : : :./:/´  `  . `丶、_
     /  匕_´二}   ヽ,ヘ: : :!,ヘ: : : : : : /: :i      ヽ:、: : :`:ー<__
    /  ---  \r/7 /i: /\|}:/\: : : /: : :l       V\: : : : :/
.    !  ⊂_- _`ァー' r'/; レ: :|::|:/::/:\: l: : : !        ト\\/
    l r---、_丶 ゝ-{_///: : : f´::ゞ': : : : :ヽ!: : .ハ       l ヽ/
    | /㍊㌣ ̄生㌧ //: : : : }:::::::}: : : : : : : : : :.ハヽ      !: : :\
.    }/ゞ=ソ))tヘ ㌦/イ: : : : :l:::::/: : : : : : : : : : : :.`}     {: : : : : \





          / ̄ ̄\
       /   _ノ   \
       |   ( ⌒)(⌒)      そうですね。間違いない。
          |     (__人__)
        |      ` ⌒´)
          |         }
        ヽ         }
          >       ノ
       /         \  /て⊃
       |  ィ     |\  `´ ゞ _三}
          |  |      |   \__/.

495◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:23:53 ID:MtoJjIM60


                  __
            __   ,..ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.<
          ,.ィ:.:.:.:.`´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
           /ィ:.:.:.,:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:',:.:.,
          /:.:.:;.:.:.:.:.:ハ:.: :.:.:.:.、:.:.:}ヽ:.:.:.:.:.!:.:.',
            /:.:.:.:i:.:.:.:-|=}ハ:.:.:.:.:.:.',ィ芋ミ、:.:.:.ハ:.:',
          ,:.:/:.:.!:.:.:.:.:.!ィ芋ミ、:.:.:.:.:i!:::i:::V:.:.;:.:.!:.:i
           |/|:.:.:.|:ハ:.:.〃i:::!::} \;,;,代:ソ j/:.:.:|:.:.|    え、でも、最初におかしいことに気付いたのは備筆先輩……
             ';.:.:ヾ:.ヽヾ ゞソ  '    イ:.:.:.:.|:.:.:!
             ';.:.ト,:\:.:ゝ      u !:.:.:.:.!:.ハ!
            ヾ }:.:.ハ r.、 ,ィr_っ  /:.:.:./:/
             乂:.:!:∧∨ /__,ィイ/i:./ハ{
               ヘ:.{ } i i .ノノ===!'
            ,. -‐- 、 -',.! i' /- 、::::::}ー、
                i:::::::::::;:::::}::::ヽ::`ヾ⌒::::::!:::::ー-、__
            j::::,r-''::::::!___ハ:::::::}´ ミソ::::::::::::}::::ヽ
               ,::::○':::::::::r≦三三ミ:::く:::::::::::::/::::::::',
            /::::::::::::r==::|::::::{○}:::::::::::i::::::::{`:::::::::::::',


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         派即できる夫の裁判後、やらない夫を褒めるのが嫌で、

         きっかけであるハクを評価した。


         だというのに、今回のきっかけとなるやらない夫ではなく自分が褒められるのは道理に合わない。

         だから否定しようとするが――

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


             / ̄ ̄\
           /   _,ノ `⌒
            |   .( ⌒)(⌒)      いいんだいいんだ。大人しく手柄受け取っとけ。
.             |    (___人__)
             |        ノ
              .|        |
              人、       |
          ,イ:. ト、ヽ、 __ ,_ ノ
    ,. -ーー -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
  /..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: メ、
  { :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. 、_
  | ::::::::::::::::::::::..`、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..`ヽ
  '| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
   ト、:::/ / ̄`` ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
   `,ヘ ´:::::::::::::::::. ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rー'、
    }:,∨ :::::::::::::::::: ト、:::::::::::::::::::::::::>< ̄\::..\
.    }:::∨::::::::::::::::、-''゙~ ̄ ̄ ̄ ̄:::::::::...\ ム:::::ヽ
     l::::∨ :::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.、/...:::::::::ヽ}
    {::::::\,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/" ̄:::::::::::::::::::::::::ノ


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         そんなことをおくびにも出さす。

         心底嬉しそうに、やらない夫が言う。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




496◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:24:17 ID:MtoJjIM60


             ';.:.ト,:\:.:ゝ      u !:.:.:.:.!:.ハ!
            ヾ }:.:.ハ r.、 ,ィr_っ  /:.:.:./:/      ――――
             乂:.:!:∧∨ /__,ィイ/i:./ハ{
               ヘ:.{ } i i .ノノ===!'
            ,. -‐- 、 -',.! i' /- 、::::::}ー、
                i:::::::::::;:::::}::::ヽ::`ヾ⌒::::::!:::::ー-、__
            j::::,r-''::::::!___ハ:::::::}´ ミソ::::::::::::}::::ヽ
               ,::::○':::::::::r≦三三ミ:::く:::::::::::::/::::::::',
            /::::::::::::r==::|::::::{○}:::::::::::i::::::::{`:::::::::::::',


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         自分が褒められたのでもないのに

         どうしてこの人はこんな人にも嬉しそうなんだろうと思い、理解する。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                     __
                ,. . .-――.:.´:<⌒ヽ
             /:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : \
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : :.ハ
                {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..: : : :.i
.              :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : ハノ       (この人は本当に……)
               i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: : : : |i
               {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:: : : : : |{
               ハ:.:.:.!:.:.:.j{:.:.! : : ハ: :.八.         (どうしようもなく底なしの、だだ甘の、お人好しなんですね)
                 \ト、jハノ}/ヽ}ノ.,....、
          /⌒ヽイ:::::::::::::::::::: `Y´::::::::`ヽ、
       ,ィ´::::::::::::: { ||:::::::::::::::::::: {!/::::::::::::/⌒ヽ
       i:::::\_:::::| ||::::::/\:::::||!、___/::::::::::: ノ
          、::::::::::::::`;:! !!//\\||!、:::::::::::::::: /
         /::\:::::::::,:'Ⅵ,/ (___) \|! ∨__::/´`
.       /:::::::::::,>´{三三三三三三三彡 ',:::::::::::.




497◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:24:42 ID:MtoJjIM60


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         最初の印象は、最悪だった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

                 / ̄ ̄\
                /   _,ノ `ヽ
                |    ( ●)(●)      『なんの銅像だろう……これ』
               |    (___人__)
                   |        ノ
                |        |
                人         |
              _,,イ:. ト、ヽ、 __ ,_ ノゝ
           _, -'":::l:::::::\,、ー―‐ヽノ:::::'
          /:::::::::::::::|::::::::::ヽ、     ヽ:::',.、_
          { :::::::::::.:::::|::.:::/:::`、    .{ヽ|:....`ヽ
          | :::::::::::.:::::|/:.::::::::::`、    .i.::リ:::::::::ヽ
             | ::::::::::::::::::::::::::::i_.::::::|     i::::::::::ヽ::ゝ
           ト、:::/ / ̄`` ハ.:::::::|     i::::::::::::!::::.ヽ
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         中学生の自分が知っていることすら知らない無知な人。

         裁判員になったというのにその準備をしていない怠惰な人。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
                            __
                          ,....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..、
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                      ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V
                       ,'.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‐-:..、
                        ,: :.:.::.:./.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
                    /:.:|:.:.:.//:./:.:.ハ:.:.:.:/|.:.:..:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.      『ド素人ですか』
                   /:.:./:.:'/.:.:.:/|.:./‐}:.:.:/ノイ|:il:|:.:.}.:.:.ハ:.:.:.:}、.:.:.}
                   /.::. イ.:.:/.:.:.:.: if示ミi:./  ィ示T/:.:/.:.|.:.:/ }.:./
                   ̄  |:.:/i:.:.:.:::.{弋沙ヾ   弋汐レ':/::.:.i:./ ノ'        『ユースティティア』
                       ∨从.:.:.:.:|、    ,    ノイ:}.:.iノ'
                      __.リ从| >、   --    イレ|:/  -‐-           『その銅像の人物です』
                       /:::::::::ヽ|イ/}≧=--=≦\=ノイ:::::::::::::::::::\
                  ,:::::::::::::::::/ | i:::::::}` ̄丁 ̄/::::::} } {::::::::::::::::::::::::::::::ーr、.
                ノ:::::::::::::::::{::::| i:::::::::、  {i} /:::::::// {::::::::::::::::::::::ト、 //}
               {r‐:、:::::::::::::::{::::\>‐ァム===/::::r‐‐':::::}::::::::::::::::::::::::ヾ〉{ }i、
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─




498◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:27:01 ID:MtoJjIM60


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


         そんな人が「悪は裁かれるべき、善は報われるべき」と言ったのも、

         「善が悪のように扱われるのが嫌」という気持ちに基づいたものだというのは

         彼の呟きで理解していた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

                    / ̄ ̄\
                   /       \
                     |          :|
                     |        .:|
                   |         .::|             『「自分は悪くない」と叫ぶ悪党に
                      |        ...::::|
                      ヽ   .......:::::/  ポソ            「お前は悪い」と言うのと同じように』
                    ヽ.......:::::::::::/
                      i  ̄:: ̄: ̄::i                 『「自分が悪い」と思い込んでいる善人に、
                       _.!::::-=―--:::!、
               _>'"::::::::::::::::::::::::::::::::::::`丶、.          「あんたは悪くない」と手を差し出したい』
              斤ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
             .<:::::::::: 丶:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::i      『何もかも諦めて電気椅子に腰掛ける善人の、
              .〉:::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/;::::::::',
              i:::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/´::::::::/          その腕を、無理やり引っ張りあげたい』



                __
              ,....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..、
.           /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
          ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V
.        ,'.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‐-:..、
.         ,: :.:.::.:./.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
        /:.:|:.:.:.//:./:.:.ハ:.:.:.:/|.:.:..:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
...    /:.:./:.:'/.:.:.:/|.:./‐}:.:.:/ノイ|:il:|:.:.}.:.:.ハ:.:.:.:}、.:.:.}  '_
.    /.::. イ.:.:/.:.:.:.: if示ミi:./  ィ示T/:.:/.:.|.:.:/ }.:./.  、
...    ̄  |:.:/i:.:.:.:::.{弋沙ヾ   弋汐レ':/::.:.i:./ ノ'
.        ∨从.:.:.:.:|、    ,    ノイ:}.:.iノ'
          __.リ从| >、   --    イレ|:/  -‐-
.        /:::::::::ヽ|イ/}≧=--=≦\=ノイ:::::::::::::::::::\
      ,:::::::::::::::::/ | i:::::::}` ̄丁 ̄/::::::} } {::::::::::::::::::::::::::::::ーr、

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         彼自身も言っていたように過去に悲劇らしい悲劇もなく、

         そのまま育ったから言えるような、甘い考えだとシュテルは嫌悪したものだ。


         自分とこの人は合わないと、その時確信した。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



499◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:27:19 ID:MtoJjIM60


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.        /_/ヘ_lヽゝー..ヽ.    7、/ト、 ノ    /ヽ-/∠__
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                 ̄ ̄´`7ヽヽ、::::::/::`>.v'、:://<:::::::l}::l
                 / ゝ \V, ':::::::::::::―'`ヽ、::ヽ:::ヽ:l|:::!
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  V `ヽ/  >'"   |    V,i´           ヾ、::::::::;><´ ___   _
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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ……案の定、彼は呟き通りに

         総てを諦めた派即できる夫の腕を無理やり引っ張りあげ、

         「自分が悪い」と告げる柴崎お魎に手を差し出した。


         そんな彼に、毎回毎回苛ついていた。やはり合わない、と。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




500◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:27:46 ID:MtoJjIM60


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         けれど、と思う。


         派即できる夫が報われたかのような発言をした時、

         自分が「良かった」と笑みを浮かべられたのは何故か。


         派即できる夫は許すべきではないと思っていたのに、

         執行猶予に反対しなかったのは何故か。

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           //            ヽ\
          //               ヽヽ
          //     /、、_、_,,__, -l     i l
          l/     i   __   l     l l
          l    ハ .lー- ---  l .ハ    リ
          l    l ヽl ̄`ー ¨¨¨l / l    l
          l l   l ̄¨¨ヽ 、, /¨¨ ̄l. l , .l
          .ll.l   lヾ==''′ _ ヾ=='i./ /l l
          l 〉 i .l l  ̄´     ¨` ´lイ ./〈/
         /`l ヘヽヽ  /、 ,\  〃l イ'/l¨ヽ、
      , '   l ヾ\ r'  ` '  ヽ ///  l  丶、
    , '     l  ヽヾ、l '-――'-' l./ィ'/  l     丶、
  , ・        i  ヽヽヽ     .///   l       丶
/          ヘ  ヘ ヽ`ヽ、- ィ´ / /   l         , \




             '{{≦:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ハ
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      /ノ:: :: :: :: :: :: :il:: :: :: :人:: :: ノ:: :: :: ::へ :: :: :: :: :: :: :: ::|
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        `:::へ:: :: l:: :: l-‐l:::l=--:: :: ハ :: :: ::l::l:l ヽ,:: :: :: :: :: : :: ハ
           l:::: Ⅵ::::人:: :l リ  \:: ::l リ:: :Ⅳ: ::|- }:: :: :: :: Ⅳ:: :: ハ
        ヽ,::ヽ::ハ::l:ヽ::l ,,≧==ヾ i:::!ノ::l:: :::Ⅴrリ:: :: : : ∧ :: : :: ::∧=-
         l ゝ::ハト:l::ヽl 弋5乂 .l:;i ノ l:: : : :l  l:: :: : :∧ :: :: :: ::∧
           丿 ヽハ:|  Y`  l'   .l::!   l:: : :: ノ  l:: :: :: ∧:: :\: :: :: :\
               ノ   |i    l:!  l : ::ノ  リ:: :: :: : ∧:: ::\::∧ ミ-
               ` ‐ 、'! __  リ   ': : ノ  ノハVノハ::ソヽハヽノ::ハソ--
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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ……柴崎お魎の地獄行きを、

         必死で思い留まらせようとしたのは、何故か。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




501◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:28:30 ID:MtoJjIM60



── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         彼の信念が当たり前の日常という土に育まれて伸びた大木だとするなら、

         自分はその土が無くなって、歪にねじ曲がってしまった小木だ。

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                           i>トi   '     i:.:.:.:|:.:.〃三三ヽ
                           |.:.:.|:ト   -     ィ、:.、:ヽ|彡≡≡ミ|
                        ヾ、ヾ:.:.≧,-_≦___i、Vヽ/i:::::::::::::ヽミ|    …………
                          __ゝニ/∧:::::=:::i`ー‐:!/:::::::::::!|/
                          .,イ::::ヽ::::::::::::ヽ:::::::::|:::::::::::!::::::::::::::!:、
                        /:::::::::::ヽ__::::::::::\:::|:::, -/::::::::::::::::!::}
                      /:::::::::::::::::i:::{77777ヾi://〈:::::::::::::::',:}::i
                     /ミ彡⌒ミ== |:::V//////}.}/∧::::::::::::::/
                     ヽ_:::::::__::::::::::ヘ::::V/////ヽ\/`ー‐彡
                       i::::/::`71´::::::::\////\:`:'´`:::ヽ




.             / ̄ ̄\
         /       \
           |          :|
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         |         .::|   ))
            |        ...::::|
            ヽ   .......:::::/
          ヽ.......:::::::::::/
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    斤ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         それは折れた小木だと思っていたけれど、

         隣で彼という大木に支えられたおかげで、

         まだ折れてないと知った。まっすぐ伸びることができると知った。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




502◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:28:54 ID:MtoJjIM60


      __     ━┓
    / ~\   ┏┛
  / ノ  (●)\ ・        そいえば、さっき銅像を見かけたんだけど
. | (./)   ⌒)\
. |   (__ノ ̄   \.        裁判所だけでなく、こっちにもあるんだな。
  \          |
    \       /
.      \  ⊂ヽ∩.       ええと、ユー……なんだったっけ。
      /´    (,_ \.
       /       \. \
      ./   /       |. \ソ
    (  y'      .|


                       γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
                         |  ユースティティアですよ。   .>
                          乂____________ .ノ


         / ̄ ̄\
       /   _ノ  \
       |    ( ⌒)(⌒)     あ、そうだったそうだった!
          |     (__人__)
        |      ` ⌒´ノ         すまん助かった、高町――
          ,|         }
       / ヽ       }
     く  く ヽ     ノ
       \ `'     く
        ヽ、      |
            |       |




         / ̄ ̄\
       /   _ノ  \
       |    ( ●)(●)
          |     (__人__)
        |      ` ⌒´ノ
          ,|         }
       / ヽ       }
     く  く ヽ     ノ
       \ `'     く
        ヽ、      |
            |       |

503◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:29:34 ID:MtoJjIM60


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         初めて会った時は、自分が知ってる事を知らない彼に苛々していた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐


                  〃⌒
               ー=ミ{ __
             ,. . : :¨¨^: : : : : : : : : : : : .
           /: :/. : : : : : : : : : : : : : : : : : .
              /'´/: : :/: /: : : : : : : :\: : \: : : ,
              ,. : /: /: /__ /: : :| : : : : \: : :', : :′
           : :./: /: :´: :/:{ : : |: : ‐-: : :`、 : : : |
           |: : : i : x==ミ{ : : ト、:ヽ: : :`: `、 : |
           |八: |ハ{ ヒう ヽ\ r示ミ : |\}: !
             ノ\: \:::.  ,    ゞ-'|: :|〉: : : :k:.       もう、困った先輩ですね。
             / |:/: 八   、       |: :ヽ: {: :{ ヽ
                |′{: : : .     ´   イ: :|\「\}
                    {\{ r}___-=≦_:/{ヽ:|  `.            しっかり覚えてください。
                __r‐}::::|:::|:::::::::}
                -=//::|:::┌―┐:::/\‐-....
             /.:::::〈〈:::::|:::└―┘,:::::::〉〉:::::::::::..
.          /.:::::::i::::_>〈=ミ、__::/.:r<.:::::::/.::::::.
         /.:::::::\|:::{「::::::∨::::::/.:://-‐.::::::::::::::::|
          〈__彡 ⌒|:::::.f´ヽ:__::ニ=-.::r=======ミ、.:::|
.          \.:::::::::|:::::::〉 ー{ }-‐  }:|::::::::::::::::::::::} }__|
             ヽ-‐|::::::{___ノ::}ー=彡::., .:::::::::::::::::::ゝ=|
           〈::::::∨::}  / :}  }::::::〉.:::-‐‐-.::::/
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             ‘.:::::::::ヽi ::::|::::|:::::::::/::::::::::::::〉 |
               `:::::::::::i::::: ',::::〉:::/::::::::::::::/ .::|
                `:::::::::‘,:::|:::|:::;:::::::::::::::/::::::::〉
               ,〈{:::::::::::‘,|:::|/ .:::::::::::/..-=≦\
.           /::::{:::::::::::::::’ :/ __.::::::::/::::::::::::::___」
          |:::|:::::/`^ー=ミ/ └ミ/-=ニ::::::::::::\
          ∧:∨レ'^¨¨¨`ヽ:::::\  〉::::::::::::::::::::/〉
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        ,::::::::::::::{::`{::::::::::::::} 」/}/.:::::::::::\.::::::::::::::::::::::::.\
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       /.::::::::::::::::', ゝ''しノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.\
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── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         今は自分に無い部分を沢山持っている彼の、

         足りない部分を自分が埋められる事が何故だろう、こんなにも嬉しい。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐





504◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:29:50 ID:MtoJjIM60


                            __
       ,. -‐                 ‐-|::!
    , '",. -─=‐             ヽ   |:jヽ
   /´/ /   /    /    ヽ     ヽ  ||  ',
    /´7   / i     /!  i  :.:`、:.   ヾx||   !
     / イ  ,' !  l  / l  lヽ _ :.:.:',:.:.ヽ.  l Ⅶヽ.:|
     / / |  l  l   |,/  !   !  ヽ、::!ー::l-: l. : :|Ⅳ}:
     |,'  l  ! .:| ト| ´ ̄ ヽ  !   ̄`` ヽ!:/ : : l-〃    _ .-┐
     i  l l  .:l ヾ z==s \|  z==x  レ   |:/:/{. : ´: : : : : : :!    へえ……シュテルちゃんがそんなに笑うのなんて、
       ヽ|  .:|  |                |   l/_/: : : : : : : : /
          ト、 :l  ⊂⊃    `      ⊂⊃    |: :!:_:_:_: : : : : :/.       初めて見たわね。
          ヽ!  人   r──┐    ノ! :. l_:_:_:_:_: : :-─!
           | !  :.>、 ヽ _ ノ  ィ j  :i. l .-.-.一: :´ ̄ll
           jハ  :.:.| `ヽ、_,.、-:'´::  l  .:i i`ヽ_ : : : : : : :l
           :.:.:\ :.:.|  / /ハ:::::  ノ .:/リ:::ノ  `''ー::、  _!




          ,  イ: ´:  ̄ ̄: : : : `: : : 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
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  、 : : : : : :人 ヽ: : : : :: | z==ミ、`       ∧: : : :|
   ヽ-‐ー ´ゝ : :: : : |           _    /: : : ::::/    まったくだな。
           \: : |⊂⊃     x=ミ、∧: : : :::/
             ヽ/       ,   /: : : : : : |.       可愛いのだから、もっと笑うといいと思うぞ。
              \        ⊂∧: : ::|ヽレ'
 ―                \ ` -     イ:: ::..: :|
    \   \       ヽ_    <_:_: : : :ノ
     \   \       ヘ´    ヽ ̄
       \    ヽ             /

505◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:30:26 ID:MtoJjIM60



           イ ̄ ̄: : :: : /: : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :‘,
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.      .∨  ∨: : :l}: ',.ハ:ヾハ:::r:、iヾ   `:{  '乍r:、:i:ハ入:リ: : :リ: :./|  `    ……可愛い、なんて……
             .∨:./\ヾ:..:i/ 弋;じ       乂zじ’ } :| : : l: : : : |
             ∨   |: :.iハ .::::::::..  ,     .:::::::::..  〃 :|: : :.l:.:. : : {
                  |: :.:.圦             . / : : |: : /: : :l.:.:|
               .|: : : . ::>、  ゝ _,ノ     /.: : ./: :/: : :/|: :|
         c     .| ! : : : l.{` `丶_        ィ :/../ : /|: : / .}八
          c    .l\|ヾ/   `}>‐ <  ´/"..../lル' イハ/
                 ` ヽj:::: ̄ ̄ ̄::::::: ̄ ̄ // 7 /
                  ィ7.ゝ- 、:::::::::::z― ,〃=く
                /// ヽ二ヽ:::::z― 、//:::::_::ヽ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         澪の言葉に、シュテルはますます顔を赤らめる。

         耳まで真紅に染まった顔は、確かに可愛くあどけなく――

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



.   : : i:.i:.:.:.:.ii;.:.:.:.i:.:i,ヽ;.:.:.:.ヾ;,;,;,;,ヾ;;,;ヾ>-:.:.:丶i:.:  ヾ心: : : : : :.',
   : : i:.:i.:.:.:.i:ii;.:.:.:ii;.:i, ヽ;.:.:: :.ヘ\: -i'''i,'''、''''ヽi,:.:: : . Ⅶト、: : : : :.',
.   : i:.i;.:.:.:.i.:ii;.:.::i.i;.'y丶`: : : . ィ ´' i_,ノヽ-i  i:1: : : .Vf´二、: : :.l
   : : i,:ii,:.:.:.i:.:i,'i;,;,i'ヾ;i,,,_\ : : : : ',  i,'ヽi´ i  !: : : . l/::::::ヾ',: : !               おおおおおおお!
     ヾi'i;.:.:.i:.:ヽヾif´i, iヽ \: : : イ  `┴''''´ |: : : : |{:::::::::::}:!: :!
  ノヽ    ヾ;.i,.:.:ヽ ヽ ヽi,`i'、 \: ´!  / / /  !: : : : !ヾ:::::::ノl: :!                 シュテルちゃんのハニカミ笑顔
  ヽ′     ヽ.:ヽ、ヽ__,y''      _, -、   l: : : . |\二ノ:./       _ .-┐
         i:.:.:.:.iヽ ///  ,_,,.- '´  ヽ   l: : : . lミ彡´:./  ,>. . :´: : : : : : !      キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!
         i:.:.:..:.i:.ヽ、    ヾ、    ,!  ./!: : : .i、: : :/:/{/ : : : : : : : : : : : /
.         i,:.:.:.:i.:.:.:.:'i.-.,,,_  ヽ,____, ノ / |: : : ハト、:/_/: : : : : : : : : : : : : /
.         ii,:.:.:.i;.:.:.:.:i;.:i.:.:. ` -.,_______,/r'" !: : /、ィ_´: :!:_:_:_:_::_:_:_:_:_: : :-─!
          ii,:.::.:ii;.:.:.:.ii;.ii,:.:.:.:.:.:.:.,ゝ: ;/  _,r!: / ノノ\.{、.-.-.-.-.-.一: :´ ̄l

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         ハクが馬鹿みたいに叫んだ。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



506◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:30:43 ID:MtoJjIM60


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         そしてカメラをおもむろに取り出すと、

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

                            __
       ,. -‐                 ‐-|::!
    , '",. -─=‐             ヽ   |:jヽ
   /´/ /   /    /    ヽ     ヽ  ||  ',
    /´7   / i     /!  i  :.:`、:.   ヾx||   !
     / イ  ,' !  l  / l  lヽ _ :.:.:',:.:.ヽ.  l Ⅶヽ.:|
     / / |  l  l   |,/  !   !  ヽ、::!ー::l-: l. : :|Ⅳ}:
     |,'  l  ! .:| ト| ´ ̄ ヽ  !   ̄`` ヽ!:/ : : l-〃    _ .-┐
     i  l l  .:l ヾ z==s \|  z==x  レ   |:/:/{. : ´: : : : : : :!    シュテルちゃん!いまの!いまの顔!もう一度して!
       ヽ|  .:|  |                |   l/_/: : : : : : : : /
          ト、 :l  ⊂⊃    `      ⊂⊃    |: :!:_:_:_: : : : : :/
          ヽ!  人   r──┐    ノ! :. l_:_:_:_:_: : :-─!
           | !  :.>、 ヽ _ ノ  ィ j  :i. l .-.-.一: :´ ̄ll
           jハ  :.:.| `ヽ、_,.、-:'´::  l  .:i i`ヽ_ : : : : : : :l
           :.:.:\ :.:.|  / /ハ:::::  ノ .:/リ:::ノ  `''ー::、  _!





                   ___
       __  ,, .: :. :.''":. :. :. :. :. :. :. :.\_
     <:. :. :. :. V:. :./:. :. :. :. :.⌒7:. :. ⌒:. :. :. :.``丶、
       >:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :./:. :. :`、:. :. :. :\:. :. :.:.\    て
       /:. /:. :. :. :. :./:. :. / : |:. :. : : `、:. :. :. : ヽ:. :. :. :.\   (
      ':. /:. :./:. :./:. :. /:. /:.:.|:. :. :. : : `、:. :. :. :. ',:. :. :. :. :ヽ
.     /:/:. :. :/:. :. :. :. :. :.:. :. :. :. :. :|:. :. :. :. :. :.`、:. : : : :',:. :. :. :. : .
   / 7:. :. :. :.:. :. :. :. : : _i____|__ : |:. :. :.:|:. __:. :. :. :. :. : : : : : i
    ':. :. :. :.i:. :. :. :i:./:.|:. :. : |:. :.:.|:. :. :.:| 、:. :. :. :.\:. :.:i:. :. :. :. :|
    |:. :.|:. :.|:. :. : イ:. :. ハ:. : : |:. :.:i|:. :. :.:| \:. :. :. u:. : |:. :. :. :. :|
    |:. :.|:. :.|:. :. :. :|:. :. x==ミ:.|\八:. :. j| x===ミ、i:. :. : |:. :. :.:.|:.:|
.   八 : |:. :.|:. :. : 人〃 んハ ヽ ヽ\从 んハ  Yi : : |:. :. :.:.|:.:|
     ヽ:. : |:. :. :..:. : i   v ソ  /// v ソ  从:.:.j|:. :. :.:.|:.:|    え……ええええ?も、もう一度って……!
        \|:. :. :. : j|:.\ __ ////// __   /:. 八 :. / |:.:|
           i:.\:. 从:.⌒ u ////////,:./:. :.:イ:. :|:.:|
           |:. :. \:. :.込 u   ―――  、  .イ:. :. :./:. :.j|:. 人:|
.        人:. :. :. \:. {: > 、       ,, r< |:. :/}/从'__ ヽ
         /\:. :i  \' \_ { ≧ =≦ヲ'   j '  '  __  ヽ
          / /'\__ ⌒> ⌒ヽ__彡 / ̄ ̄\/   ヽ }
        i/  / ̄  __) /  ___ ∨/__ > (_ ノこ __i 人
       /'|  / /  / )  /_____    ( _ _ ヽ ヽ
.      / |  i   ノ / /            \}(___  i  i
     /'  |  l     //                    | (__ |  |

507◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:31:00 ID:MtoJjIM60



           -――-  、
_Λ_    .  ´         丶
`V´  /                \
   /    /               ヽ
  /     /      i   |         ',
  ,'    ,' /.. --|、 |i    l_ |
  l   i  イ´  / l .! |  .,'|  j、   |   l
  |  .l  .|  ./  l/ l  / l ./ ヽ  |   |       ついでに澪ちゃんも!
_.', r |  l./ ○   |.ノ  ○   l ハ  ,'
!::::::ヽ| l  | 、、、       、、、|〈 |/.           美少女二人で!
ヽ::::::::ヽ.|  l       r―,     / lイ
 ヽ ̄ .l  |._     || ´   .  ' |   |   _Λ_.     はにかむよーに、はにかむよーに!はい!
  l /:|  l.:/l    || .<i´   l  l   `V´
 〈::|:::::::/l  |'| ヽ  ||, .\:!ヽ   |  |
  \:/.::|   l へ\ .||' .ヽ l::/   |  |





                    ___ | |l
                l|l.  ´     ,   `  、
             ー=彡   /  ,小  \   \   て
             ||l /  , / j / } 、 \‘,\ :,  (
             ′ / /| 爪 ,) `\j} :|   |
              ,.イ  Ⅳ ル' ,) `   ,.ニ廴| ⅰ| ,|
            / |  i| <cヒり     ヒりo>| ||i       誰がするか、馬鹿!
             八,j从 ,,,,   '    ,,,  L.」┘|
                l il\  r‐-‐ 、  /  /}:|
              j| 八   V__j    /イ ! |l
        .   ll|  八   \        /  / ‘,',
          l| ,/_ヽ   〕i ー ´/  /__ヽ', |l|
            /f´ 、   レ゙ :| ,.. /  /     `、,
          ´ /|   \ⅰ |/{_}\ ′ ,' /    | ', |l
         l||   |     | |'/,小ヽⅰ  / ,    |. ′
            |〈\   :| |'/l { {〉〉|  |〈,/    /  ′
            ||    | | | |ー' |  |/     /

508◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:31:24 ID:MtoJjIM60


                                                  _」_
                                                X´
             / ̄ ̄\                          ./     ワーワー
           /   _,ノ `⌒                        ┼      ギャーギャー
            |   .( ●)(●)
.             |    (___人__)
             |        ノ
              .|        |
              人、       |
          ,イ:. ト、ヽ、 __ ,_ ノ
    ,. -ーー -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
  /..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: く'、
. { :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. 、_
  '| ::::::::::::::::::::::..`、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..`ヽ
  '| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
   ト、:::/ / ̄`` ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
   `,ヘ ´:::::::::::::::::. ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rー'、
    }:,∨ :::::::::::::::::: ト、:::::::::::::::::::::::::>< ̄\::..\
.    }:::∨::::::::::::::::、-''゙~ ̄ ̄ ̄ ̄:::::::::...\ ム:::::ヽ
     l::::∨ :::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.、/...:::::::::ヽ}
    {::::::\,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/" ̄:::::::::::::::::::::::::ノ


── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         三人は、いつまでもぎゃあぎゃあ騒いでいたのだが――

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




             / ̄ ̄\
           /   _,ノ `⌒
            |   .( ⌒)(⌒)   ま、いっか……
.             |    (___人__)
             |        ノ
              .|        |
              人、       |
          ,イ:. ト、ヽ、 __ ,_ ノ
    ,. -ーー -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
  /..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: メ、
  { :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. 、_
  | ::::::::::::::::::::::..`、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..`ヽ
  '| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
   ト、:::/ / ̄`` ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
   `,ヘ ´:::::::::::::::::. ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rー'、
    }:,∨ :::::::::::::::::: ト、:::::::::::::::::::::::::>< ̄\::..\
.    }:::∨::::::::::::::::、-''゙~ ̄ ̄ ̄ ̄:::::::::...\ ム:::::ヽ
     l::::∨ :::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.、/...:::::::::ヽ}
    {::::::\,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/" ̄:::::::::::::::::::::::::ノ

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         今日はひとまず、これでいいかなと思うやらない夫であった。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐




509◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:31:39 ID:MtoJjIM60





── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐

         窓の外には天の川が広がり、その両脇には七夕で知られる二つの星が。

         そう、織姫と彦星が煌めいていた。

── ──‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐─────   ‐‐‐‐─ ‐ ‐‐──   ────  ───‐‐



☆.。 .:* ゜☆.  。.:*::::::::::::::::゜☆.。. :*☆:::::::::::::::::: 。.:*゜☆.。.:*
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510◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:31:53 ID:MtoJjIM60




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         第三話 枯れた心に花咲くとき   了

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                                              第四話 最後の被告人 に続く

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512◆NdaE78waTE2015/04/06(月) 00:33:03 ID:MtoJjIM60

今回は以上になります。

長丁場のお付き合い、誠にありがとうございました!



                    ,.'´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、 \
                      /: : ,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
                 //: : / : l: : : : : : ',: \: : : : : : : :ヘ: !: -、: :! :: : : ヽ
                    /: : : /: : ハ: : :: : : : ',: : `\: : ___ :l:|: う :j Ⅶト : : : : :ヽ
                ′: ./:: : : | ヘ: :: : : : : ',: / テ==ヾ、ィ': : .Vf : : : : ∨
           ┼  l  {1: : : : :.メ、  \: : :: : : V/ /     ヽ`: : : Vf 二、\:.l  _ ノL
 .     ,-、.  ,-、   __ ノL.从N: : / ィテ≧   : : : イ; {l      l| : : : ,'l/::::::ヾ'! : !    Y´
   j 〉 } / j    .`Y´  八.:: イ //   ',  \: ´!  ',     j: : : : : |{:::::::::::}:レ!    _ .   ,-、 /)
   「| j .ヽ{  ト,.┴、__   '  V:!l' ll   j   ` `  \_   _ノ.!: : : ;: !ヾ:::::::ノl !  :´: : : :|_ / ////)
 . ヽ\\      / ト、_   、  j|| ll              ̄ // |: : ,' . |ヘ二ノ| //: :  `Yニ{  レ,.=゙''"/
    |      _, 人/ 〉l._ ',  { ヽヽ_ノ       ヘ     |: //'´: /ノ:!:_:_:_: フ7_/ /  _ノ   '"‐'つ
     ̄ヽ<て` t彡' \j:: : :`ヽ ヘ ////   マ/::::::::::::j    .|: : -'/ ´,...<: : : :レ {l ! ! ´   ,二ニ⊃
        `ヽイ_´>─'- : : : : : ヽ ヽ         ` ー '      /!//≦>'´: : : : : : : : ::| メ\_, ィ─"
          {_:::::::::::: : : : : : : : ヽ ト _         < | j/!j: : : : : : : :l: : : : : : <_ `メ.ノ
        __ ノL.._ 、:::::::::::: : : : ┼ヽ !: : ::{>─   ィ ´ }   !/'   \ :__ノ L _: : : : : フ´__ ノL.._
         `Y´  ヽ::::::::::::::::::: /ヽ\: |\: :: :∨|: {:/| ̄ ̄ ` Z  \:`Y´::::::::::,:、ー‐- -  ___   ̄ ̄ ¨  ‐-
             _ ノL_、:::/   /:|/「7⌒ヽ-― \: :: : /    /´ :::レ '´┼`          ̄¨ニ -  _    \
               Y´  ┼ヽ、 j:::::: :: : レ  Y: :: :/.: :\/: : : ―≦ ┼ \    `   、        ミメ、     ヽ
                      --' l::::: :/〈-―x}: :: :/: :: ::T ===、    \      `  、        \
                       ´}∠-' |::{ ヽ≧x: :: :: :: :: ヽ: : : : : ::::::\     \    ` 、 丶        ヽ }
                        ::::: ′.|:∧ \ \-‐… ノL.._: : : : : : : ─、    \    \\  ヽ        }/
                        {: : : :: .{ |/0/ \ \: ::`Y´ \: : : : : : ::::::}      \     \\ 、\     /

                        ※ 女子中学生の恋に落ちた瞬間が目の前で見れて
                            ヒャッハーなハクさん

513名無しのやる夫だお2015/04/06(月) 00:33:41 ID:AeMKnO6k0
乙!
いい話だった。

514名無しのやる夫だお2015/04/06(月) 00:33:57 ID:9LOkm6DY0
おつー
祖父母がまさにこんな状態で辛いけど、救われた物語があると嬉しくなる

515名無しのやる夫だお2015/04/06(月) 00:35:01 ID:1dtbd7Zc0

大人びたロリが心の闇から解放されて素直になる姿は最高やな!

516名無しのやる夫だお2015/04/06(月) 00:36:16 ID:wRsPzJoE0

今回は序盤でシュテルの未熟さが欠点として描かれてたけど、後半ではその若さが利点として描かれてたな
K1が実際に来てると言うあの世の裁判所ってのを活かせる状況なのも良かった

517名無しのやる夫だお2015/04/06(月) 00:57:21 ID:SRTRT.hA0


前回のできる夫と違って、心の底から地獄行きを望んでいたお魎さんを変えられたのは
やっぱあの世の裁判ならではだな。死別した奥さんの裁判を見届けようとしたK1の信念にも天晴れ
あとハクさんのマイペースが今回もゆるぎないのですが、そのパワーの根源はいったい・・・うごごご

隠岐島千景の大いなる野望 [ 須崎正太郎 ]

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